妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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【殊能将之 講談社文庫】
いつものごとくネタバレするのでご注意を。
「美濃牛」と書いて「MINOTAUR」。うまいこと考えたなと思います。 『ハサミ男』の時のような、やられたーっという感想はないですが、期待以下ということはない。 でも一番驚いたのは、飛鳥と哲史でしたよ。え、そこの二人が出来てたの?って。 そこは無難な三角関係だとばかり思ってました。 にしても、可愛らしい恋文やね。 正直に言えば、そこばかりが気になっていました。この小説(最悪な読み手です)。
そんな事情で、美青年の飛鳥が早々に退場してしまい、少しがっくりです。 石動も好きではあったのですが、終始その容貌がうまく想像できないままに終わりました。 石動が探偵役なのかなとは思いつつ、あまりに胡散臭いので後半までずっと誰が探偵なのかわかりませんでした。 ちょっと今回、登場人物が多すぎるような気がします。町田くんって何しに来たの?彼、好きでしたが。 村の親友二人組みの微笑ましいやり取りとか、楽しいんですが必要なのか?無駄に疑ってました。 あ、それが狙い?ミスリードなのか。
解決した石動よりも、保険金詐欺を見破った名もない保険会社の方に鮮やかさを感じてしまいましたよ。
陣一郎が和人だったというのはあまり驚きませんでした。 それより、美雄が怖い。
登場人物が多すぎたせいで、肝心の羅堂家の人々の描写が少なすぎたような気がします。 美雄と善次なんて最後まで区別つかなかったな。
全く無関係なのになぜか一番、不幸をしょいこんでしまったような天瀬さんの今後が危ぶまれます。
石動さんは他の作品にも出ているんでしょうか。
2003年05月28日(水) |
『先生!19』『ハチミツとクローバー2〜4』(漫) |
【河原和音 集英社マーガレットコミックス】
収まるところに収まった二人。 巻末漫画、先生脱がないの?そうか・・・。とても残念だ。
+++++++++ 【羽海野チカ 講談社クイーンズコミックス】
あゆちゃんもはぐちゃんも可愛い。 可愛くて切ない。そして時々すっごくおかしい。 徳大寺先生のモンゴル相撲の衣裳、きわどすぎ。 私はそこから目が離せませんでした・・・(乙女なら逸らせ)。
4巻はまるまる森田さんがいなくて寂しかったです。カムバック! 真山もカムバック!と言いたいところだけれど、もう行ってしまえ。頑張れ。
次こそ、竹本君が表紙ですよね・・・。 髪が伸びてすっかり普通っぽい(=存在感が薄い)。私は短い頃の方が好きかなー。
2003年05月26日(月) |
『ミステリ・アンソロジーV 血文字パズル』(小) |
【有栖川有栖 他 角川スニーカー文庫】
面子だけ見ると、スニーカー文庫という気がしない、本格的なミステリアンソロジー。 こんな表紙にするならスニーカー文庫で出す意味ってなんなんだろう?角川文庫じゃだめなのか。 私はダイイングメッセージネタはそれほど好きじゃないのですが、麻耶の名前があったらば読まねばな、と。
「砕けた叫び」 有栖川有栖
火村ものの短編は、朝井女史の登場率が高い、ような気がします。 やはりいい年した男二人がいつも一緒にいることに、有栖川有栖氏自身も違和感を覚えているのかもしれません。 読み手が推理するのはちと難のような気もしますが、アリスが今回はお手柄。珍しく。本人はわかってないところがまた、アリス。 朝井女史の最後のオチも微笑ましく。 ↓のメルと美袋とは正反対で、火村とアリスは相変わらず仲良し。
「八神翁の遺産」 太田忠司
私、この人の小説を読んだことがないです。 これこそ推理するのは不可能、なのですが、二人の探偵の設定がちょっと面白い。 シリーズ探偵なんでしょうか。
「氷山の一角」 麻耶雄嵩
上記のデュパン鮎子に続いて、メルカトル鮎。探偵は“鮎”の字が多いのか。 犯人云々よりも、1ページ目で「これは美袋がメルに新手の嫌がらせをされているに違いない」と看破できたことが妙に嬉しい。 実際は、嫌がらせではなく報復でしたが。 メルの凶悪な性格(美袋談)が今回も如何なく発揮されていて楽しいです。
「それに私もワトソン役がどういうものなおか興味があるんだよ。いつもいつも引き立て役の恥辱に甘んじてばかりで、なぜ潔く首を吊ろうとしないのかとか」
ここまで言われてなんで美袋がメルと付き合っているのか今もってわかりません。こいつらはどこでどう知り合って今に至るのか。 メルの「生きている間に君の探偵姿を目の当たりに出来るなんて〜」というセリフに苦笑。 メルの極悪な性格をついつい許してしまうのも、彼が『翼ある闇』で・・・だからなんでしょうな。
メルと美袋の短編集、また出ませんかね? そういえば最近、長編出してませんね。麻耶氏。
「みたびのサマータイム」 若竹七海
やたら恥ずかしい雰囲気で、苦笑しっぱなし。 爽やかな青春小説の雰囲気と、石器時代の女子高生か?というような渚ちゃんの一人称。 ちょっと寒いぞ。 若竹氏の(この人女性でしたっけ?)小説のこの爽やかな雰囲気がどうにも肌に合わないようです。 結局、ミステリーか?という話だったし。やれやれ。
【横山光輝 潮出版社】
ようやく横光三国志です。 どこにも書いてはいないのですが、吉川三国志ベースと言うのは冒頭を読むと一目瞭然ですね。 私は、吉川のあの冒頭が好きなのです。
横山の張飛はどうしたわけか、虎髭じゃない。 でも、可愛いですけどね。
曹操の初登場はやはりかっこいいです。惚れますよ。
巻末、三国志ゆかりの場所の写真や解説が面白い。 桃園飯店に泊まりたい〜! 「中庭では深夜まで桃園の誓いが可能だ」ってどういうこと!? もの凄く心惹かれる場所であります。
2003年05月23日(金) |
『ディプロトドンティア・マクロプス』(小) |
【我孫子武丸 講談社文庫】
安孫子氏の本を読むのは初めてで、借りなきゃ一生読まなかったかもしれない。 と、思っていたらこの人まほろ市の住人だから、持ってました。本。まだ読んでないんですけど。
