妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2008年12月31日(水) |
『先生、シマリスガヘビの頭をかじっています![鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』(他) |
【小林朋道 築地書館】
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』の続編とでも言いますか。 タイトルにもなっている、ヘビをかじるシマリスの話しが興味深かったです。 そんなことをするんだなぁと。 あとは、前作の時同様、津生島の話しが楽しいです。見てみたい。 犬とネコの話しもあり、コンラート・ローレンツの著書の話しが出てきて、やっぱりあの本を読むとこういう道に入りたくなるんだなぁと。
佐々木倫子が漫画化してくれないかな。 ノンフィクションなんですが、この本は。
2008年12月30日(火) |
『タイトロープ』(漫) |
【夏目イサク 新書館ディアプラス】
ディアプラのBLは可愛いのが多いですね。 ディアプラのBLに比べたら、フラワーコミックスの少女マンガのほうがよほど過激だろうと。
ほのぼの任侠もの。 BLにおける任侠ものは基本、激しいのが相場なんですが、微笑ましい感じで。 ごくせんの極道みたいなイメージで。 今回もツンデレっぽい感じで、あまりツンデレ好きじゃない私も、夏目さんのは割りとかわいらしくて好きです。
『どうしようもないけれど』の二人の話しも収録されてます。
2008年12月17日(水) |
『魔法使いの恋』(漫) |
【三池ろむこ 新書館ディアプラスコミックス】
少女マンガみたいなBL短編集。 ディアプラなんで、軽いBLとでも申しましょうか。 全体的にキュートな感じでよろしいんではないでしょうか。アクの強いものが好きな私にはなんかこう、変態的な何かが欲しい、と思っちゃいましたが。 これはこれで、よいとは思います。 中学生×高校生の発展途上カップルが可愛かったです。 がんばって大きくおなり。
2008年12月16日(火) |
『足りない時間』『刺青の男』『恋愛裁判の行方』(漫) |
本日BLデー。
【日高ショーコ 芳文社花音コミックス】
日高先生のSキャラ好きなので、「感情サイン」が好きでした。 まーこれは、『シグナル』に続編が収録されてるので、読む順番が逆になったんですけれど。 あと、硬い職業好きとして、検事×管理官の「遠距離恋愛」もよいかと。
+++++++ 【阿仁谷ユイジ 茜新社EDGEコミックス】
『喜劇は恋に進化する』を読んだときに、みんないい人ばっかりと書いてしまったのだけれど、これを読んで、がっつりしたものも行けたんですね・・・と認識を改めさせられました。 BLからしか出てこないであろう、異色作。 たまにこういうとんでもない話しが出てくるから、BLは侮れない。 この開けた絶望感。 久保田が強烈なインパクトだ。 後半に収録されている二編も合わせて、ウェットな一冊。
+++++++ 【阿仁谷ユイジ コアマガジンドラコミックス】
『刺青の男』とうってかわって、ラブとエロとおバカ満載の短編集。 おそらく、中間というものがない人なんだろう。 あまり器用そうな感じはしないからなぁ。 「いとしの執事さま」(執事喫茶の執事です)と、「A HERAT STAIN」が好きだったかな〜。
2008年12月15日(月) |
『ジョーカー・ゲーム』(小) |
【柳広司 角川書店】
表紙の結城中佐が素敵な、今年のこのミス2位です。 第二次世界大戦頃の日本陸軍の極秘組織、スパイ養成学校通称D機関のスパイ短編集。 養成学校の卒業生のスパイや、それに関わることになる軍の人間たちが主人公になった、5つの短編が収録。
