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2008年03月10日(月)
不動産屋百景










お引越しに於いては残念ながら
恐らく不動産屋さんは敵でありんす
物件を決めてもらってこその手数料でござんす
契約が終われば頭を下げるのはこちらだけでやんす
個人的に以前、ひどい目に合わされたというからでなくて
敵だと思うくらいで良いはずなので
どんな笑顔も文句もその手練手管に見えてくるのでおます
少しでもいい物件、不動産屋にめぐり逢うために奔走すれば

黒光りしたマフィアのような不動産屋さん
百戦錬磨と顔に書いてあるような恰幅おばさまの不動産屋さん
ブランド服にネイルばっちりおねーさまな不動産屋さん
明らかに車が運転できないので
近場な徒歩圏でしか案内できないおばーさまな不動産屋さん
電話に夢中で客に気付かない不動産屋さん
間取り図を見せてもらってる後ろで苦情の電話が
何件もかかってきちゃって忙しそうな不動産屋さん
間取り図をまとめて持ってくるまで30分以上待たせてくれる不動産屋さん
とにかくゆっくり、わざとお客の時間を削ろうとしてるかのような不動産屋さん
お客がコンパスを持ってることを知らず方角を適当に言っちゃう不動産屋さん
お客や保証人の年収まで事前に知ろうとしつこくしちゃう不動産屋さん
お客のだした条件を次から次に無視しちゃう不動産屋さん
お客が貧乏そうに見えたか、一瞥してため息ついちゃう不動産屋さん
お客の電話番号を聞き出すのに、自分の名刺も渡したんだからと迫る不動産屋さん
外人さんのお客さんが入ってきて、つい自分もカタコトになっちゃう不動産屋さん
ついこの前まで分譲専門でしたって告白してくれた不動産屋さん
物件を見せるまえに申し込みさせちゃおうとしちゃう不動産屋さん
楽器の練習もしたいお客さんに木造でも大丈夫って言っちゃう不動産屋さん
すぐ近所のライバル店の悪口ばかり言っちゃう不動産屋さん
隣りにある大手店舗よりも相場を2万円ほど高く言っちゃう不動産屋さん
駅まで徒歩で50分はかかろうかという場所を
平気、全然歩けますと断言しちゃう不動産屋さん
スーパーの前を通り過ぎながら、
このへんのスーパー…確かどこかにあると思いますと教えてくれた不動産屋さん
申込書の年収の欄の7という数字を親切にも
えいって9に書き直しちゃった不動産屋さん
現地で管理会社のひとが来なくて、鍵が開かなくてとっても焦っちゃう不動産屋さん
現地でいいなー僕が住みたいな〜と繰り返しおっしゃる不動産屋さん
現地で間取り図とのあまりの違いについ無口になっちゃう不動産屋さん
RCと鉄骨との違いなんてなーんにもありませーんと言っちゃう不動産屋さん
RCって書いてあるけど壁は木っぽかったよと教えてくれた不動産屋さん
いまはうごく時期ですから早めに決めないと〜な不動産屋さん
もう何人もご案内してる物件なんで早めに決めないと〜な不動産屋さん
もうすぐネットに情報流しちゃうんで早めに決めないと〜な不動産屋さん
お客さんだけに教えちゃいます、この物件〜な不動産屋さん
店頭に張り出してある物件を、そんなのあったっけ〜??な不動産屋さん
ここの大家は僕、顔がききますよ〜えっへん、な不動産屋さん
とにかくどこへ行けども、もう何件か見て回られました?と大合唱の不動産屋さんたち

大手から細々とやってらっしゃるところまで
お見合いに次ぐお見合い
そのどの相手にも
おねだり、わがまま、意地っ張り
それでも頂けるたくさんのプロポーズを迷いに迷い
遂に印鑑を押したところで引越し先は無事に決定しまして

ネット環境が整うまで
ごっちゃ、サイトとも留守にいたします。
また近いうちにー。













2008年03月03日(月)
第一人称(3)










僕は誰にも似てない
僕は僕にも似ていない
僕を真四角にしておきたい
僕を真四角な箱のなかに
出来れば敷き詰めて並べておきたい
僕は面を持ちすぎて
僕は丸に近くなりすぎて
僕ごと転がりすぎてしまって
僕が僕を呼ぶあいだにもう
僕は僕を思い出さなくなって
僕はあたらしい僕になって
僕が毎日僕を映そうとしても
僕は目を閉じた僕しか見たことがないから
僕は誰にも似ていないから
僕には僕という意味が通じていないし
僕にはただしい表記も無く
僕は僕より良い嫌な奴で僕は僕より
僕に会ったことがないまま
僕との待ち合わせの場所まで来ても
僕がやって来たことに気付かないだろうし
僕がそれで寂しがったりもしないので
僕のことを平気で僕と呼んだりもする
僕を真四角な部屋に住まわせておきたい
僕はちょうどその形にふくらんで
僕は正しい真四角になって
僕は真四角なサイコロをつかって
僕を何度か振ってみる
ほら、またやっぱり出る目が僕で
僕は僕マス僕をすすめ
僕が出たので僕までもどり
僕は僕にあがりって言う
僕は僕におめでとうって言う