妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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【フランツ・カフカ 訳:高橋義孝 新潮文庫】
小学生の頃、由貴香織里の『カフカ』読んで、その後読んでみようとトライしたのだけれど、淡々とした文章に数ページで断念した思い出があります。 今読むと、特に読みにくい小説ではないなぁというのが感想。 非常に短い話でしたし。
不快な感じがつきまとう小説でした。 ザムザ視点だから、実際の所どういう形の虫になってしまったのかわかるようでわからない。 解説ではムカデのようなものではないかと書いていたけど、私はゴキブリのようなものを想像してた。 どんな形にしろ、人間サイズの虫はうわーという気持ちでいっぱいになりますが。
何が不快かと言えば、ザムザは虫になっても家族の言っていることはわかるのに、家族は虫のザムザに人間的意思を認めていないことだと思う。
そして、最期の日が暖かく晴れた日というのがまたやり切れない。
2005年11月25日(金) |
『タイタニックを引き揚げろ』(小) |
【クライブ・カッスラー 訳:中山善之 新潮文庫】
ダーク・ピットシリーズです。 米ソの陰謀と、タイタニック引き揚げが絡む壮大なストーリーはとても面白いです。 ストーリーは申し分なく面白いと思いますよ。 タイタニック浮上シーンはとても感動しました。
私、どうもこの人の書く女の人が好きじゃないようで、ダナが自立した女性というより身勝手に思えて。 シーグラムは最後、あんなかわいそうな目に合わなきゃいけない人でもないと思うし。 ダークはひとまず、そこで女と寝なきゃいけないのか、と問いたい。 まあ、そういうのが男性諸氏の憧れだというならば、それもまた致し方ないですが。 助けた相手に感謝されて、照れているダークはよかったです。
アルの出番があるようでなかったなぁ。 撃たれた怪我、大丈夫だったのかなぁ・・・・。 でも、提督はいろいろ活躍してて楽しかったです。
2005年11月21日(月) |
『弁護士はぶらりと推理する』(小) |
【マルチェロ・フォイス 訳:草皆伸子 ハヤカワ文庫】
弁護士と言う言葉に引かれてぶらりと読んでみました。 イタリアの小説は初めて読むかも。 イタリアの孤島、サルデニアを舞台に、実際にいた詩人で弁護士のブスティアーをモデルに書かれた小説。 多分、面白いのだろうけれど、非常に読みにくかった。 訳の仕方だと思う。 サルデニア訛りを訳す時に、日本の田舎言葉(どこということもない訛り)で訳してあるので、どうも訛りの味が薄れているように感じる。 原文はもっと味のある訛りなのかな、と思う。 それと、人称がいろいろと変わるので、時折置いていかれる。
読み終わって、よくよく思い返せば、話としては面白いのかもしれないが、本当に読みにくかった。 あと、サルデニアの歴史というか、背景を全く知らない身としては、ぴんとこない部分が多々あった。 イタリアの人が読んだら面白いんだろうなぁと思う小説でした。
あと、全く法廷は出てきません。
2005年11月20日(日) |
『ぶらんこ乗り』(小) |
【いしいしんじ 新潮社文庫】
久しぶりに本の感想を。 初めて読んでみました。 童話のような、平易な読みやすい文章ですが、中身は切なくかなしい部分も多い。 現実を舞台にしているようでいながら、不思議な出来事が普通に織り込まれるあたり、なんとなく伊坂幸太郎の雰囲気もあり。
なんとも不思議な空気が漂う話でしたが、おもしろかったです。 姉弟のやりとりがかわいらしく、家族のやり取りもあたたかい。 不思議な読み心地でなんとも感想は難しい。
2005年11月19日(土) |
『ブラザーズグリム』 |
【監督:テリー・ギリアム アメリカ】
いやー、久しぶりにストーリーがないなぁ、オイ、という映画でした。 正直、脚本が下手?と思うような、首を傾げる展開目白押し。 私のように兄弟が仲良くしてる様が観られれば、オールオーケーさ!というような、ピンポイントな鑑賞の仕方をする人以外は、面白くはないだろうなぁ。 あとは、グリム童話もけっこう好きな私ですが、もう少しマイナーなグリム童話もどうせなら、マニアックに取り入れてくれてもいいのにーと思ったり。 私、魔女物より、悪魔とか死神系のグリム童話好きなんで。 まあ、それは私の趣味の問題ですが。
とにかく、グリム兄弟が可愛かったです。 兄ったら、豆豆と、そんなに責めるなよ、と思って見てたら、実は弟が大好きお兄ちゃんで、あらあらという感じ。 最初の酒場あたりの、二人のやりとりはテンポよく、息ぴったりな感じがして良いですが、後半の肝心の部分で、あまり二人のコンビネーションが観られず残念。 もう少し気の利いた応酬が見たかったなー。
モニカ・ベルッチの女王、美しかったー。 赤頭巾ちゃんや、グレーテルが可愛かった。 女の子可愛いねぇ。 アンジェリカがどうも影が薄いのが気になる。 アンジェリカが、童話の中のどのキャラクターを割り振られているかいまいちわからないところが悪いのか。
カヴァルディはさ、どう観ても悪い人間にしか見えないのに、どうやら本当はそれほど悪い奴ではないという設定だったらしく、ラストは突然、兄に死ぬなーとか言い出して、心底びっくりしました。 いやいやいや、何時の間にそんな絆ができたの?? 私が何か見落としていて、実はいい奴なんだという伏線に気がつかなかっただけなのだろうか。 絶対に死ぬと思ってたし。
まあ、でも、これだけは言っておかないと。 キスすればよかったのに! あれ、心臓止まったのが弟だったら、兄は迷いなくやったよ!きっと!
2005年11月03日(木) |
『ティム・バートンのコープスブライト』(映) |
【監督:ティム・バートン アメリカ】
ティム・バートンの世界がお好きな方なら無条件で見るべき映画だろう。 私は残念ながら、ネイトメアを観ていないので、バートンのストップモーションアニメ映画は初。 とにかくこの映像とか、舞台のセット、背景やら色合いが好きです。 だから後は別になんでもいいじゃないか、とこの映画に関しては言う。 ストーリーなんてどうでもいいじゃない。 ヴィクターがどっちつかずでもいいじゃないか。だって、実際どっちでもいいもの(悪い意味ではなく) エミリーもヴィクトリアも可愛いお嬢さんだよ。 ヴィクターとエミリーがピアノを弾くところが好きでした。 骨犬かわいい。 最後の結婚式で、エミリーが身を引く所でほろりとしました。
画面の隅から隅まで楽しみたい映画です。 哀しいことに前から4列目でそれはかないませんでしたが。首も目も疲れる。
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