D機関の設立者である、伝説的なスパイ、魔王こと結城中佐が全編に関わってくる以外は、これといったリンクがなく、もっとお互いに作用しあっていれば連作短編としてよかっただろうになぁともったいない。 欠点の少ない小説で、充分に面白かったのだけれど、面白かっただけに、全体を見渡した時になんだか印象が小粒になる。 たとえば、一話目の「ジョーカー・ゲーム」の佐久間がその後どうなったのかとか気になってしまう。
でも、一話一話はスリリングで、ミステリ的な趣向もそれぞれに凝らしていて良作ではありました。 「ジョーカー・ゲーム」と「XX」が好き。 結城中佐が、非情なのかと思いきや、最終的にはそんな悪い人でもないかもしれない、というのがいいんだか悪いんだか・・・です。 D機関の長編が読んでみたいなぁ。
2008年12月13日(土) |
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!!鳥取環境大学の森の人間動物行動学』(他) |
【小林朋道 築地書館】
タイトルどおり、鳥取環境大学の先生が書いた本です。 鳥取版『動物のお医者さん』みたいな。 獣医学部ではないですが、野生動物絡みの事件が綴られています。
自然に囲まれた環境にあるため、タイトルの通り巨大コウモリが構内に闖入してきたり、捕獲したヘビとハムスターが同時に逃げ出してしまったり、大学のヤギ部の話しなど、動物好きにはエピソードのどれもが興味深い。 鳥取環境大学楽しそうだなーと羨ましくなる。
動物のことだけではなく、動物行動学と人間比較行動学が専門ということで、動物に対してどうして人間がそのように思うか、そのような行動に出るのか、といった人間サイドの仕組みの解説もあり。 人間が生物や生物同士が作り出す様々な関係に魅了されることは、特に珍しい特性ではなく、バイオフィリアと名づけられている特性だそうで、野生動物見て感動しちゃうのはそういうことか〜と説明されると納得するとともに、感動の元を論理的に説明されるのってなんかこう釈然としないなぁとも思いますが。
楽しい一冊でしたが、難点が一つ。 写真が下手。 生きてる動物を撮るのは難しいのだとは思うけれど、ボケてるのとか近いよ、とか。せめてカラーだったら見やすかったのになぁ。
2008年12月11日(木) |
『あらゆる場所に花束が・・・』『天神のとなり』(小) |
【中原昌也 新潮社】
タイトルよりも作者名の方がでかでかとした表紙ですが、また中原昌也自身が描いた表紙絵と相まって、相変わらずの嫌々感…。 投げやりにひねくれた思考そのままに、思いついたまま書き連ねられていることは前に読んだ『子猫が読む乱暴者の日記』と芸風は変わらないながら、三島賞を獲った作品だからなのか、小説としてのまとまりをみせている、気がする。 そんなまとまりは期待してないのに。 投げやりになりがながらも、書いているうちにふっと熱くなってしまって、でもその次の瞬間にはもうどうでもいいとなり笑いに走ってみたりする。
評価なんてされたくもないし、褒められたくもない、期待なんてされたくない、というのがありありしてるのに、なぜか褒められてしまう中原昌也。 私は褒めようとは思わないが、でもまた、気分が悪い時にでも読みたくなるんだろうなぁ。中原昌也の胸糞悪い小説。
++++++++ 【五條瑛 光文社】
元大学准教授で、今はヤクザの使いっ走りの鏑木が主人公の連作短編。 桜庭探偵事務所シリーズとか、赤い羊と似た話し。 好きは好きだが、このままではいつまでも売れない・・・。 たまにはがっつりした長編が読みたい。読みたいですよ、先生! 『スノウ・グッピー』くらいの話しが読みたいですよ!! 五條瑛は鉱物シリーズをもっとコンスタントに出せていれば、もう少しメジャー作家になれたんではないかなぁと私は思うのだけれど。 なんであのシリーズが出ないのかはわからないが。
雑誌連載がまとまる形ばかりで、なかなか書き下ろしもないし。 五條先生も大作をあえて書こうとしていない感じがするし。 先生の書く主人公みたいに、本人もどうもややひねくれているような気がするなぁ。
