妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2004年12月26日(日) |
『魔法使いハウルと火の悪魔 ハウルの動く城1』(小) |
【ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 訳:西村醇子 徳間書店】
映画を観に行く機会を失してしまい、なんとなく行かなくてもいいような気分になっていたこの頃。 とりあえず原作を読んでみたら、映画を観に行ってもいいかなーという気分になってきました。
話は、オズの魔法使いっぽい。 実際、ベースになっているらしいですが。 主人公の少女が、おばあちゃんになってしまうというのが、興味深い設定です。 その上、ハウルは全くもって駄目な奴です。
全体として、面白かったのですが、なんだかキャラクターが多すぎないかなという気がします。
火の悪魔とマイケルくんが、好きでした。 ハウルとソフィーは可愛いカップルだと思いますよ。 原作を読んだら、移り気で気ままで虚勢ばかりで、のらくらしているハウルの声がキムさんなのは、別にそれほどまでに違和感がないような気がしますが、こればかりは観てみないとなんともいえません。
2004年12月25日(土) |
『指輪物語9 王の帰還下』(小) |
【J・R・R・トールキン 訳:瀬田貞二・田中明子 評論社文庫】
ついに最終巻です。 約一年かかって読み終わりました。 なんとも感慨深いです。
フロドとサムの旅は小説で読むと、映画とはまた違う辛さがありました。 指輪を捨てるまでは、本当に辛い。 先を知っているのにドキドキします。
映画にはなかった、フロドたちがホビット庄に帰りついたいきさつが書かれていました。 普通に帰ってきて、めでたしでは終わっていなかったんですね。 ここでサルマンの末期がわかる。 私も、サムと一緒に荒れてしまったホビット庄を哀しく思いました。
映画では、どうしてフロドが船に乗ったのか、いまいち分かり難かったのですが、読んでみて納得できました。
一つの長い物語が終わるのはなんとも感慨深いです。
2004年12月24日(金) |
『そして、警官は奔る』(小) |
【日明恩 講談社】
前作、微笑うから、作中時間は半年が経過。 今回は、国捜隊に異動になった武本さんの話かと思いきや、蒲田署の武本さんでした。
帯「ほかのどのヒーローでもなく、私は「武本」を相棒に選ぶだろう」との、横山秀夫氏の言葉に、深くうなずきます。 やっぱり、警官なら武本さんです! 私も、潮崎くんばりに「先輩!」といってついてまわりたいです! これほどに、安定感のあるキャラクターはそうそうお目にかかりません。 この縄文杉のような揺らぎなさは、物語の主人公にあるまじきことですが、それなのに主人公として成立している。 迷い悩むばかりが、主人公のありかたではないんだと、納得します。
それでも、武本さんは悩みがないわけではないく、今回も小菅と和田という二人の全く違うタイプながら、尊敬できる刑事の間で、警察ってのは何かと迷うのですが。
今回の話は、違法滞在外国人の子どもの問題と、法律の遵守というあたりがテーマで、なかなか重めでありました。 武本さんと、新たな相棒・和田さん、そしてベテラン刑事・小菅さん、無事に試験に合格した潮崎くんが、それぞれにこの問題について考え、それぞれの結論を出していきます。 まあ、和田さんはまだ結論が出てなさそうですが。 いっぺん通りの解決が出ないところに好感です。
新キャラ、和田さんがかなり好きでした。 しばらくは、武本さんと組んでいて欲しいのですが、次の話では、また武本さんの相棒が別の人になっていそう。
白髪になるほど苦労した、潮崎くんにほろりです。 今回もラストは、潮崎くんは辛い思いをしていました。 そのけなげさにまた、ほろりです。武本さん、ちゃんと褒めてあげて!
