妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2006年05月25日(木) |
『赤の神紋 第12章 ZodiacEater』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
箱根駅伝一人で激走したような気分ですが、とりあえず現在の最新刊まで追いつきました。 怒涛の一週間だったな。 もう桑原水菜を溜め込むのはやめよう。うん。
さてー、もう疲れちゃって変なテンションになってきた私ですが、中身もぐちゃぐちゃのでろでろと言ったところです。 通常の私ならば、一人ひとりにツッコミを入れているところなのですが、何分桑原水菜にはつっこめないので、のど元まできている言葉を飲み込みたいと思います。 あーでもー、お〜ま〜え〜ら〜っ!!という気分。
響生にはイカ踊りさせられなくて良かったね、と言っとこう。 何時まで経っても、響生が函館出身という気がしない。 絶対に函館弁しゃべってないもん。 雪かきとかしたことなさそうだもん。 北海道の風土でこんな男生まれないもん(北海道人として認めがたいらしい)
それはさておき、稽古も終わり次でいよいよ、メデュウサ本番が始まるのでしょう。 ケイが女王様化してませんか、なんか・・・。某景虎様ほどではないけど。 榛原とケイという二人の深海に翻弄されまくりの、命綱(藤崎言う所の)響生ですが、一番命綱が必要なのはこの人では、と毎度毎度お気の毒です。 榛原の命綱は誰なんでしょうね。藤崎ですか。まさか、こっちの命綱も響生なんじゃ・・・。身体が持ちませんよ、響生さん。 最近、なんだか響生ひっぱりだこ。実は、愛されてるんじゃないの、あなた。 でも、愛なんかいらないんだよね、響生。報われないなぁ、どいつもこいつも。 もうお願いしますよ、幸せってなんですか。
ワタルの意外な一面が見えて、どちらを応援していいのかちょっとわからなくなってまいりました。 あんた、意外といい子だったんだね・・・。 と、私がほだされるのはいいが、響生はいかんだろ、と思ったり。
ずーっと触れなかったのですが、鈴木飛鳥というキャラは、桑原さん新境地という気がします。 異物感があるなんだか、作品に馴染まない変なキャラですが、それでも気にかかる存在。 桑原さんが今後(といってもおそらくそんなに長くない)このキャラを生かしきることができるかどうか。
ゲネプロで藤崎と榛原が並ぶシーンに、じーんとしてました。
2006年05月24日(水) |
『赤の神紋 第11章 ForbiddenBridge』『ナポレオン狂』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
ふぅ・・・・・ 読んでこんなに消耗激しい本もないですな。 朝まで眠れず。 普通の社会人だったらとっくに身体壊してるテンションですよ。
えーと、ついに藤崎様ご光臨と言う感じです。 響生がどんどん置いてけぼりを食っていて気の毒です。 がんばって、響生。 でも、懲りない男・響生、ですから頑張りすぎても困るんですが・・・。 桑原キャラはどう応援していいのかわからないのが困る。
それにしても、藤崎が東京に出てきて、劇薬投入という感じ。 いやはや、どう転がるのでしょうか。この先。
そんな劇的展開の中、どうしても気になる、榛原の舞台に、ついに奥田まで! という展開。 あぁ、奥田までもが榛原の毒牙(?)に〜。奥田〜。 親友までも榛原のものになっちゃったら、立ち直れんだろうなぁ。 とやきもきしつつ、榛原演出vs役者・奥田はなかなか見物だと思うのですが、その辺は書いてくれるのだろうか。
あと一冊。藤崎vs榛原直接対決はいかに。
+++++++++ 【阿刀田高 講談社文庫】
すごーく久しぶりに、阿刀田氏の短編集を読みましたが、なんだかほっとしますね。 これぞ短編集!という機知にあふれた一冊です。 ネタ自体は非常に基本的なものなので、最後にあっと驚いたりはしないのですが、小説のお手本というべき話運びで、一編一編趣向が凝らされています。
全部感想書くと大変なので、一つ二つだけ。
「恋は思案の外」 推理小説風であって、最後のオチがにやり。