PS版「かまいたちの夜」はやったことがあるのですが、あれは本格推理としては「んー?」でした。 ま、サウンドノベルという形だから、仕方がないんだろうな。色々笑わせてもらったし、いいかな、と思っていたのですが、この人小説も同じ作風なんですね・・・。
ハードボイルド、って後ろに書いてあったんですが、ハードボイルドの幅も広くなったもんだね。
主人公が間抜けなのは安孫子さんの十八番なのですか。 カンガルーが巨大化しようが、主人公が巨大化しようがいいですけど、本格推理作家に名を列ねるなら、最後にひとひねりくらいしてもらいたいものだ。 オチなしかいー! 安孫子氏の本格度は金田一少年レベルとみた。
これなら、「巨大化させてみたかったんじゃない?」って言われてもしょうがない。 キャラも別に特徴的とも思えないですし。
ゲームばっかりやってちゃいけませんよ。安孫子さん。
タイトルが覚えられません。意味、なんだったんでしょう。これ。 と、思ったら氏のサイトで説明されてました。忘れてたって・・・。なら、あとがきに書けよ。二度もチャンスがあったんだから。 「安孫子飯店」で検索すれば見つかりますよ。 小説よりも、サイトの日記の方が面白いかもしれない。
2003年05月22日(木) |
漫画を色々読みました |
日記なのでちゃんと読んだその日に読んだ本の感想を書いているのですが、ここ最近漫画をさぼってました。 このまま流してしまおうかとも思ったのですが、ま、三国志ばかりだと思われるのも癪なので(癪?)。 一週間ばかりの漫画をダイジェストでお送りいたします。
++++++++++ 『っポイ!22』(漫) 【やまざき貴子 花とゆめコミックス】
もういい加減にしろ、と言いたいのだが、幸いにも面白いので、まあ、いいかと思ってしまう漫画。 でも、いい加減に受験しようぜ。 女の子たちの話、好き。 おまけはオチなかったですな。主人公がヒナちゃんだから?
『おまけの小林クン11』(漫) 【森生まさみ 花とゆめコミックス】
千尋ママの話しが好き。
『ひつじの涙4』 【日高万里 白泉社花とゆめコミックス】
やっぱ、羊てのは神埼? 初登場諏訪さん、でも初のような気がしませんよ。 時々ノリについていけないんだよなぁ・・・・。年か(違う違う)
『天使な小生意気18』 【西森博之 小学館少年サンデーコミックス】
恵ちゃんがようやく美少女に見えてきました(今頃か) 最初の頃は心眼で見なければいけないのかと・・・。 いやしかし、予想外に長くなってきましたな。もう18巻。
『MASTER KEATON1〜5』 【作者:勝鹿北星 漫画:浦沢直樹 小学館ビックコミックス】
キートン先生かっこいいです。 ハーフには見えないんですが。ま、たいしたことじゃありません。 他愛無い話が好きなので「昼下がりの大冒険」とか「家族の瞬間」とか「ノエルの休戦」なんか好きです。 でも、「砂漠のカーリマン」や「交渉人のルール」なんてかっこいいですね。 動物ネタにも弱いです。
『ハチミツとクローバー1』 【羽海野チカ 集英社クイーンズコミック】
もう、かっわいい。みんな可愛い。 はぐちゃんが可愛いし、竹本くんも可愛い。 こういう可愛らしい話大好き。 森田君もいいです。
2003年05月21日(水) |
『私説三国志 天の華・地の風1』(小) |
【江森備 光風社出版】
ある意味、真打登場といったところでしょうか。江森三国志ですよー。 読む前に散々、評判を検索で調べたので驚くことは何もなく。 むしろ、普通?くらいの勢いで。だって、みんながあまりに驚愕しているから、山藍紫姫子くらいのものを想像していたものでして。 普段、同人小説だのボーイズラブだの読んでいる私にとっては、やおい度はそれほど高いとは思われません。 まだ、一巻だからかもしれないですが。
そんなわけなので、周瑜と孔明の仲についてはさほどツッコムことはせずに別の所を。 とりあえず、堅パパ、洛陽から拾ってくるのは玉璽だけにしとけ。な? 卑猥画なんか収集しているから、流れ矢に当たるんですよ・・・(それは関係ない)。切ないなぁ。 まあ毛先ほども登場しない孫策よりはいいのか、悪いのか。いや、いるはずなのに姿が見えない孫権よりは確実にマシのような。
この周瑜と孫策がどんな感じで友人をやっていたのか非常に気になります。 江森周瑜はけっこう好戦的な感じがするのですが。 周瑜もねぇ・・・たまにさ孫策のことを思い出してやれよ。孔明のことばかりじゃなくて。 そんなだから、暗殺されてしまうんだ。
周瑜と孔明の知的攻防戦がもう少し見たかった。肉体と精神の攻防戦じゃなくて。 どうも、孔明に手柄がいってしまって、周瑜が間抜けに見えてしまう。
ふと。 『赤壁の宴』の周瑜と江森孔明をぶつけてみたい。 きっと、藤の周瑜は負けないと思いますね。同属嫌悪すること間違いなし。 わー、そんな夢の対決が見てみたい〜。すごいことになりそうだ。
そう言えばこれ、意外にも演義ベースですね。正史だと思ってましたが。
ホウトウがのらりくらりとしつつ、美味しい感じです。 そして、徐庶がいっぱい出ているのが徐庶好きとしては嬉しいのですが、一抹の不安も拭いきれません。
諸葛瑾も出番が増えて嬉しいと言っていいのかどうなのか。 孔明の叔父、という設定なのは、馬面の実の兄がいては何かと不都合だからですか? そんな理由だったら酷いなー。
諸葛瑾、魯粛、徐庶は三国志注目株なのですよ。私の。
関羽と孔明が露台で話すシーンで、関さんがたぶらかされたらどうしよう!と半ば本気で心配しました。 そんな関羽は嫌だー。というか、なんでこんな心配をしなきゃいけないんだー! 江森の孔明先生は魔性ですから。
そんな魔性孔明先生、悪夢に苛まれる場面、
上で揺れる相手は、一回の交わりごとに違う男になった。熊のように太った董卓が、逞しい呂布が、実の叔父・諸葛玄が、―――
呂布・・・お前もか・・・・・。
けれども、主君・玄徳様とは清い関係の孔明。 どんな三顧の礼だったのか気になるのですが、いつか回想などで出てこないものでしょうか。 劉備がなんだか素敵です。