のぞみは、なんとなく逆転裁判3に出てくる、ちなみを思い出しました。 怖い人だけど、武本さんが言うように可哀想な人、でもある。
宮田さんが出てこなかったけれど、無事にペットショップにお勤めしているようで一安心です。
次は、キャリアデビューし潮崎くんが見られるでしょうか。 今回の、潮崎くん引用は、ほとんどわかりませんでした・・・。まだまだですね。
2004年12月23日(木) |
『レディ・ジョーカー』(映) |
【監督:平山秀幸 日本】
まずは真面目な感想からいきますか。
率直に申し上げると、面白くない映画です。 シーンがぶつぎれで、全くよく分かりません。 原作を知っていないと、理解するのは無理かと思われます。 また原作ファンなら楽しいかといわれれば、広い心で楽しめるファンなら観てよいと思いますが、基本的に家で観たほうがよいように思います。
原作は、犯人グループ、企業、警察、記者の4つの視点で描かれていましたが、映画化の際に記者の視点が削られました。 私はもう少し思い切って、警察サイド、つまり合田さんも削ってよかったと思います。 そして半田に合田さん的要素を持たせれば、もう少しすっきりしたんじゃないかと。 この映画に、合田さんはいらないです。 護衛役もぜんぜん意味なかったです。合田さんの部分をがっつり削って、そして半田と合田さんを足して二で割ったようなキャラを作ればよいのに。 名前も似てるし(字面だけだろ)
映画の斜陽時代は、日活が作ったんじゃないのか。そんなことを思わせる出来栄えでした。監督のセンスもあるんだかないんだか。 脚本もよくまとめたというより、ダイジェスト。原作ままをやるなら、映画にする必要はあるのか。 監督や脚本家なりの解釈が見られませんでした。そういう点では、映画マークスの方が出来はいい。 (原作読んでいないと意味が分からないという点ではどっちもどっち。マークスは原作読んでいるとより意味不明な部分があったけど)
さて、ここからはなんの参考にもならないであろう感想。
この映画に、合田さんはいらないと申し上げましたが、徳重くん演じる合田さんは、なにしろ可愛い。 よもやこんなに可愛いとは思わなかった。 そして、こんなにあの合田雄一郎が駄目刑事になるとは思いもよらなかった。 社長に直球の質問投げかけて、クビになったり、電話盗み聞きしても何もわからなかったり、病院で佳子(菅野美穂)に責められて俯いてたり。
なに、このアホの子は・・・・!!
あの切れ者で、敏い合田雄一郎はどこ!? あんた、絶対に本庁にいたなんて嘘でしょう!あの七係が勤まるはずない!! とにかく頭悪そうな合田さんでした。 だけどとても一生懸命でした。可愛かったです。 おうちに平瀬上げちゃうんだもんなぁ。びっくりだよ。 青々しい合田刑事でした。新米です、みたいな。いちいち、全ての行動がたどたどしい辺りが可愛いったらない。 セリフが棒読みの棒立ちの感じ。たまらなく可愛いです。これを褒め言葉と取るかけなしていると取るかはご自由にどうぞ。
そして一方の、吉川演じる半田。 変態すぎ!! 前情報聞いていたけど、やっぱりあの舐めるような視線はいけません。 PG−12指定は、あの吉川半田がヤバイせいではないかともっぱらの噂です(身内で)。 最初にキャスト発表した時は、ちょっとイメージと違うなぁと思ったんですけれど、もう今となっては吉川しかいない、というくらいです。 まさか原作の妄想癖を超えるとは思わなかった。 まさかまさか、スニーカーをプレゼントしちゃうとは予想できるはずも無し。 いつサイズ調べた! もう映画館で噴出すのをこらえるのに必死。 一体どういう理由で、半田が合田さんに執着しているのか全く分からないあたりが、変態に拍車をかけています。 実にいい仕事をしていた。ファンになりそうだ。
ラストの合田vs半田は、唐突すぎておもろかった。 なんで電話ボックスじゃないんだよー! あ、合田さんが城山社長と仲良くならなかったから、電話ボックスの番号聞き出せなかったために、徳重合田はボックスを特定できなかったんだな。 だから、あんなところで刺されたのか。
城山社長のキャラが薄かったのが残念。 社長好きなんですよ。 それに合田さんと全く交流無し。ビールの試飲勧めてよ! お互い分かり合えずにお別れしてしまいました。
そして問題の、渡社長ですが、どっからどう見ても、ボス!と言いたくてなりませんでした。 あの物井は絶対に、貧乏な家に育っていませんよ。東京生まれ東京育ちです、みたいな。 もっと爺さんと呼べるような役者にして欲しかった・・・。