鏑木と世話焼きの京二が可愛かった。 なんとなくシリーズ化しそうな気もしたが、五條作品は基本そんなのばっかりだ。 ラストは、『蝶狩り』の時同様、それでブツはどうなった・・・と。
2008年12月09日(火) |
『真皓き残響氷雪問答 炎の蜃気楼邂逅編』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
短編二編が収録された、ちょっと小休止な感じの巻。 直江さんは一人ぐるぐるしてますが。いつものように。 今回の表紙好きだなぁ。
「氷雪問答」 景虎さまが意外ととんちがきくという話し。 とんちというか、屁理屈なら負けねぇぞ、というか。 ミラージュ定番な、雪の温泉シーンもあり、と書くといらぬ期待を抱かせてしまうな。景虎さまの入浴シーンは残念ながらございません。
直江さんの思うお船ってドSなんだなぁ・・・と。 直江さんがドMだってだけの話しかもしれないが。 水菜先生にも「自虐してなんぼ」と言われてしまう直江・・・。直江さんから自虐を取ったら何が残るんだって話しですよ。 (最近の感想はそればっかりだな)
晴家の男らしさを見るにつけ、400年後の綾子ねーさんと結び・・・つかないこともないところがなんとも凄いな。400年は伊達じゃない。 雪蛇が可愛かったです。
「傾奇恋情」 最近、あまり出番がない長秀がメインの話し。 最近に限らず、面白いポジションにいる割りに、景虎−長秀ラインの話しはあまりない。 景虎−直江の一極集中だからしょうがないと言えばしょうがないし、本編はそれどころじゃなかったからなぁ。 直江さんがいないと何につけ平和だなぁという気がしました。
直江直江書いていてちょっと今更なんだけれど、誰も信綱って呼ばないよな・・・。これは遠い昔から心の片隅に引っかかっていたのだけれど。その人から距離置かれてる感がいかにも、という感じではある。
2008年12月08日(月) |
『恋の話がしたい』『ハルジャン』(漫) |
【ヤマシタトモコ 東京漫画社】
ヤマシタトモコってもの凄く、自分のキャラクターを突き放してるところがあるよなぁと、今回の短編集を読んで思った。 全体的な温度の低さとか、残酷さとか、他の作家なら描かないようなみっともなさを描けるのはそれ故なのか。
「Re:hello」と「スパンク・スワンク」がよかったかなぁ。 なんかもう最近は変態の話しばかりが好きだ。 変化球とも言い換えられる。 あと、成就しない恋の話しがちょっとブームだ。 悲恋とはちょっと違うのだけれど。
+++++++ 【小山宙哉 講談社モーニングコミックス】
デビュー作だそうだ。 高所恐怖症の高校男子がスキージャンプに目覚める話し。 小山先生のマンガはこれで三作読んだのだけれど、子どもっぽい大胆さと、妙な神経質さが不思議と同居する主人公が共通する。 年齢は高校生、30代、70歳とてんでばらばらだけれど。
部活動モノとはちょっと違うのだけれど、この先もっと続いたらあるいは部活動モノっぽくなったのかなぁという気もするがこれで終わりなんだろう。 ハルと青の関係って一体・・・?という疑問を残して。 もう少し、ハルがジャンプを上達していくところを見たかったなぁという気もする。 でも、スポ根ものは名作が多いし書き手も多いので、じいさんの話しや、おっさんが宇宙を目指す話しの方が、個人的にはいいなぁとは思う。
2008年12月07日(日) |
『ピカルディーの三度』(小) |
【鹿島田真希 講談社】
初・鹿島田。 短編集です。 作家人生に迷いが生じてるんでしょうか。それともこの迷走するストーリーにもならないストーリーと、外れていく文章は作風なんでしょうか。 誰か、鹿島田真希にBLという世界もあるよって教えてあげたらよいんではないでしょうか。 書いてみたら意外と水が合うかもよ。
「美しい人」 兄に愛情というかほとんど劣情を抱く妹の視点の話し。 だからどうだっていうか、そのオチかよ・・・。 二話目と登場人物を置換しても成立しそうな、似たような構造。