「縄 −編集者への手紙−」 緊迫感あふれる話し運び、そして自殺を考えている者を追ってくる縄という不気味な設定。 なかなか恐いです。
2006年05月23日(火) |
『赤の神紋 第十章 DoubleTempest』(小)『HOLD OUT!!1〜3』(漫) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
私的に小休止な内容でした。 私的にであって、物語的にはマヤ(ケイ)と亜弓様(ワタル)の共演という直接対決のある、見所満載の巻でございます。 ではなぜに小休止かといえば、割と響生が落ち着いていたからに他ならんでしょう。 まあ、それも、当社比であって、別に落ち着いてないんですけどね…。
なんだかぐちゃぐちゃと言ってますが、軽くアルコールが入って悪い酔いしてますので変に饒舌になってます。 飲みながらの赤の神紋は効きました・・・一瞬にして回りました。恐ろしい。
えーと、榛原(唐突な切り出し) 榛原さん、榛原さん、なんだかあなた最近、色んな面見せすぎじゃないですか。やめてください、うっかり好きだなんて思ってしまうではないですか。 もろい所とか繊細なところとか優しい所とか見せないでくださいよ。 とかどきどきしてたら、 「私をしゃぶれ。そうすれば私はおまえのものだ」 と来るし。 ここで、きゃーとかならんのが凄いよ。戦慄もんのセリフですよ。慄いてしまう。 響生にそれができると?いやできるのか、響生。いやいやいや・・・
そうそう、中身に関係ないけど、藤井さんのイラスト見ると毎回笑ってしまう。失礼な話しで申し訳ないんですが。 登場人物紹介ページなんて、どこのホスト小説か、と。どこの『夜王』か、と。 昔はもう少しシャープな絵じゃなかったっけ。ミラージュ同人描いてた頃。
あとまだ二冊もあるよ。しかもまだ完結してないんですよ。 はーしんどい。次は藤崎がついに出るようです。うあー・・・。
++++++++ 【加藤知子 白泉社花とゆめコミックス】
一冊88円だった。 加藤知子の漫画好きなんですが、最近は何か描いているのでしょうか。 一巻のあとがきで、シリアスが好き、と言っておられたのですが、私も加藤先生はシリアスがよいと思う。 ギャグがよくないんじゃなくって、シリアスが上手い。 『天上の愛地上の恋』大好きでしたよ。
蔵重と桧山どっちを応援するか。 ・・・蔵重かな。嘘じゃないですよ! 全4巻だったような気がするので、4巻探します。
PC戻ってきました。 一か月分の感想書いてます書いてます。 腕、疲れるよ、ってくらいあるな。
彼岸島へのツッコミはもう少し待っていただきたい。
メール・コメントのお返事は全てしておりますが、数週間の不在中にたまりに溜まったスパムをがしがし消した際に、頂いたメール・コメントを誤って消したりしたかもしれません。 もしも、返事をもらっていない、という方がおりましたら、お手数ですがもう一度送っていただけると幸いです。
2006年05月21日(日) |
『赤の神紋 第9章 Overnight Aria』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
桑原版ガラスの仮面(“桑原版”という部分が重要)も9巻です。 紅天女・・・じゃない、オーギュスト役をめぐる戦いも本格化、したけど、どこもかしこもてんやわんやですよ。 もうもう、しんどいんだ!私は! 立て続けに桑原小説を読みすぎて、そろそろ精神的にやられてきてます。 どれくらいかと言うと、夜眠れないんです。
私の読書感想文が感想と言うより、ツッコミなのは、どうもS心を刺激されるからのようなのですが、桑原小説だけはM心をくすぐられます。 ああ、この痛み、劣等感、葛藤!受ける苦痛の全てにぞくぞくします。
はいはいはい、そこ引かないで、引かないで! いや引いてもいいけど、まだこれからですよ、話しは。
ここに来て、なんだか急接近な、響生と榛原。 恐いです。怖すぎます。 でもその恐怖が、M心をくすぐって、痛い目見て死にそうな響生に同調してはぞわぞわいたします。 しゃぶりつくされてしまえばいいよ、響生は。きっとそれはそれで幸せだから(倒錯も極みです) そう思う反面、榛原を乗り越えて叩きのめされる榛原を見ても見たいという、何、このSとMの葛藤。