しかし、当然ながらまだ本命・魏延は出てきておりません。 怖いなぁ。
一つ、周瑜(もう死んだけど)にしろ孔明にしろ、頼むから天下のことを少しは考えてくれよ。
2巻を読むのはいつになるかな。まだ発見しておりません。
2003年05月17日(土) |
『三国志艶義 上下』『ばく』(漫) |
【清水清 ヒット出版社】
そこまでするか!? と自分に対して思います。 エロ漫画にまで手を伸ばしてしまいましたよ。 初エロ漫画購読。
まじまじと読むのは初めてですよ。ぱらーっとはあるんですが。
で、まあ、身構えたほどのエロではなく残念なような。 もう少し絵が上手ければいいのになあ。 ボーイズラブとか女性誌の方がなにかとえぐいかもしれませんね。
えーとー。 曹操と趙雲が女です。 張飛が元々男なんですが、女だったり虎だったり。あげくは、貂蝉だったり。だから呂布とできてんです。 で、孔明が死んでいて、その妻が孔明のふりしてます。
劉備はどうでもいい感じで、関羽が主役・・・・? 妙にかっこいい感じです。キャラデザはぬぼーっとしているんですが。 やっぱり、呂蒙との戦いにはつっこまねばなりませんかね。なにで戦ってんだ、お前は・・・と。 何を仕込んでいるんでしょう。剣をはじきましたよ!? 孟徳ちゃん壊れちゃうよ。そんなの使ったら。
普通に三国志のストーリーを辿っているのが可笑しい。もっと無茶苦茶な話しだと思ったのに、ちゃんと説明しているんだもの。 いいんじゃないの?別に説明しなくても、と思うんですが。 しかも割ときれいに話をまとめてあるし。そこで騙され気分になります。
なんでエロシーンがあまりエロくない、と思ってしまうのかと言うと、おそらく女の人だけが描かれているからなのかなーと。 絡みの構図がないよね。他のエロ漫画は知らないけど。 ま、男の人が読んでどう思うのかはまた別なんでしょうが。 もう少し曹操が痛い思いをしていたらな・・・・。 原作と言うか本当の曹操の方が痛い思いしているような。明らかに。 曹操と劉備のWヒロインがよかったなーと希望。曹操と孔明(の妻)じゃなく。 あれ、甘夫人がヒロイン? あの子の扱いって、意外と三国志時代では普通だったかもしれないな、と思いました。女の人に人権ないもの。
巻末に載っているやけくそみたいな漫画。 「一本抜ければストーリーなどいらない」というのがサブタイトル?なのかわからないけれど、真理だよね。エロ漫画の。 この漫画で抜けるかどうかはそれこそ知らんけど。
++++++++ 【水月博士 新書館ウイングスコミックス】
ファン待望って書いてあるんですけどね、『真夜中の王国』(帝国?)はいつコミックになるんでしょうかね。
でもこれも、面白かったです。 不幸すぎずよかった。 水月博士は最後に少しだけ幸せにしてくれるところが好きだ。オロロンは違うけど。 メフィストも可愛かったですし。 続きがありそうなんだけど、ないのかなー?
2003年05月16日(金) |
『秘本三国志5・6』(小) |
【陳舜臣 文春文庫】
曹操がボケたかと思ったよ・・・・!! 焦った焦った。陳なら曹操をボケさせるくらいするかと思った。 振りでよかった。本当に。
ボケたのは関羽だった・・・・・ ひ、酷すぎる。あんまりな扱いだ!! 自尊心が高すぎるために、捕らわれた時に急性耄碌しちゃう関羽。 「はやくおやじを斬ってくれ!」という関平の叫びに同調してしまうよ。そんな関羽は見たくなかった。
陳は猛将が好きじゃないのだろうか。 武人の活躍する場面をことごとくカットしている。 惇兄なんてどこ行っちゃったんだろう・・・・。
そして、関羽以上にひどいのは張飛。 嫌 い な ん で す か ? いくらなんでも張飛はそこまで馬鹿な人じゃないと思うのですよ。 劉備の旗揚げからずっと一緒にやってきたわけだから、武のみだったらここまで生き延びられるとは思えないです。
北方はかっこつけ過ぎだと思いましたが、陳はもう少し武人に花を持たせてやって下さいよ。
死の間際にお互いの顔を思い出す曹操と劉備。 だから、最後まで結託していればよかったのに。 陳も中途半端なことしないで、いっそそういう前提の元に最後まで書けばよかったんんじゃないかと思いますよ。
あの世で曹操に会ったらなんと言われるだろうかと考えている劉備。 「ばかだな、玄徳は」 ありえない!!そんなこと言わないから!!!そんなまるでビューネ君みたいなセリフは!!(少し古いですよ) そして更に劉備、 「おぬしが悪いのだ。先に死んだりするものだから。」 いや、答えになってないから。
陳三国志、推理作家らしく非常に穿った視点で推理され構築されておりました。 なにもそんなにあっちこっちの戦を八百長あつかいしなくても、と苦笑しますが。 五丈原までもが八百長ですよ。それは・・・たとえそうだったとしてもなんだか・・・・。感動がないです。 ああ、でも、荀イクと曹操、曹丕と曹植の不仲が演技だったというのは面白い。
少容と陳潜の関係の種明かしとか。 そんなオチを用意されてもなーと言う気分でした。驚きはしますけれど。
面白かったのですが、不完全燃焼のような気分の陳三国志でありました。 エピソードはしょりすぎ。
2003年05月15日(木) |
『秘本三国志4』(小)『極楽カフェ2』(漫) |
【陳舜臣 文春文庫】
劉備と曹操がもの凄い、結託を見せているのですが・・・。 面白すぎる。 でもありえないことでもない。 袁紹の元に、曹操の間者として潜り込む劉備なんてなあ。 官渡ってそうだったんだ。 なんて思ってしまいます。 暗躍してます。劉備が。
二人だけの秘密、ていうのがいいですよね(何が) 張飛はもちろん、関さんも知らない兄者の秘密。
このまま、二人で天下を取ればいいのにーと思ってしまうほど息ピッタリ。
ハンサム様呂布が討たれてしまいました。 なんとも最期まで可愛い奴でした。 関さんは無事に貂蝉を手に入れられたようです。
孫策はまた呆気なく逝ってしまいました。 陳は本当にスピーディで泣けてきます。面白いんですけど、そんなに簡潔にしなくても!三国志なんだから、全8巻くらいになっても文句言わないから!!