「ピカルディーの三度」 音大の受験を控えた「おれ」が、ピアノのレッスンに行った先で、トイレに行きたい(大)って言ったら、じゃあこれにしろって先生に青い洗面器を差し出されてときめくという話し・・・ってなんじゃこりゃ。説明するととんでもなく馬鹿馬鹿しいというかカストロじゃないか。 カストロなBLなのかというと、そんな生々しい話しでもない。 BLはBLだがな。 どうせなら、最後まで糞をするという行為で通して欲しかった気もする。 というか、糞=文って駄洒落か。 暗喩がストレートすぎるし、文中で説明しちゃうし。 まぁ、おれの思考の迷走ぶりが笑えたけど。そして、そんなとんでもエピソードを聞かされてる割に友人の喜多川が驚きつつも普通に相談相手になってるのも妙に微笑ましい。全体的になんか微笑ましい話しだった。 それにしても、表紙が青い洗面器じゃなくてよかったな〜。紫でよかった。
「俗悪なホテル」 聖と邪、もしくは高尚と低俗、その対比するものが同居することの葛藤、のような、その辺がテーマなんでしょうか。この本、全体的に。 なんちゅうか、そんな観念的な抽象的な感情はどうでもよいよ、というのが正直な感想です。
「万華鏡スケッチ」 そこかしこに見られる、不道徳になんの意味があったのか。 先日読んだ『九十九十九』を思い出しつつ、ぼんやりと読み終わりました。
「女小説家」 鹿島田真希の分身にも思える、書けなくなった女小説家の一人称の話し。 話しというか、これもまとりとめなく独白が続くので、何がどうなんだという気分。
とりあえず、他のもう少し評価の高い本を読んでみようと思いました。
2008年12月06日(土) |
『天狗陰陽道』(漫)『このミステリーがすごい!2009年版』(他) |
【漫画:笠井あゆみ 原作:桑畑絹子 リブレ出版】
まぁ、笠井あゆみだから買って読んだというだけなんで、感想も特にないんですわ。 内容?別に面白くも面白くなくもなく。 笠井あゆみは、漫画を描くと良さが半減するな・・・と思うけど、今までの漫画よりは良かったかな。 可もなく不可もなく。 それよりも私は、最近の笠井あゆみイラストの色彩がいまいちだな〜と思う。 もっと艶っぽかっただろ〜と言いたいのだが、過渡期なのかもしれないし、もうあんな細かいの描いてられないということなのかもしれない。 『月夜絵』まで戻れとは言わないが、『戀字宴』あたりの絵とか色が好きだなぁ。
++++++++ 【宝島社】
毎年恒例このミスですが、うちのサイトでは全く恒例ではありませんな。 なぜなら、私が文庫派なのでランキングに読んだことある作品が載ることがないというのと、ただただこのミスと本の好みが合わないので参考にならない、という理由です。 それでも一応、ランキングくらいは確認するんですけれども、いつも。 んで、今年はなんで購入したかと言うと、海堂先生の短編が書き下ろされてるからです。 同じ理由で『もっとすごい!!「このミステリーがすごい!」』も読みましたけど、感想書くの忘れてましたね。 国内の小説なら、このミスに頼らなくても情報は入ってくるからさして私には必要ないのだけれど、海外の小説に関しては参考になります。
国内編 1〜20位まで、やっぱ読んでない本ばっかり並んでる。 読んでないなりに、今年は湊かなえかな〜と思ってたけど(話題的に)、4位なのか。 『ゴールデンスランバー』はもういいだろ、そんなに売れなくても・・・と伊坂ファンなのに思ってしまう。こうなると直木を辞退しといてよかったね、なのか。直木も獲ってたらえらいことに。 読んでない本ばっかりって言ったけど、よく見たら13位に『決壊』が入ってた。ふ〜ん。 『ジョーカーゲーム』はこれから読もうかなと思ってたので、2位でびっくり。ミステリーだったのか・・・。 このミスにおいての、ミステリー定義ってすごい広いよな。 来年20周年なのに、有栖川有栖が20位以内に入ってなくて残念。 それよりも、みんな気を使ってあげてよ、海堂先生はこのミス大賞だよ!とちょっと思った。まあ、使わなくてもいいんだけど。 『ディスコ探偵水曜日』がけっこう最近に出たわりに健闘して、ベスト10に入っててよかったな〜。 須賀しのぶの『スイートダイアリーズ』が下のほうにあって驚いた。 須賀しのぶはひょっとしたら、桜庭一樹の後に続けるか・・・も?と思うライノベ作家。