割と軽いノリで感想を書いていますが、冒頭言ったように実際は、かなり引き摺られていてブルーです。 今、12巻まで出ているわけですが、一気に読んだら死にたくなるかもしれない、というくらいにはブルーです。 読みますけど。 いつでも響生の心境。
あ、蛍に触れるの忘れてた。 大胆きわまりない、響生へのお願いに、どぎまぎしたり・・・は今更しないけど。 肉体的繋がりが、そのまま二人の幸せに直結しなくて、より一層の苦痛を背負うのが桑原水菜だと知っている身としては、そのお願いには響生同様に暗澹とした気持ちにならざるを得ない。
ミラージュがあんなだったので(悪いとかいいとかそういうことではなく)、こちらは幸せになってほしいよ。どんな形でもいいから。
2006年05月20日(土) |
『赤の神紋 黒鍵』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
新シリーズ、縛魔伝と読んで、そろそろ桑原小説への耐性を取り戻したかな、と思い赤の〜番外編を。 番外編だからっていささか油断していました。 そういや、もともと耐性なんてなかったじゃないか。 心境はまさに、赤の神紋の上演を初めて見たときの響生であります。
某N氏や響生の独白はいつも私を打ちのめします。 あぁ、しんどい。あなたたちの生き方はしんどい。 書くことは死に続けることだなんて言葉が突き刺さるのは、桑原水菜の言葉だから。
今回の話は何しろ、響生がいかにして榛原と出会い、駄目になっていったかという部分ですから、そらもう痛い。痛すぎる。 今、気づいたが、帯にこっそりと「榛原と響生の刹那の蜜月」って書いてあるよ。 ・・・蜜月?え?これが?? これを蜜月と呼ぶなんて、なんて皮肉。
奥田はほんとにいい奴だなぁ。 「おまえの言葉が好きなんだ」 と真摯に言ってくれる人は、物書きならばすがりついてでも大事にした方が良いと思う。
しんどいですが、本編へ戻ろうと思います。 榛原の演劇を観に行く響生の心境。
2006年05月19日(金) |
『クーデタークラブ6』『メッシュ 1〜3』(漫) |
【松本光司 講談社ヤングマガジン】
あーようやく、最終巻見つかりました。 『彼岸島』でお馴染みの、松本先生による、女装meets革命漫画でございます。
最終巻を読みながらしみじみと、なんで、あんなになっちゃったんだろうなぁ・・・と。 松本ミラクルというか。 彼岸島のシナリオが破綻しまくってたりするのは、まあ、クーデタークラブも10巻を超える長編になったらそうなるだろうなぁという感じはするから納得できますが、どうして漫画の技術までもが後退してるのか。 一番分かりやすいのは、コマ割ですか。 革命部は、ちゃんと技術を感じるのですが、彼岸島は、特に最近は、なんだその縦縦横横というようなコマ割は!と言いたくなること多々。 絵も明らかに下手になってる。 元から上手くないけど。 わからん・・・松本先生の深淵は深まるばかりだ・・・。
あ、そうそう。革命部ね。漫画として面白い部類に入ると思います。 ツッコミどころも、通常の漫画くらいにしかありません。 一つだけ言うなら、絵衣子の部屋に飾られている絵が渋すぎることですか。鮭の遡上か、あの絵。 だけど、あんまりリアルはどこだと言われると、しりあがり寿か、と言いたくなる。
あとがきによると、女装はまだ描きたいらしいので、彼岸島で誰かが・・・。
++++++ 【萩尾望都 白泉社文庫】
粗筋は説明しにくい。 萩尾先生の描く、中性的というか両性っぽいというかな、青年(又は少年)は蠱惑的です。
ラストは随分と突き放した感じがするなぁと思うのですが、ひょっとしたら読む人によって色々と解釈が変わるかも知れません。 父の元に戻るか、ミロンと共に行くか、あるいは自分ひとりで歩き出すか。 私はできれば、メッシュにはそろそろ一人立ちしてもらいたいと思うんですが。
と言いながら、本当はミロンと二人で仲良く暮らしてりゃいいじゃん、と思ってました。はい。
2006年05月18日(木) |