その他の人々は、こんなもんかなーでした。 白井がよかった。岸部一徳はああいうのやらせると、はまりますなぁ。 逆に普通の役がやれなさそうですが。 神崎一課長の出番激減で哀しかった。好きなのになぁ。
なんじゃこりゃ!?な出来栄えでしたが、愉快な映画ではありました。私的に満足です。 ちなみに公式→http://www.ladyjoker.jp/enter.html
2004年12月19日(日) |
『罪な約束』『罪な悪戯』(小) |
【愁堂れな 雄飛アイノベルス】
昨日の『罪なくちづけ』シリーズ二冊です。 感想はまとめさせていただきます。
約束の方から。
良平とごろちゃんのラブラブ話というよりは、事件がメイン。 それは前作も同じなのですが。 ごろちゃん、露天風呂で死体発見!という、二時間サスペンス好きの作者らしき趣向。 被害者本宮の心情が、なかなか切ない話でありました。
ごろちゃんに惚れてる富岡くんなんてのも出てきて、にぎやいでおります。 オフィスの中心で愛を叫んじゃった、ごろちゃんが可愛いんだか、なんなんだか。富岡君でなくとも脱力しちゃう。 温泉ラブは基本だよね、というお話でした。
続いて悪戯。
ごろちゃんの周りは事件がいっぱい。 それともごろちゃんの会社に犯罪者がいっぱい・・・? 殺人犯が二人も出てしまった会社と言うのも対外的にいかがなものか。 今回はトミーこと富丘君ががんばっておりました。 私は杉本さんなんてのが、けっこう好きですが。 納刑事は、そんなにわかりやすくごろちゃんに惚れていていいのでしょうか。
このシリーズ、意外と良平とごろちゃんは顔つき合わせているシーンが少ないんですね。 お互い忙しいからねぇ。
拉致も基本だよね、というお話でした。
サイトにしろ、本にしろ、次の良平とごろちゃんの話を楽しみにしております。
2004年12月18日(土) |
『罪なくちづけ』(小) |
【愁堂れな 雄飛アイノベル】
ボーイズラブでございます。 愁堂さんは、サイトを見ていて、この罪シリーズが面白かったので、本も買いました。 サイト→http://members.jcom.home.ne.jp/rena-s/ サラリーマンやらミステリーがお好きな方はよいのではないでしょうか。
本書は、関西弁の警視庁キャリア警視×容疑者のサラリーマンです。 もうね、良平もごろちゃんも可愛いんだ。 受が可愛いのはよくあるけれど、攻な良平の関西弁がやたら可愛いんだ。 そこにうっかり、ほだされましたね。 あと、ごろちゃんの「馬鹿じゃないか」がいつも可愛いです。 キャリアの警視様が、そんなに現場に出張ってくるのか?とか疑問ですが、瑣末なことです。 私服刑事は拳銃を持たないんじゃないか、とかも細かい話です。 ボブに細かいことを言ってはいけません。
珍しく、話もしっかりしているし、文章にも癖がないボーイズラブであります。
内容はまさに、とんびに油揚げとられちゃったという話で、里見が気の毒のような気もいたします。 ボブ世界では躊躇した者、常識的な者が損をする。まさにそういうお話です。 サイトの方で、里見の話を読むと彼に同情的になったりしないこともないです。 難を言うと、いくらなんでも良平は手を出すのが早すぎやしないか、そう思いますけど。 これもまた、ボーイズラブの世界ではよくあることなので些細なことかもしれません。
だけど、よくよく考えると題と中身があまり合っていないですね・・・。 ごろちゃんの可愛らしさが、罪作りということにしておきましょうか。 あと、このシリーズは二冊あるのでおいおい読んで感想書きます。
2004年12月17日(金) |
『ダレン・シャン12 運命の息子』(小) |
【Darren・Shan 訳:橋本恵 小学館】
最終巻ですが、なんだか特筆すべき感想がございません。 12冊にも及んだ本の最後が、感想無しと言うのもあまりに酷い話なので、何かひねり出しますが、なんだかなぁという感じでした。
なんだかなぁその1.ダレンとスティーブはミスター・タイニーの息子だった。 そうですか、異母兄弟ですか。 生まれる前からの運命。 だからなんだよ、もう最終巻だってば。 これからも続くならまだしも。
なんだかなぁその2.結局相打ち。 二人手に手を取って生き残っちゃ駄目だったの? 児童書なんだしさ・・・。そういう麗しさがあってもいいじゃない。
なんだかなぁその3.あの大層な予言の数々はなんだったんだ。 相打ちしたくらいで、回避されるような話だったのか。
そして最後の最後。過去を修正というあたり、なんだか龍騎のことを思い出す展開でした。 それでいいのか。 別の誰かに運命を押し付けただけで、解決なのか!?