孔明先生が、少容に天下三分説いているんですけど!!! おいおいー。 孔明、初登場がナンパとはなかなかですな。 美青年らしいです。顔くらい凡庸でもいいじゃないかーと思うんですけどねぇ。毎回。
曹丕はやはり黒いです・・・。怖いんだよ。曹丕。
北伐で、やはりというかなんというか、郭嘉ですら出番がセリフのみ。 ここで出番がないとどこで出てくるって言うんだよー。 と思っていたら、トウトンの真意を悟った曹操が、その死に顔を見つめて、わかったよわかったよ、とつぶやくシーンが泣けます。 いまだかつて、この場面を気にしたことなどなかったのですが。
陳は他の三国志と全く違いますね。 北方と吉川は正反対だけれど、書き方は同じだと思います。
ようやく軍師を得た劉備。 徐庶がー・・・出番削除でした。名前のみですよ。あんまりだ。 そして、三顧の礼は5行ほどの説明で終わってました。 だって、いつの間にか孔明がいたんだもの。 あんまりですよ。陳・・・。
長坂なんて、あっという間。 趙雲の活躍はなしですかー!?
いやはや・・・。凄い三国志です。陳恐るべし。チャレンジャーだなぁ。
++++++++++ 【麻々原絵里依 徳間書店Charaコミックス】
終わり? おう、なんともまあ、あっさりとした。 このくらいが丁度良いのかもしれませんが。
同じ麻々原さんということで、悠人がアリスに見えて仕方がないです。
こんな渋いマスターのいる喫茶店でコーヒーを飲みたいものですよ。
2003年05月14日(水) |
『秘本三国志3』(小) |
【陳舜臣 文春文庫】
出てこないなーと思ったら、今回は1ページ目から劉備がいます。 おお、ようやくようやくですか。 なにやら画策している劉備。 策士がいなくて参ったなーと思っているのに、なんとなく淡々としている劉備。 陳の劉備は野心のあるハムテル(動物のお医者さん)という感じです。 ちょっと想像できませんか。そうですね。でもこんな感じなんですよー。
策を巡らせているわりには、吉川や北方のように腹黒い感じがしないのは、やはり淡々としているからなのでしょうか。 関羽と劉備、二人がかりで張飛に現状を教えている様がおかしいです。 どうしようもない劣等生ですよ。張飛が。
いつの間にか劉備のもとにいた、趙雲。 細かいエピソードはがんがん飛ばされていく陳三国志。 ただ、流れは一番分かりやすい。 で、その趙雲がなんと、あの曹操の父を襲っちゃった、と。 思い切ったストーリーを作ったものです。 悪名をとどろかす、曹操の大虐殺の原因を趙雲、ひいては劉備の画策にしちゃったと。びっくりですね。
なんだか、陳三国志はねらっているのかいないのかよくわからないのですが、ユーモアがあります。 素のような気もするんですが、妙におかしみがあって楽しい。 曹操が呂布と対峙している時に、秋晴れの空を見上げて、 「この美しい空の下で、人間が相争うているわ。殺しあっておるわ。・・・・・わしもその仲間じゃが・・・・・」 ひとりごとで、自分につっこんじゃっている曹操様。なんだか可愛い。
孔明先生が名前だけ出てきました。 名前だけでもずいぶんと早い登場です。普通、徐庶が名前を出すまでさっぱり影も形も出てこないんですが。
関羽が貂蝉にすっかり恋わずらいしてしまっています。 陳の関さんはいつもの頼りになるなー雲長は、という感じはあまりしない朴訥とした感じです。 だから、劉備も困っているんですが。 貂蝉を奪いに行こうと、黒い覆面を被っていったのですが、その体格でみんなにあからさまにバレてしまった関さん・・・。 多分、体格じゃなくて、髭が見えていたんじゃないか、という気がしますが。 しかも失敗しちゃったし。 その上、劉備に「貂蝉は奪えなかったのか?」と思いきりばれて、からかわれているあたりがなんとも珍しい関さんです。
宛城で息子を亡くして、奥方の怒りを買ってしまった曹操。 どうしたものかと、少容に相談するなんて、なんとも微笑ましいです。 たいてい、実家に返して終わりなのに。しかも、 「なんだ、毎日、奥のご機嫌をとり結ぶのか?そんなことはできん。天下のことでくたくたになったうえに、また女房のご機嫌とりなど、わしのからだがもたぬわ。もう四十二だぞ」 愚痴っちゃってます。 おっかしー。 こんな曹操、初めて見た!