『ポーの一族 1〜3』(漫)『ブロークンフラワーズ』(映) |
【萩尾望都 小学館文庫】
ようやく、というか、今頃というか、漫画界に燦然と輝く(であろう)名作を読みました。はい。 古典文学を読むような心境です。 粗筋も評価も知ってるので、後は自分の目で確かめるだけ、という感じで、さてさて・・・。
今更私が言うべきことは何もないような気もするんですが、多感なお年頃にエドガーと出会っていたら、がっつりやられることは間違いないでしょうね。 私は愚かなアランが好きなんですが。
いやはや名作です。
++++++++ 【監督:ジム・ジャームッシュ アメリカ】
全体を覆う、このゆるい空気に猛烈な眠気を誘われましたが、ダメなおっさん好きとしては良かった。 ビル・マーレイのダメな中年ぶり、たまりません。 盛り込まれるユーモアすらゆるい。 覇気?なんですか、それ、という、このまったりした空気。 脱力します。 何、このだるさは。
映画ってほんと幅広い。
2006年05月17日(水) |
『風雲縛魔伝7 北斗復活!の巻』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
なんとかハッピーエンドでございました。 とちゅうミラージュ九州編を思い出しちゃいましたが。 風音も女の子に戻れてよかったね、と。
幸村と十勇士の皆さんは、夏の陣の結果を知ってるので・・・。 でもあまり詳しいわけではないので、今度幸村の小説でも読んでみようかなぁ。
それにしても、才蔵さん、みんなに好かれてたなぁ。 びっくりだ。 水菜キャラでああいうタイプは大抵、慕われることはあっても、好意はなんだかいつも同情交じり、というイメージが(酷い) やっぱ、普通に男前だったからな。才蔵。 でも“ゆき”には、人知れず語りかけたり愚痴ったりしてたと思う。
コバルト文庫らしい話しでした。 桑原水菜の小説だと思って読んでると、少し消化不良な気持ちになるけど。
関係ないけど、桑原先生は全くコバルト以外で仕事してないですよね。 なんでだろう。 追うのが大変だから、こちらとしては構わないのですが。
2006年05月16日(火) |
『シュバルツ・ヘルツ 黒い心臓』『風雲縛魔伝6 出雲鬼社の巻』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
ミラージュショックがなかなか癒えず、桑原作品が全く読めなかったのですが、新シリーズが出たので、意を決して読みましたよ。 後半の、川原でのアイザックvsケヴァンの戦いでミラージュを思い出して、涙ぐんでいた辺り、傷は癒えていないようですが。
さて、今回はなんだかとんでもない心臓を移植されちゃったらしい、15歳の奏くんが主人公です。 今後、無事に高校、大学そして社会人にはなれないんじゃないかなぁ。だって桑原キャラだし、と今から勝手に不憫に思う次第です。 強く生きてね。 強く生きるのは、それはそれで問題なんですが、桑原キャラは…。難しい。
そして今回の、桑原的だめんずは、アイザックさんの様子。 不幸の香がぷんぷんしてます。 屈折がにじみ出てます。 絶対に奏に情が移るだろう!という感じで、応援していきたいと思います。 がんばって!強く生きて!(そればっかりだ) いや、でもほんと生きていればこそですから。
なんだかミラージュの最初を思い出す、第一巻で、今後が気になるやら不安やら。 奏が女王様になったらどうしよう!笑えねぇ! だって桑原水菜だし!
++++++++++ 【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
久しぶりすぎて、全く思い出せないまま読み始めたのですが、思い出せなかったね・・・。10年ぶりだし。 前書きで、あーあーそういやそういう体裁だったね、というのは思い出せだけれど。 水菜先生のわりに、かわいい表紙で、女の子で、中身も軽めだけれど、やっぱちょっとはヘビーなことになってます。 葛葉がんばれー。
神楽王は水菜キャラにしては、めずらしい本とのダメ男でしたねー。 才蔵はだめんず一歩手前くらいで。 最終巻はハッピーエンドでありますように!