海外編 驚いたことに海外の方が読んでいた。 9位『荒野のホームズ』、13位『ザ・ロード』と、2冊だけだけど。 『ザ・ロード』はだからミステリじゃないんじゃないのか、と・・・。 狭義でも広義でも。 『チャイルド44』とフロストシリーズは読んでみたかったんだよな。
で、本題の書き下ろし『青空迷宮』。 海堂先生に、ミステリを求めるな、ということですね!わかってます、わかってます。それはデビューしたその時から知ってます。 でも、ナイチンゲールのときの加納のDMAは面白そうだったので、加納&タマコンビの捜査の話しが読んでみたいなぁと思ってたので良かった、と一応言っておく。 正直、DMAそんな活躍しなかったし。 そして、あまり推理しないミステリ読みの私ですらわかってしまいましたから。 トリックが簡単なのはよしとしても、なぜ、そんな凝ったことして殺さなければならなかったのか、という部分を提示しないと本格ミステリとしては評価できないな〜と思います。 あと、テレビの企画で、迷路内をずっと録画しないなんてないだろ、と。 まあしかし、そんなちょっと海堂先生、やっぱ自分のフィールド(医療)じゃないと真価を発揮しないのねな出来栄えながらも、最後に、 「最先端の科学や社会情勢を書かずして連中はいったい何が楽しいんだ?」 と加納に言わせてしまうあたり、さすがはイノセント・ゲリラ(海堂先生のこと)。挑戦的かつ挑発的だなぁ。
巻末の弊社の隠し玉での海堂先生のコメント「Aiセンターが日本各地で増殖中なので、まずはめでたい年の瀬なのでした。」を読むと、いよいよ先生の一人勝ちな印象。 小説の善し悪しがどうであろうが、とにかく話題充分、周知されるのが本望、だとするならこれほど成功してる例も珍しい。 エンターテイメントの可能性を再発見する思いです。
2008年12月05日(金) |
『赤い鯨とびいどろ童子 炎の蜃気楼』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
2007年8月に出たものですが、一年半前ではまだ、読めなかったようです。 邂逅編を読んだ今の流れなら読める!という感じで読みました。 完結する前後に発表された、短編を集めたものです。 完結前後に書かれたせいか、四国まみれです。いいなぁ。四国。 北海道はついに来てもらえなかった・・・。凄い悲しい。 代わりに、シュバルツ・ヘルツでは大いに舞台にしていただいてますが・・・。夜叉衆に来てもらいたかったなぁ。 まぁ、あと、響生の出身地でもありますが・・・。 それと一応、高耶さんの名前の由来の地でもありますが・・・・それでよしとしろと? そうですね、舞台になってたらそれはそれで大変だったのかもしれません。私が。
ということで、一本一本感想を。
「赤い鯨とびいどろ童子」
赤鯨衆の馴れ初め話です。 この時期はまだ、信長も復活してなかったようで、けっこう前から活躍してたんだなぁ。嶺次郎たちは。 夜叉衆のみなさんは出てこないので、安心の一本。 意外に熱いものがある中川先生とか、卯太郎の意外な経緯とか。 うん、まあ、そんな感じで・・・熱のないコメントで申し訳ない。
「終わりを知らない遊戯のように。」
うん、どうした。 どうしたというか、さすがというか、何がさすがなのか、自分でも言っててよくわかりませんが。 この期に及んで、義明さんのプロフィールに「高飛びで県大会出場」という項目が書き加えられることになるとは思いもしませんでした。 さすがです(だから何が) なんかこう、高飛びってところがさすがだな、と。 そして「やましいことはしてません」って、読者の全員が嘘をつけー!と思ったら、やっぱりいけしゃあしゃあとやることやってる、ろくでなしっぷりがさすがだな、と。 直江さんからやましさを取ったら何が残るのか、と。 まぁ、そういう話しです。違う違う。 この後どうなったのか考えるのは私には無理。歳だけ食ってるけど大人にはなりきれません、直江さん!! 大人の本気はまだ当分わかりそうもありませんよ。私は。 それにしても、まさかの体育倉庫でした。本当に脱帽でございます。