Darenn氏の次回作も決まっているそうです。 また児童書なのですか。 もう児童書はやめた方がいいんじゃないですか。 大人向けにエログロで行ったらいいと思いますよ。
なにはともあれ、お疲れ様でした。
【中野独人 新潮社】
話題の本を珍しく読みました。借りたんですけどね。 ネットでただで読めるものがなんで、こんな売れてんだ?と思わないこともないですが、笑いつつ読みました。 でも、ちょっとわからないネタも多々あったので、調べてみました。
↓ http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Aquarius/7075/
ここで、電車男読めちゃいます。 言われるほどに感動しないし、泣きもしません。むしろ、「もぐら」の話の方が泣ける・・・なんかもう、ご、ごめん。彼女らに代わって謝るよ、と言いたくなる。
内容は100%嘘だとは言いませんし、2chの内容を嘘だホントだと言うのも不毛だし無粋だし、書いてある通りに楽しめばいいと思います。 電車男が、徐々にエルメス嬢と仲良くなる様は、なんかむかつきましたけど。 なんだろう、この狭量さは。 電車男、がんばれとは微塵も思わなかったのですが(いや読んでる限り奴はいい人ですよ。だからこそ、どっからどう見ても普通にうまく行くだろと思えて)周りで、励ましながらも、激しく欝っていく毒男たちのほうに、共感する私がいました。 ヒロシなみの、悲しいエピソードを披露する彼ら。 あんたらにも、きっといいことあるよ、そう言いたい。
でも、まず秋葉な見た目は止めたほうがよろしかろう。
ちなみに私もHERMES読めなかった。 紅茶もわからない。コーヒー党だから。
狭量ついで言わせてもらうと、このエルメス嬢、すごく嘘くさい。 こんなできすぎの可愛い女の子が存在したら、こちとらやってらんねーよ!! 私もまず、電車で絡まれるところから始めたらよいですか?
しかし、絡まれているのを助けられたのは、実際のところおばさんであって、エルメス嬢ではないんですよね。 そして、一番最初に絡まれた強気の女性。彼女は強気であったがために、恋の可能性を逃したのでしょうか。 そして、男前だったサラリーマン。私ならこっちがいいな・・・。
私も毒男たちとともに、大爆撃にあった気分。 あの、報告を待つ間に盛り上がる妄想がおかしいやら、なにやら。 AAもおかしい。 2chって普段全然みないけど、おもしろいですね。
映画化話はどうなったんでしょ?無理だと思うけど。
2004年12月02日(木) |
『指輪物語8 王の帰還上』(小) |
【J・R・R・トールキン 訳:瀬田貞二・田中明子 評論社文庫】
残りわずかとなりました。 上巻は王様チームの話です。 映画では歌わされたピピンが、原作ではなんとか免れていました。よかったね、いじめられなくて。 それにしても、ピピンとメリーはこんなに仲良しだったとは思いませんでした。なにやら面映いまでに仲良しさんで辛い中にも光明が(そこでか)
色々あったと思うのですが、エオウィンの挿絵があまりに適当じゃないかと。適当ではなくて、この人の挿絵はいつもこんなですけど、なんか、こう、臨場感がない。 アラン・リーの表紙と毎度ギャップが凄いです。挿絵必要なの?
いよいよ次で最終巻です。
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