それにしても、久しぶりに改めて読むと、桑原作品のバトルシーンは凄い派手だよね。 何もかも豪快だ。
2006年05月13日(土) |
『とるこ日記 “ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記』(他) |
【定金伸治、乙一、松原真琴 集英社】
サブタイトル通りの本です。 私は乙一氏しか読んだことがないのですが、だからといって面白いわけでも、また面白くないわけでもなく、知ってるからと言ってこれ以上おもしろくなることはない、そんな感じです。 ダメな友人の、やる気のない旅行記を読む感じです。 第一線の作家が買いたものだと思うと、いささかオイオイと言いたくもなります。
それにしても写真が下手だな、おい! 私も以前にトルコ展を観に行って、トルコ行きたいなぁと思った口です。 行ってませんが。
P37の乙一氏にパーカー着せて、彼岸島コスさせたいなんて思ってませんよ。思ってません。 P71の現地の人とのコミュニケーションが急にめんどうくさくなる乙一氏に共感してしまった。 私も、先日接客がめんどうくさくなって、上司に押し付けてフェードアウトしてしまったので。 そろそろ接客が向いていないと言う自覚を持った方がよいかもしれない。
それはともかくとして、作家三人がトルコに言ったんだから、トルコをテーマに小説を書いて見るとか、そういう企画も何もないあたりがもう、ダメダメすぎる。 本書で一番笑ったのは、乙一ファンの友人から借りた本なのに、巻末の乙一書下ろし小説の袋綴じが開いていなかったことですかね。 ああ、この人ほんと乙一の雑文が好きなんだなぁと。 だから、巻末の「毒殺天使」は読んでません。
ああ、旅行に行きたいなぁ。
2006年05月12日(金) |
『トッキュー!7〜8』(漫) |
【漫画:久保ミツロウ 原作:小森陽一 講談社マガジンコミックス】
シマさんの一挙手一投足がめんこいです。 鬼軍曹なのになー。 そして、真田隊長が変だけどすごくかっこいい。 でもやっぱ、変!
兵悟くんはやっぱり漂流がトラウマになってるようです。 がんばって! 恵子さんが素敵です。
2006年05月11日(木) |
『トッキュー!4〜6』(漫) |
【漫画:久保ミツロウ 原作:小森陽一 講談社マガジンコミックス】
漫画を描いている久保さんが女性と知ってびっくり。 漂流編は、一つの山場ですね。凄い。
早くも念願のトッキュー行きとなったわけですが、星野くんが目をつぶった所は、腹話術の人形みたいでちょっと恐い。 いい子なんですよ。星野君は。
シマさんが好きです。
2006年05月10日(水) |
『トッキュー!1〜3』(漫) |
【漫画:久保ミツロウ 原作:小森陽一 講談社マガジンコミックス】
まんま、海上版『め組の大吾』という気もしますが、面白いからいいや。 兵梧くんめんこいし。 坂崎さんも素敵だし。 隊長はみんなに愛されているし。 そしてユリちゃんはいい子だ。
はらはらどきどきの展開楽しみに読んでます。
【重松清 新潮文庫】
おすすめされて、初めて読みます、重松清。 全く知らないのですが、なんとなく家族小説を書く人、というイメージでした。 本書は極めて私小説に近い話し、として書かれているようで、家族小説とは違いました。
初めて読んだ第一印象は、凄い上手い、でした。 プロに向かってその印象もない気がしますが、文章そのものが上手い人ってなかなかいないと思う。 少年の小学生から、大人になるまでの話なのですが、この少年のエピソードの一つ一つにかつての自分が重なって、個人的にひどくナーバスな気持ちになる小説でした。 感想もずいぶん私的なことになってしまいますがご容赦を。
「きよしこ」 私は吃音だったわけではないけれど、少年の苛立ちやもどかしさ、悲しさにはなんとなく覚えがある。 やたらめったら内向的だったことを思い出す。
「乗り換え案内」 加藤君みたいな子がクラスメイトにいたな、ということを思い出した。 吃音だったわけではなく、いっつもいたずらしてた。 なぜだか私はそのこと仲良くやってた。 先生には嫌われてたけど。
「どんぐりのココロ」 感想パス。
「北風ぴゅう太」 私が小学生の頃の担任を思い出した。 ものすごーく引っ込み思案だた私を、主役に抜擢するような先生だった。 今ならそういう強引さは問題になるような気がするけれど、それは大事な経験だったと思う。
「ゲルマ」 やっぱり中学の頃の友人を思い出した。 なんだかもう何もかも切ない。
「交差点」 やっぱり中学の頃の部活動を思い出した。 スポーツ漫画のような、実力でどうこういう世界じゃないんだよなぁ。部活って。 少年は強くなったなぁと思う。