「拝啓、足摺岬にて」
完結後に雑誌に載ったのは知ってるのですが、読めそうもなかったので読んでませんでした。 完結直後に読んでいたら号泣もんだったんではないか、という話しでした。 高耶さんが一緒にお遍路回ってくれるなら、死んで本望だよ。四国行きたいよ。 素の高耶さんが非常に久しぶりで、なんだかまぶしいような気持ちになりました。 お話しもよかったです。
四国行きてぇなぁ。
2008年12月04日(木) |
『天地人 下』『真皓き残響 琵琶島姫 炎の蜃気楼邂逅編』(小) |
【火坂雅志 NHK出版】
兼続がすげぇってことはよくよくわかったから・・・と途中で何度も思った。 なんだかスーパーマンすぎるというか、出来すぎててかえって不審。 それにもう少し、兼続以外の人間も書いてくれればよかったのに。 せめて、景勝との主従部分も・・・私の趣味だからということを抜きにしても。 他にも、幸村とか、三成とか、慶次郎とか面白い人物が回りにいるんだから、キャラ立てをしてくれてもいいのにな〜と思った。 お涼とか、初音はいらんから。
それにつけても、戦闘シーンがなさすぎて。 戦国時代ど真ん中の話しではないけれど、それなりに戦はあったんだから、史料の引用で済ませないで血沸き肉躍る感じが欲しかったなぁ。
兼続の「愛」って愛染明王の方だと思ってた。 あとがきで、そっちの説の方が一般的って書いていたけど、どっちということはなく両方だったのかもしれないですね。 いずれにせよ、愛って凄いよ兼続、とは思いますが。
なんでこれが、大河の原作なのか。 あ、NHK出版だからですか。そうですか。
++++++++++ 【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
『天地人』でフラストレーションが溜まった勢いで、寝かせておいたミラージュ邂逅編に着手。 なんかもう、内容がどうのこうのとかそういうのはもうどうでもよくて、ただひたすら変な声出る。 あーとかうーとかおーとか、そういう感じで。 最終巻を読んだのが2004年か。 もうそんなに経つんだなぁ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ あ、過去に持ってかれてました。失礼失礼。
いつものことですが、ミラージュの感想は頭おかしいのでつっこまないでやってください。見逃してください。
直江とか景虎って名前が並んでるだけで頭が沸騰しそうになるので、邂逅編の世界に入っていくのに苦労しました。 幸か不幸か、今回の話は終盤まで二人が合流しないので安心と言えば安心。 なにぶん、邂逅編なのでまだ双方ともに、自分の中に芽生えつつある感情には蓋をして気のせい気のせいと言い聞かせているあたりが泣けます。 というか、桑原先生の無意識のツッコミが泣かせます。 直江さんに対していつも厳しいよね・・・先生。厳しいというか、いっつもオチ扱いだよね・・・。わかるけど。 私は愛しすぎて、直江さんにつっこめないんですが。全肯定です。 でも、10代の頃にはわからなかったけど、というか直視をさけていたというか、適切な言葉がわからなかったんだけれど、直江さんって改めてど変態だよね。 義明さんと同年代になった今、そう言える。 今回も終盤、愛欲云々かんぬんって言ってるのを見て、あぁ、この人ってまさに愛欲の権化だよなと納得。 400年経っても枯れない愛憎って、と思う反面、400年ごときでは人は仙人にはなれないのかもなぁと思う。 400年追求し続けられる感情って羨ましいなぁと私は思ってしまう。 普通の人間がこんなこと追求してたら、頭おかしくなるだろうけど。というか、直江さんもある種頭おかしい、に分類できなくもない・・・と今なら思う。 もちろん、直江さんだけが凄いのではなく、受け手となる景虎様も凄いのですが。
