妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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ブログへの移行、無事に終了しました。
以前は、ブログへ一本化するつもりだと書きましたが、考え直して、両方使うことにします。 どちらも一長一短な部分があるので。
基本的に中身は同じですが、エンピツ版だと私の余計なコメントが載っていたり、同じ日に数冊読んだ場合、それに絡めたコメントが載っていたりします。 ブログ版は、気づいた分だけ、誤字脱字を直しました。
使い方としては、どんな本の感想が載っているのか知りたい場合は、エンピツの目次一覧機能を、あの本の感想はいつの日記だっけ?というようなピンポイントで知りたい場合は、ブログの検索機能を使うことをお薦めします。
今年最後が本の感想にならず、残念至極でありますが、来年も色々と読んで行きたいと思います。
2005年12月30日(金) |
『生協の白石さん』(他) |
【白石昌則 東京農工大学の学生の皆さん 講談社】
いまさら説明もいらいないだろう、ベストセラー本。 東京農工大学の生協にある、「ひとことカード」に書かれた学生と白石さんとのやりとりがぎゅっと一冊にまとまったのが本書です。
いい本を読んだなぁという感動とは違い、街中で全く知らない他人の微笑ましいやり取りを目撃した時のような、温かい気持ちになりました。 白石さんの回答を面白い、面白くないの二択で判断するのは、狭量な事で、元々、白石さんの回答というのは、面白さを追求したものでもなければ、ましてこんな風に一冊にまとめられることを想定したものでもない。 白石さんの返す答えは、真面目でありながら、四角四面ではなく、嫌味のないユーモアに満ちている。 毒舌や、鋭いツッコミというのが受ける風潮の昨今ですが、白石さんにそのようなものはなく、いつも肩の力が抜けている感じが、読み手にあたたかさを感じさせるのかもしれません。
また、白石さんはどんな質問、要望の場合も、必ず、「そうですね」というように受け入れる姿勢を見せる。それが、「単位売って!」なんて無理だとわかっていつつ、ついつい書いてみた学生を和ませるんじゃなかなと思う。
とにかくこれを読んで思うのは、白石さんは大人だなぁということ。 なかなかこんな、対応してくれる大人がいない、というのがこの本の売れた要因でもあるのかもしれない、と思うと、大人の皆様はただ面白がってこの本を読んでいてはいけないんじゃないかな、とも思う。
あたたかい気持ちになると同時に、自分の対応についても省みてしまう一冊でした。 サイト運営しかり、お仕事しかり。 まずは聞く姿勢が大事ですね。
ところで、生協の白石さんなんて言うから、女性だとずっと思っていた。 と言うより、男性だと聞いても、読んでも、読み終わっても女性だという印象が消えなかった。 それだけ、白石さんの物言いはソフトなんだろうと思う。
あと、ちょっと前に、SMAP×SMAPで白石さんコントをやっていて、その時も女性でやっていたから、そうなんだと思い込んでいました。 あまり関係ないけれど、今一番、流行をコントに仕立てるのが早い番組がこれだと思う。
2005年12月27日(火) |
『ママが六人???』(小)『イブの眠り 5』(漫) |
【大海赫 ブッキング】
「大海ワールド爆発」との帯ですが、いつもよりは、児童書らしいような気がします。 一人の人間が六人にわかれることによって、生じる混乱がリアルですし、6人のママがそれぞれに違う側面を見せ始めるというのも、またリアル。 だけどどれも、本当のママで一人の人間、というのは子どもには実感を持ちにくいかも。 でもこれを読んで、いつかそのうち、実感を持って理解できる日が来るものなのかもしれません。
ポケットくんに、なんの救いも用意されないあたりが大海赫という感じ。
++++++++ 【吉田秋生 小学館フラワーコミックス】
最終巻だと思わなくてびっくり。 うーん、という感じです。 内容が面白くないというよりも、あまりに『YASHA』のおまけのような印象が強く、さらに、『YASHA』は『BANANAFISH』の焼き直しという印象が強かったので、同じ話しを三回も繰り返されたという気持ちが強い。 この輪廻はここで終わりにしてもらって、次は全く新しいものを描いてもらいたいです。 もう、この悲しみは繰り返し読みたくない。死ぬのを何度も見るのは辛い。
2005年12月13日(火) |
『狂い咲きの花4』『BLOODALONE1〜2』『クマとインテリ』『SALVA・ME』(漫画) |
本日は私の嗜好がよくうかがえるラインナップのように思われます。 今更私の嗜好なんてわかってもね、という人が大半でしょうが。
【水月博士 新書館WINGSコミックス】
『悪魔のオロロン』と同じ道を辿るのかぁ、とかなり鬱々と、丑の死、という帯を見て思いました。 この高い死亡率はどうにかならないものか。 とにかく鬱々とした4巻ですが、ラスト、え、生き返る?? だったらいいなぁ。 この人たち、悪魔のわりに割りとすぐ死ぬ、かと思ったら、しぶとく生きたり、死ぬ条件がいまいちわからない。
++++++++++ 【高野真之 メディアワークス】
吸血鬼の少女と、作家の青年のひっそりと穏やかな日常、という設定だけでご飯三杯いけるぜ、という漫画。 実際読むと、日常半分、クロエ(作家の青年)の因縁の吸血鬼探しやら、吸血鬼からみの事件に巻き込まれたりだとか、それほど穏やかに平穏というわけにもいかない二人の生活。 ミサキちゃんって、何歳なんでしょうかね。 まあ、なんとも微笑ましいミサキちゃんの恋心です。 クロエとミサキちゃんの日常だけでも私は十分なので、血なまぐさい吸血鬼がらみの事件はなくてもとちょっぴり思ったり。 今後の展開をまったりと楽しみに。
+++++++++ 【basso 茜新社EDGEコミックス】
タイトルに引かれ、裏の「イタリア男、スーツ、眼鏡」がテーマという一文にやられ。 最近、軽くイタリアブームだし、スーツ、眼鏡!(鼻息荒く) 案の定、中身は表題作が好きでした。 インテリオヤジ受け!よし、みたいな。 その一言につきますね。 全体的にあっさりこ洒落た漫画でした。
++++++++++ 【紺野キタ 大洋図書】
甘酸っぱかったり、ほろ苦かったり、切なかったりな短編集。 「とてもじゃないけどみつからない」みたいなほんわかしたのが好きです。 あとは「天使も踏むを恐れるところ」はタイトル勝ちという気が。 中身もとてもうまいな、と思わせます。
2005年12月10日(土) |
『ソロモンの指環 動物行動学入門』(他) |
【コンラート・ローレンツ 訳:日高敏隆 ハヤカワ文庫】
タイトルどおり、動物行動学者(刷り込みなどの理論でノーベル賞受賞)の作者の著作ですが、入門書というよりも、エッセイに近いものがある。 非常に読みやすく(訳し方も大きく影響してると思う)、章ごとにコンパクトにまとまっています。 動物、生き物が好きな方、興味のある方ならばきっと楽しめる一冊でしょう。
まず、一章「動物たちへの憤懣」を読めば、ローレンツ氏がどのように動物達と接しているのか、どれほど好きかがわかります。 ローレンツ氏が動物達へ感じる愛情や、動物から受ける感動がそのままに綴られていて、暖かな感動を感じます。
座右の書にしたい一冊でした。
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