陳の人物設定が非常におもしろいです。
2003年05月13日(火) |
『秘本三国志2』(小) |
【陳舜臣 文春文庫】
吉川→北方→陳と読む速度が明らかに上がっているような気がしますよ。
劉備が名前しか出てこなかった2巻ですが、あまり気になりませんね。不思議なことに。 堅パパが登場、そして退場・・・。いつもお早いことです。仕方がないこととはいえ、寂しい限り。 少々お馬鹿さんっぽい孫策と、かしこい周瑜少年が出てきましたよ。どんな周瑜になるんでしょうか。
さすらい将軍、呂布がなんとも可愛い。 呂布が可愛いとはなー。なんでこんなにお馬鹿さんなんでしょう。 ひじょうに無邪気で考えなし。 だからあんなに簡単に貂蝉に惚れちゃうのかもしれません。
そうそう、正史ベースだと思っていたら、貂蝉が出てきましたよ。
少容と陳潜の諸国行脚が面白いです。 まあ、なんでもかんでも少容の暗躍のおかげ、みたいになっているのは気になりますが。
2003年05月12日(月) |
『秘本三国志1』(小) |
【陳舜臣 文春文庫】
また三国志かーと言う声が聞こえそうです。 まだまだです。 他のも読め、と言うのなら読みますが。
秘本、とついているので怪しげですが、五斗米道視点の三国志。 1巻を読み終わって、全くと言っていいほど劉備の出番がない、という。 歴史の流れに忠実な感じです。 この頃の劉備は確かに、特筆すべきことはしていないものなー。 でも、花嫁泥棒しようとしてました。任侠系の劉備みたいです。
五斗米道の陳潜があちらこちらに行って、曹操やら劉備に会うという感じで話しが進んでます。 なんだか面白いです。 微妙に曹操贔屓な感じがしますな。 合理主義で気紛れすらも計算な曹操がよい感じです。
で、呂布が「かなりなハンサム」なんですよ。 その瞬間、陳の呂布は“ハンサム様”とあだ名が決まりました。 ちなみに北方はネロ(フランダースの犬)でした。
辛口の描写が面白いです。 袁紹を名門の坊ちゃんとかね。 陳の袁紹は憎めない雰囲気です。
正史のように「作者曰く―」というのがところどころに入っていて、異説についても作者の考察が入っているのがいいです。 これだけ三国志を読んで、いまだにどこまでが演義の話なのか、さっぱりわからないもので。
2003年05月11日(日) |
『輝夜姫21』(漫) |
【清水玲子 白泉社花とゆめコミックス】
清水さんは絵がきれいなんだけれど、今回の表紙の柏木さん・・・。 剃りこみ入りすぎです。 額が広すぎやしませんか・・・?
時々そういう不思議な絵が出てきて困惑します。
中身は泥沼でーすね。 もう21巻ですか。 まゆちゃんは、最終的にどうなっちゃうんでしょうね。 結構好きなんですよ。
柏木さんは大将。 なんだか大将と言う呼称が似合わない人だ・・・。
2003年05月10日(土) |
『赤の神紋−Blue Ray Arrow−』(小) |
【桑原水菜 集英社コバルト文庫】
発売されてから一ヶ月も経っているのは、別に三国志にうつつを抜かしていたからではない、のですよ。 前回の終わりが酷で、続きを読むのが躊躇われたからです。 でも放っておいても中身が変わるわけでもなし、と。
なんとなく言い訳してみました。
表紙は連城響生写真集・・・じゃなくて、連城氏。 涼しげな顔をしておりますが、中身はぼろぼろです。 殴られ、やつれ、それでも男前なお前は本当に作家なのか?
私は桑原水菜作品にはツッコミを入れられないのですよ。 赤の神紋なんて、ツッコミだらけなのはわかっているのですが、それでも入れられないのですよ。 若手芸人が大先輩のボケにツッコミを入れられないのと似たようなものです。違うかもしれません。
前回、榛原に一服盛った響生。 なにをどうしたって、木っ端微塵に打ち砕かれるのは自分自身だとわかっているのに、どうしてそういう暴挙に出てしまうのか。 予想にたがわず、完膚なきまでに叩きのめされました。 私が響生なら生きていけない。 それでも醜態晒して滑稽でも醜悪でも前へ進もうとするのが響生であり直江さんであり。
そう。5月3日は直江さんもとい、橘氏の誕生日でした。全く関係ない話ですが。
赤の神紋に戻りまして。 今回は榛原の恐ろしさを目の当たりにした、という感じです。 まさか、動物園デートを敢行するとは・・・!!榛原がですよ!しかも動物博士なんですよ!!! 全身黒ずくめで、動物園に行くんです。恐ろしい男です。 私も榛原に動物の解説を受けてみたい・・・・。怖いけれど。
榛原の予想外の行動に、響生ともども翻弄されっぱなしです。 突然お宅訪問。響生と一緒に目を白黒してしまいますよ。 原稿を送りつけてくる、榛原の報復が恐ろしい。
「どこぞの国のスナイパー」と描写された連城氏。 響生はゴルゴか、と思ってしまいますが。 そんな桑原用語が好きです。例えおかしくても、それでいいんです。桑原水菜の言葉はそれがそれでベストなんです。 私は桑原水菜の言葉ならなんでもかんでも受け入れてしまいそうです。
8巻にして、いまだ底が知れない榛原憂月。 立ち上がれるのか連城響生。 私ならもう絶対に言葉など吐き出せないな。
ケイが奥田と初共演。 『蜘蛛女のキス』って悪女が出てくる話だと思ってました・・・。全く違いました。 今度読んでみようと思います。 奥田の演技、観てみたいものです。 ケイの演技とか、榛原の舞台とかよりも観てみたい。だって、この二人のは怖そうだ。 でも榛原の『バベル』は観てみたいものです。
ケイは奥田にしておけばいいんだと思います。 榛原とか響生みたいに危ない男たちよりも、奥田は断然いいと思います。 危ない男と言うとかっこよさげですけれど、ハードボイルド的な危なさじゃなくて、本当に危険人物ですから。 捕まらないのがおかしいくらいだ。
そんな奥田、榛原に目をつけられたみたいですが。奥田も榛原の舞台に立ってしまうのか?
