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2011年06月26日(日)
どこで誰と何をどんなふうにしていようと(2)










子どもの時、住んでた家がさ。もうないんだけど。
すぐ隣りに動物園があって窓から
時々キリンのアタマが見えた。
あれな。もういっかい見たい。見たいな。もうないけど。
金曜創作。土曜の怠惰。
木曜に何してたっけ。料理やってみようとしたっけ。
頑張ってみたんだっけ。
どうなっちゃうんだろう。ホントに。
考えない。
毎日違うヤツと話をする。二度は喋らない。そのほうが優しいことが多いから。
服を着なくちゃいけない時間。そろそろ。
恵比寿まで。
たいした用じゃない。でも電話、少し嬉しかったしな。
この時間の電車なら空いてんだろ。
指。ひらく。伸ばす。見つめる。意味ない。
天気いいみたいだ。
窓あけたいけど。中華屋の匂いが入ってきちゃうんだよなあ。

















2011年06月08日(水)
ぽんじり塩焼き







飛び散る脂よ
きみらを愛している
獣の瞳おぼしき艶やかな光源よ
肉体に備わるやはらかさ、イノチの真理は
すべてその輝きの中に無限を前提としながら
且つ内包されているのではあるまいか
言わずもがな、いや、知らん、がな
唇と舌との隙間に奥深くまで
垂れ落とされる秘密が濃くコク濃く
守られていればそれでよい

振りかかる塩よ
諸君らを愛している
或る者は飛び散り砕け
また或る者は境界を犯し浸透す
どちらでもよいのだよ我らは兄弟
深海にまで遡りさえすれば同義ですらある
おお、その海底に降り積もる雪、その静かさこそ
あらゆる拍動が最初に獲得する味覚ではないか
辛さとも酸っぱさとも違う
かすかな痛みを伴いながら

ぽんじりよ、尻たちよ
お前達を愛している
鉄板で踊る弾ける歯触りの弾丸よ
自身から沁み出た脂に浸され照らされ
とち狂い焼かれゆく可愛らしいふくらみ
だいたい、ぽんじりなのかぼんちりなのか
ぽんちりなのかぼんじりか
呼び名すら疑わしい曖昧な娘たち
ああ、尻、尻、尻を愛している、だって尻なんだもの

そして一缶の発泡酒(118円)よ
これら人生(晩飯)のステージに訪れる
いくつかの恋愛を踏まえてこそ
いまあなたを最も愛している
とぅるーう
らっぶ