「東京」 いやもう、切ない。 優しさが悲しい。
解説はあさのあつこさん。 きよしのことを書いているはずなのに、どうしてもそれが『バッテリー』の巧のことのように思える。
人に贈りたいと思える一冊。
2006年05月05日(金) |
『吸血鬼ドラキュラ』『都会のトム&ソーヤ4 四重奏』(小) |
【菊地秀行 原作:B・ストーカー 講談社文庫】
吸血鬼信者、菊地秀行による、ドラキュラ翻案。 最初に言っておくと、私はB・ストーカーのドラキュラは読んだことがありません。 だから、本作がどれだけ忠実で、どれだけ創作なのかはわからない。 でも、後半、そして終盤になるにつれ、菊地節が全開になっていくさまはよくわかった。 なんだか全体的に窮屈そうな印象で、自分のフィールドでこそ力を発揮するタイプのようです。
お話し自体は何しろ、元祖なのでじみーな感じで、まあドラキュラってそんなだよなぁ、といった感想です。 基本を押さえておくと言うのも大事ですが。 それにしてもけっこう大雑把な話で、驚きました。輸血とかオランダ→ロンドン間が一日とか。
『吸血鬼ドラキュラ』としては面白くなってるけど、菊地秀行の持ち味はあまり生きていない、そんな感じのする一冊でした。
+++++++ 【はやみねかおる 講談社Ya!ENTERTANMENT】
内人がどうして“トム”になるかがわかる巻。 というのは冗談ですが(いやわかるにはわかるが、激しくこじつけくさい。作者が考えたことじゃないからいいけど)、まとまりの薄い巻という気もする。
「この物語をマラソン大会に苦しんでいるすべての学生諸君に捧げる」 という一文に、別に嫌いじゃなかったけどね、と思ったり。 その前に学生じゃないだろ、という話しは置いておいて、マラソンは一位を取ろうと思ってなければ走るだけで終わって楽なもんだと思うんですが。 勉強嫌いでしたから。
それにしても、内人くんは本当に頼りになる。 『一緒に遭難したい人』という漫画があったけど、私は内人くんでお願いしたい。 創也には譲らないよ! 内人くんは、将来有望だけど、大人になって生きる能力ではないよな。 あぁ、大人ってツマラナイ・・・。
にし先生の描き下ろしが次もあると嬉しいな。
2006年05月01日(月) |
『Vフォーヴェンデッタ』『リバティーン』(映) |
映画の日なので映画二本立てで。
【監督:ジェイムズ・マクテーグ アメリカ】
『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟が脚本をという先入観もあるのかもしれませんが、やっぱりテーマは、「考えるんじゃない感じるんだ」であり、「愛は地球を救う」だったような気がします。 「考えるんじゃない感じるんだ」は漠然とした主張のように取られがちですが、日常で抱く「このままでいいのか」「これは正しいのか」というささやかな違和感を、見過ごすなという意味合いでの「感じるんだ」という言葉ですね。 「愛は地球を救う」は私の独断ですが。 でもマトリックスも最終的に、トリニティの愛でしょう。 どうかと思ったけど。
ネオは“救世主”という分かりやすいヒーローの役割を与えられていたけれど、Vはどう捉えるかは観る側に委ねられていて、その点、マトリックスよりもとっつき辛く、そして面白い点だったと思う。 私の見解は、テロリストで復讐者で、ちょいオタクな内気な子、でしたけど。 花柄エプロンにはきゅんとせずにはいられませんでしたよ。
それにしてもV役のヒューゴ・ウィービング(観てる間は全く気づかず)はもちろん、ナタリー・ポートマンの演技には括目です。 ナタリーの服が、いつもさりげなくかわいい。
そこそこ面白かろうと観に行ったら、ちゃんと面白い映画でした。 そうそう、アクションバリバリとはいきませんが、要所要所でのVのナイフさばきはかっこいいです。 Vが銃ではなく、頑なにナイフなのって、「暴力で支配することはできない」という主張の現われなのかな、と思ってみたり。
Vも好きでしたが、フィンチ警視も好きでしたよ。 枯れ具合が。
++++++ 【監督・ローレンス・ダンモア イギリス】
全くもってどうしようもなくダメな男を演じているジョニー・デップほど魅力的なものはない、という映画でした。 脚本とか演出とかはうーん・・・?と思うところ多々ですが、デップのダメな天才ぶりを鑑賞して、最後の問いに意地悪く「Yes!」と答えてやろうじゃないかと。
女性陣の演技も光っておりましたよ。
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