ケイと響生が一応仲直り。 穏当なシーンで終わって本当にほっとしてます。
ドラマCD、ひょっとして書き下ろし・・・。ああ・・・・・。 関俊彦の榛原、小野坂ヴォイスの奥田が気になりますな。 ビィも出てるの?わー。 主役二人の声優がいまいち分らないんですけれど。
【藤水名子 講談社文庫】
初めて藤水名子の小説を読んで、これが最初で最後になりそうです。 タイトル、“うたげ”だと思ってましたが、読みは“えん”でした。 噂にたがわず凄かった。
最初に言いますが、私は孫策も周瑜も好きです。むしろ、もともと三国志は呉贔屓です。 以下はこの小説に限っての話、ということで。まあ、断る必要もないとは思うのですが。
1ページ目から、ん?という印象。
周瑜にとっては、陽光に映える萌黄の色よりもまだ、振り向いた男(ひと)の若い笑顔の方が眩しい。
ポイントは、“男”と書いて“ひと”と読む。 待て待て待て・・・。 おとこ、と読んで何が悪いんだよ。 軽いジャブを受けつつ、「お前が女だったらな」とのたまう孫策に目眩を覚えて先に進みますと、
鐙と鐙が触れ合いそうなほどすぐそばまで馬を寄せられたとき、彼の放つ強い汗の匂いがゆくりなくも鼻腔を襲って、周瑜は思わず目眩を覚えた。
周瑜殿、何か悪いご病気ですか。
ようするに、この小説、恐ろしいまでに周瑜が女です。そして孫策オンリーラヴ。もうあなたしか見えない。 そんな周瑜。 孫策と女が一緒にいれば、 「なんなの、この女。私の伯符様に馴れ馴れしい。ぶすのくせに」 てな感じです。 もちろん、こんなセリフもなければ、おねえ言葉でもありませんよ。さすがに。 この周瑜殿、顔が全てです。そしてなによりも、美しいのは孫策です。美の基準は彼。 そんな周瑜自身も、絶世の美貌であります。 伝説の美人姉妹、二喬を見た後に、孫策が 「噂に違わぬ美しい娘たちじゃ。だが、お前には劣る」 と言うくらいです。 馬鹿か?というツッコミを入れたい気分に襲われますが、これしきで馬鹿と言っていては身が持ちませぬ。
ある意味、天下無敵の美周郎殿だと思います。 美しくない、ただそれだけで100人切り、という勢い。彼の心中は恐ろしく自己中心的であります。 いいのか、こんな主人公。
真っ先に切られるのが、孫権。孫策の弟。
孫権のなにが気に入らないといって、全体この若者の、頭のてっぺんから足の先にいたるまでのバランスの悪さが、周瑜には先ず我慢できない。
己の君主だろーが。 この先も更に悪態が並びます。哀れというほかありません。乱世で容姿についてとやかく言われなければならない、孫権に同情を覚えます。 そもそも、この周瑜、孫策の死後は孫家など知ったことか、と思っています。どうとでもなれ、と。 もう、早く孫策の後を追いたい一心。じゃあ追ってしまえよ・・・。
三国志では必ず、周瑜の死に泣く私がここまで思いましたよ。
誰かこの周瑜をどうにかしてくれ。 頼みの綱の孔明先生は、どうかと言いますと、一応端正な顔、と描写されております。ちょっと、ほっとしますな。 孔明が周瑜の妻を曹操が狙っているぞ、と言ってたきつけるシーン。 なにしろ、妻を愛していない周瑜なのでものともしません。愛しているのは孫策オンリー。
諸葛瑾という、孫権の代になってから当地へ移り住み、実直だけが取り得のような控え目さで若い君主に仕えてきた有能な部将を、周瑜は決して悪く思ってなどいないが、その弟は、実に腐れ外道のような男であったか、と心中微かに憎悪を覚えた。
腐れ外道呼ばわりです。孔明先生までもが、たった2ページほどの登場で切り捨てられました。 恐ろしい男です。美周郎。 藤水名子、孔明のファンの反応が怖いと言っていますが、むしろ気にすべきなのは周瑜のファンの反応だろう、と思います。
さらに再起不能なまでに切り捨てられるのは、孔明の君主にして、三国志の主役とも言える方です。 劉備です。 全文引用はかなり長い、上にそこまで貶められた劉備の描写を引用するのも嫌なので、ちょっとだけ。 周瑜と初めての対面シーン。
まるでくたびれた安宿の主人のような物腰態度で対する劉備玄徳という男を、周瑜はこのときはじめて見て、 (なんと、卑しげな男だろう) ひと目見た途端に嘔吐を催す類の嫌悪感に襲われた。
約1ページにわたる劉備の悪態。 いっそ爽快なまでにこきおろされております。あはははは・・・・・。 生理的嫌悪感を抱かせる劉備なんてな!!ははは!!