というようなことをつらつらと、内容を無視して考えてしまう。
直江さんは兼続のことよく思ってないんだな〜というのが垣間見えて興味深かった。 まあ、よく思ってなくて当然と言えば当然なんだけど。 今後の、兼続の活躍をどういう気持ちで見ることになるのか気になるな〜。
戦国のIKKOみたいな河鹿(オネエではない)が登場。 どうやら今後も出てくる様子。 邂逅編ってどこまで続くんだろうか。
長秀だけ、女装の景虎様を見てなくて残念。 一番、しつこくネタにしそうなのになぁ。 直江さんが見たって、もう女装するとかしないとか、男とか女とかそういう価値観を超越してる人だから今更・・・ねぇ? まあ、邂逅編ではまだその境地には至ってないんだけれども。
なんかもう色々と目頭が熱いですわ。
2008年12月03日(水) |
『GGG 1』(漫) |
【小山宙哉 講談社モーニングコミックス】
『鉄コン筋コンクリート』のシロ・クロみたいな身体能力を持った、70歳のじいさんのマンガ。 職業、泥棒。 『宇宙兄弟』を読んだ時も、じいさんキャラがいい感じと思ったので、こちらも読んでみました。 かっこいいじいさんです。
一体何者なのか、どうして泥棒しているのか、さっぱりわかりませんが、なかなか心温まる話し。 1巻完結だと思ってたのだけれど続いていた。 タイトルに1ってついてるのも、1巻じゃなくて、1もタイトルの一部だと思ってたから。 じいさんもかっこいいけど、春日刑事にもがんばってもらいたい気もする。 いろいろと気になるところの多いマンガです。
2008年12月01日(月) |
『天地人 上』(小) |
【火坂雅志 NHK出版】
来年の大河ドラマ原作。 直江兼続が主人公です。 ま、兼続の説明は省いてそそくさと内容のほうへ参りたいと思います。
歴史小説も時代小説も年に数冊読むか読まないかくらいだし、読んでも定評のある大御所のを読むくらいなのでなんとも比較しようがないのですが、ちょっとこれは酷くないかい。 歴史もののドラマを見ててよくあるのだけれど、主人公をよく見せるために周囲や敵対する人物をことさら愚鈍に描くと言う、最も駄目なパターンが見られる。 別に私が、景虎様贔屓だからではないよ!贔屓だけど。 信綱に思い入れが深すぎるせいでもないよ!全く否定はしないけど。 そんな偏った感情を抜きにしてもな〜。 敵方に魅力がないと味方にも魅力が見出せないもんではないでしょうか。 そして、無闇に女性キャラを絡ませてくるところもいかがなもんでしょうか。 ちょいちょ入ってくる、その時代の説明も邪魔臭いし、話しの展開も、史実をなぞってるに過ぎないし。 ・・・と思ったけど、御館の乱ってこんなだっけ。 上巻の前半が創作なのはわかる。兼続ってそんなに史料の多い人物ではないんではないかな〜。
謙信が兼続に、義の心を受け継ぐのはお前しかいない、と言ったセリフもなんだかな〜。んなこと、言うかな。二人の養子が角突き合わせてるって時に。 そんなこと言ってないで、跡継ぎ指名しとけよ、謙信!と思ってしまったよ。
また、肝心の兼続の有能さもやたら鼻につく。 いくら信頼篤くても、御館の乱の直後からそんなにそんなに表立って活躍できるものでもないと思うし、景勝が寡黙なのをいいことに、でしゃばってるようにしか見えないし。 どうなの、この兼続は。 下巻を読むのが憂鬱だなぁ。一冊で収めようと思えば収まるくらいの内容しか書かれていないところがまた、憂鬱。
ただ、小説で信綱の名前を見ることはほぼ皆無なので、そこだけ目頭が熱くなるものがありました。いろんな意味で。 御館の乱も滅多に描かれないし。
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