ちょっと壊れてきました。こめかみのあたりがぴくぴくしますが、もう一人の三国志主人公・曹操はと言いますと、まだ穏当です。 藤水名子は、曹操が好きらしいので。 それでもよい描写はされてませんが。ただの、悪知恵の働く親父にされてます。
美周郎、向かうところ敵なしです。こんなに天下に無関心な周瑜ははじめて見ます。 ついでに敵なしなのが、孫夫人こと恵姫。孫家末娘ですな。わりと好きなんですが・・・。他の小説では。 「あんな優柔不断で冴えないオジサン、私は最初からなんとも思ってなかったの」 お前は、援交の女子高生かっ。
藤水名子、なにか劉備に恨みでもおありなのですか。
巻末に藤水名子のインタビューが載っています。 この作品では、周瑜と孫策の仲、男同士の友情と彼らのダンディズムを描こうと思ったのですが、書き手が女なので、男同士の友情というのが、今一つ、よくわからないこともあり、それ以上の心情も含めて描くことにしました。 <中略> 結果的に女性的なものになってしまった。女の目から見て、男同士の友情関係はこうあったらいいなという希望があって(笑)
待て まるで、女全体がそう思っているみたいな言い方をするなー! つーか、これはもう友情じゃないだろうが!!はっきりほもだと言ってしまえ。ゲイでも男色でもなんでもいいから、友情でくくるな。 女だから男同士の友情がいまいちわからないというのは、大嘘だと思います。 少なくとも、これは男同士の友情を書こうとは全くしていない。 三国志であることを抜きにして、これを一編の小説だと思って読んでも、むしろそう読んだらもう最悪の部類に入ると思います。 とにかく、周瑜の性格が悪い。演義の周瑜が素敵に思えてきました。
孫策×周瑜ならば、コミケ行くなりネット検索した方がよほど良心的な小説を見つけられると思います・・・。
まあ、ギャグ小説だと思えば最高だと思いますよ。
【監督:ロブ・マーシャル アメリカ】
面白かったです! 上映時間、1時間53分という短さも良し! ミュージカルが嫌いだったり、人を殺しといて歌って踊ってハッピーエンドなのが許せん、とか言う人でなければ面白く観れるのではないかと思います。
これは、映画館で観てよかったなーと思います。 家で観るとなかなか、入り込めないでしょう。
ロキシー(レニー・ゼルウィガー)が本当に可愛い。 もう、なんなのその表情は!例え胸が全然なくとも問題なし。可愛いもの。
ヴェルマ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)もよいです。 私はあの黒いボブの妖しげなキャラクターというのに元々弱いのです。 口の端をきゅっと上げて馬鹿にするような挑発するような笑顔が好きです。
例え少ししか出てこなくとも、どの女の人も魅力的。 ママもよかったです。ロキシーヘアにしちゃうお茶目なところとか。 6人の囚人のタンゴが好きでした。
ハッピーエンド、がよいです。 これで、また元の落ちぶれ生活に戻る、ではあまりに華がないと思いますよ。 ミュージカルなので、最後は華々しくて良いと思います。
ミュージカルが観たくなってきました。舞台のです。 久しぶりにもう一度観たいな、と思う映画でした。
2003年05月06日(火) |
『三国志読本 北方三国志別巻』(他) |
【監修:北方謙三 角川ハルキ文庫】
北方氏のインタビューがメインのようです。 北方氏、雑誌などでもインタビューされてましたので、私は三国志に関するインタビューを読むのは3つ目です。
全巻読み終わってからこのインタビューは読んだ方がよいかと。 自画自賛の嵐、北方謙三恐るべし、という感じで。 まあ、小説中でもそういう雰囲気は感じましたし、言うだけのものは書上げておりますから、言っても許されるとは思いますが。 ソファにふんぞりかえって煙吐き出す北方氏の写真は必見かと。 おもろいおっさんだ。
全十三巻を二年で書いたこと、またその質も驚嘆すべきものがあると思います。 いけ好かない所も多々ありましたが。 それは好悪の問題ですし。 て、好悪以外でどうやって感想を言うんだよ。
三国志の時代の解説はなかなか面白いです。 官職と給与なんて資料が載っている本なんてそうそうないと思いますよ。
三国志通信はちゃんと目を通してないです。 もうちょっと弾けてくれればよいのに。
2003年05月05日(月) |
『三国志13 極北の星』(小) |
【北方謙三 角川ハルキ文庫】
終わり?
思わず大きくなるような終わりでした。 ばちょーさんが、しめるのですか。ほう。 泣く間もなかったように思います。
孔明vs司馬懿は常に孔明が精神的に余裕を保っているのですが、結局は生き残ったものが勝ち、なのが乱世。 危惧していた例のシーンですが、やはり・・・
ここまで侮辱されれば、いっそ快いほどである。もっと侮辱せよ。もっと苛め。
ええと、ちなみにこの日記の太字部分は本文の引用を表しています。今更ですが。 時々太字にするの忘れたり、強調で使ったりしますけれど。
孔明に女みたいな奴だと言う意味を込めて、女物の服を送られたシーンです。 ここだけ引っ張ってくると、誤解されますけれど、司馬懿はさすがに孔明と対峙する畏怖が快感になるほど変態さんではありません。 五丈原での対陣も山場を迎えて、司馬懿もぎりぎりのところまできているんですね。 まあ、マゾなんですけど。それでも。
孔明先生の魏延嫌いが徹底していただけに、孔明死後の魏延を北方がどう書くのか興味があったのですが、書いてはくれませんでした。 北方、魏延には興味を持ってくれなかったようです。残念。 姜維もどうなるのか気になるのですが。司馬懿ももちろん気になりますし。
北方の孔明は馬で駆け回るところが好きです。 吉川では孔明先生を、どうしても好きになれなかったんですよ。 それに戦場でも常に車に乗っていて悠然と退却していく。南蛮でもやるんです。無理だろう、と。 南蛮の土地で、車、多分馬車みたいなものでしょう、で進軍するのは地形として無謀だろうと。 他にも車で華麗に退却していくんですが、追撃もものともしないわけです。騎馬の追撃ですよ。やっぱり無理だろう、と。
孔明の死が、たった一人だけだったのがとても切ない。 あのシーンの後に、ひょっとしたら遺言があったのかもしれませんけれど、書かれていない以上、一人で逝ってしまったという風に読む方が正しいように思う。 北方の孔明は凄く好きだったなーと思います。
北方三国志は呂布がことさら言われますけれど、私はどちらかというと馬超の方が驚きが多かった。 すっかりパパになった馬超なんて、本当にびっくりですよ。 爰京がオリジナルキャラとは思えない活躍でありました。 孔明にまで針をうってましたよ。 でも、彼好きでしたが。
大作を一つ読み終えると毎回、魂が抜けるような虚脱感を抱きます。 ちょっと三国志をお休みしようかと。吉川→北方の流れはかなりきついものがありましたよ。 とか言いつつ、手元にはまだ三国志が・・・。
2003年05月04日(日) |
『新暗行御史5』『ぼくんち全』(漫) |
【漫画:梁慶一 原作:尹仁完 小学館サンデーGXコミックス】
常々気になっていたのですが、山道はあれだけの運動能力がありながら、筋肉がないように見えます。 腹なんて、割れていてしかるべきなのに。腕もぷにぷにしていそうです。 ということを、表紙の麻古と見比べてしみじみと思いました。 そして、そんな格好してりゃ風邪も引きますって。
今回、山道がわりとしゃべっていたような。 あんな格好ですが、可愛いので好きです。
+++++++++ 【西原理恵子 小学館ビックコミックス】
淡々としてるんですが、気が付くと涙ぐんでます。 『ぱじ』とはまた違った家族もの、です。 ねえちゃんがいいんですよ。
なぜか映画化、ということですが、どうなんでしょう。
2003年05月03日(土) |
『三国志12 霹靂の星』(小) |
【北方謙三 角川ハルキ文庫】
三国志である以上、誰のを読んだって、関羽は麦城でうたれるし、張飛は関羽の敵を討てずに死んでいくし、劉備は夷陵で負けるわけです。 曹操も含めて誰も己の志を果たすことはできずに死んでいく。 それをわかっていながら、どうして毎回毎回同じところで涙するのか。 三国志に魅了されたものの定めですかね。
慟哭の十二巻です。裏にそう書いてありました。 毎巻慟哭なんですが。 どうしましょう。
「老兵の花」 きました。趙雲の死です。子竜が逝ってしまいました。 「泣くな」 そう言われても、もう既にもっと前から泣いております。
言葉も出てきません。 別のシーンの話をしましょうか。
南蛮遠征の孔明はやはりどこか楽しそうであります。 諜略をしなくていいからなのか。 南蛮と言えば、趙雲、馬超、魏延という気がしますが、誰一人行きませんでした。 毒の泉とかもなかったですし、孟獲が「端整な顔立ち」と描写されていて、戸惑いましたよ。 そういえば、基本的に北方三国志はみんな男前なイメージがあります。
孔明が一人で、劉備との出会いを回想して、自分は殿に救ってもらったのだ、と悟る場面が切ないです。
黒主従の主の方がお亡くなりになりました。 司馬懿、それなりにショックらしい。 北方司馬懿のマゾっぷりに、なんとコメントしたらよいものか。
男が女を犯すように、犯されたいと思う。自分の躰に跨られ、顔に唾を吐きかけられながら交合する姿を想像するだけで、快感が背中を貫く。
し、司馬懿・・・。本物です。これさえなければ、北方司馬懿はかっこいいと思うのですが・・・・・・。 この先、孔明に女物の服を贈られて、激怒しながらも快感を覚える司馬懿が出てきたら本当にどうしよう。 そんな相手と戦っていれば、孔明も過労死してしまうのも無理がない、ように思えます。
いよいよ次が最終巻。切ないなぁ。今からすでに辛い気分です。
2003年05月02日(金) |
『ピンポン1〜9』(漫) |
【松本大洋 小学館ビックスピリットコミックス】
今頃、という感じですが。 これ読んだら、映画が観たくなりましたよ。 獅童くんのドラゴンが見たい。 窪塚洋介のペコも気になります。 どちらも好きな役者です。
私、ペコが主役なのかと思っていたのですが、スマイルの方だったのですね。 でも、そう言われてもやっぱりペコなんじゃないかなーと思ってます。 ペコ派、スマイル派、については敢えて言いませんが、私はスポーツものは王道の展開が好きです。 キャラもしかり。
スマイルは実際にいたら嫌な奴だ、と思います。 卓球をやめちゃっているあたりも嫌な奴だ、と思ってしまいますよ。
武士道精神を持つドラゴンとか、勝っている様を見なかったチャイナとかが気になりました。 ミスター小泉も好きでした。危ないおじさんだとは思いますが。
感想を述べるのが難しいタイプの漫画です。こういうのが困る。 面白かったし好きなのですが、伝えられない、と。 そのうち映画も観てみようと思います。
2003年05月01日(木) |
『三国志11 鬼宿の星』(小)『魔殺ノート退魔針 魔針胎動篇4』『TRIGUNMAXIMUM8』(漫) |
【北方謙三 角川ハルキ文庫】
劉備が・・・。
どこの誰が書いたものを読んでも、劉備の孔明への遺言が悲しくてなりません。
「私はおまえを、臣だと思ったことはない。友であった。いい友を持てて、幸福であった」 孔明に向かって友だなどと言う劉備は他にいないんじゃないでしょうか。 読み返すたびに涙が・・・。 章タイトルも「滅びの春」。このまま滅んで終わろう。三国志・・・。先に進むのが辛いから。
凄く悲しくて感想を書く気力が持てません・・・。 爰京に針をうってもらいましょうか。 ここで爰京が出てくるとはね。曹操に針を打ち、劉備にも打つ。ちょっと羨ましい。
孔明と劉備が再会してから劉備が死ぬまでの二人のやりとりがもうなんとも切ない。 もうこの後は劉備はいないんだな・・・。
「私の命は、殿でありました」 と言う孔明。 蜀軍を作ろうとしたのではなく、劉備軍を作りたかったんだと悟る趙雲。 それぞれの殿への愛の深さを知りました。
馬超はなんだかさっさと去っていったし。せめて劉備が生きている間はいてくれよ!と思わずにはおれませんでした。 勝手な奴め。一人だけ行動が三国志から浮いているぞ。馬超。
陸遜を恨む気にはなりません。 「私と一緒に、死んでくれ、凌統」 とまで思い詰められては恨めませんよ。本当にすごいこと言うよ。
ここから五丈原まで何を楽しみに読めばいいのか・・・。
++++++++ 【漫画:斎藤岬 原作:菊地秀行 幻冬社コミックス】
裏表紙で助手以上に色気振りまく大魔先生。けれど中には一コマもいない。 来栖君登場です。来栖君と真紀ちゃんのやりとりすきです。
次の巻は先生にがんばっていただきたいところ。
++++++++ 【内藤泰弘 少年画報社コミックス】
今度こそ、ウルフウッドが死んだと思ったよ・・・!!! タフでよかった。 ウルフウッドの少年時代が可愛いなーと思いつつ、誰も関西弁じゃないのになんで一人関西弁なのかが少々気になる所。 好きだからいいんですけど。土佐弁でも博多弁でもなんでも。
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