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2002年04月30日(火)
ほおづえ



いま、お昼の12時4分。
授業中に書いてます。(手帳に書き付けてる)

授業は「アートマネージメント」
1時間が過ぎて集中力もきれたところ。あふあふ。

白髪の先生は芸術文化の歴史をえんえんと話してる。
左側の女の子はお化粧してる。
右側の黒い服の男の子は携帯電話をいじってる。

すぐ前に座ってるミーキーマウスみたいな
髪をした女の子は頭をこっくりこっくり
机に置いてあるペットボトルにおでこをぶつけそうです。



2002年04月29日(月)
日和


祝日。(なんの日かは知らんけど)
あんまりなぐらいの天気。
犬は軒先で猫はクルマの上でこげくさくなってるいい天気。
ほんとは家でゆっくり休みたかったんだけれど
こんなに晴れてちゃ外にでないと気持ちがしずむ。

こういうときに行くのは自転車で20分ぐらいのおっきな公園。
久々で土を踏んでお散歩する。
ぽかぽかして、芝生のうえを子どもはころげまわってるし
夫婦はカラフルなビニールシートの上で寄り添ってるし
みんな遊んでるし、寝てるか笑ってる。

天国ってこういうところかしれないって
来るたんびに思いながら

公園を最初に作ったひとって
きっと街のなかに天国を作りたかったんだ
とか考えながら歩いてきた。



2002年04月26日(金)
世の中、男は、あまってる


バイトの女の子に
いわゆる「恋」の相談をうける。

それは寂しいという説も著しくあるが
なんでかわたくしは
いわゆる「そういう相談」をよくうけるほうだ。

こういうときは大概
相談しているほうは何か答えを求めたり
どっちにしたらいいか、と問うてくるものだが
実際はただ話しをきいてもらえば満足なことが多い。

だから、ふんふんふにゃふにゃ
決定的なことを言って差し上げないのだが
合わないのなら別れっちまえ。
楽しくないなら別れっちまえ。
疑ってるなら別れっちまえ。
世の中男性の数のほうが比が高いんじゃ。
でも・・・と言うぐらいなら我慢しろ。
そういえば
「なんでそんな不満だらけな男と結婚したんだい」
「・・・だって寒かったんだもん」
とかいう落語があったなあ

などとと心で思ってるわたくしは
相談相手にはきっと向いてないのだろう。

それに自分を振り返ったりすると
何も言ってあげられない。
まだ、好きだから。。。とか言われると
こっちまで泣けてくる。

そのくせ次に会ったりすると
仲直りしたらしく、幸せそうな笑顔。元気な声。


ホント。
いいかげんにせんと、耳かむぞ。。



2002年04月25日(木)
「1人で生まれて来たのだから」


「1人で働いて自分を養う一生
 THAT'S ALL それで終わり けっこうなことじゃないの
 誰とも関わらなければ 誰も傷つけない
 THE END それで終わり とても正しいことじゃないの

 ジャスミン もう帰りましょう 1人暮らしのあのアパートまで
 ジャスミン もう帰りましょう もとのひとりに すべて諦めて 」


         中島みゆき「1人で生まれて来たのだから」
                 アルバム「月ーWINGS」収録から

この歌が好きだと言ったら
そうじゃないでしょ、と言われた。

ひとりで生まれてきたんじゃなくて
おかあさんといっしょにチカラを合わせて
生まれてきたんでしょ?と言われた。


それはそうで
正しい見方だけど

そういうつもりじゃあなかったんだよ。




2002年04月22日(月)
karaoke?


カラオケいってないなあ。

「カラオケボックス」なるなにやらハイカラなものが
街に氾濫してからもう10年経ったかしらん。
わたくしが中学生の頃だったからなあ。
その頃には「わたし。。聞いてるから。。」
なんて歌うのをはずかしがる女の子は珍しくなかった。

ああっ。おっさん臭いなあ。もう。

とにかくわたくしども仲間内でのカラオケはひどい。
とにかく立つ。飲む。踊る。
これこれマイクうばいあうんじゃないよ。
いいじゃないのさ。そのまま歌えば。
ハモるなハモるな。サビにしてくれ。
だれだ。スティック取り出してるやつ。

「おら東京さいくだ」ではじまり
「私、祈ってます」に続き
その次が「なごり雪」
そして「マジンガーZ」

誰が締めるんだ。こんな空間。

こわすな。タンバリン。
こわすな。テレビ。
よっしゃ逃げろおー!







2002年04月21日(日)
三級


昔、お世話になったひとに会った。
「ほんにまあ、ちいさくなっちゃってー」
と、冗談で言うと
そのひとは「あなたが大きくなったんでしょう!」と
僕を見上げた。

子どもの頃に見たものと
いま見るものでは大きさが違う。
なにが違うって大きさがいちばん違う。

あの耳の後ろにまっすぐ腕をそろえて
飛び込み台に立っていた頃より
バイトに行く途中に見える小学校のプールは
ずっと狭くなってしまった。

三級は25メートル。
プールの端から端まで。

ずっと泳ぎきれない距離だった。




2002年04月18日(木)
「自衛隊に入ろう」

有事法制関連3法案とかゆうのが
とりだた・・・いや
とりさだ・・もとい、とりざば・・・

とにかく騒がれとるわけでして。

「みなさ〜んが〜たのな〜かに〜
 自衛隊にはいりたいひとは いーませーんかあ
 ひとはーたあげたいひとは いーませーんかあ
 自衛隊じゃ人材もっとめってます
 
 スポーツやりたい ひっといったら
 いーつでーも 自衛隊におこしください
 槍でーも鉄砲でーも なんでもありますよ
 とにか〜く からだが資本っです

 日本の平和を 守るためにゃー
 鉄砲やロケットが いりますよ
 アメリカさんにも 手伝ってもらい〜 
 悪ーいソ連や 中国をやっつけましょう

 自衛隊じゃ人材 求めてます
 年令学歴は 問いません
 祖国ーのた〜めなら どこまでも〜
 素直〜な人を 求めます

 じえっ じえ
 自衛隊に はいろー はいろー はいろー
 自衛隊にはいれーば この世は 天国
 おっとこの なかの おっとこ は みーんな
 自衛隊にはいって 花っと散る」
   
               高田渡「自衛隊に入ろう」 から 歌口調で

そんなニュースを見たので
こんな歌を思い出し、アタマからはなれず
コンビニでドリンク補充しながら歌ってましたとさ。

そだ。この歌。放送禁止歌なんだった。
ま、いっさ。だからどーした。




高田渡・・・フォークシンガー。
「三億円強奪事件の唄」がレコードデビュー。
劇団カクスコいわく「カビも逃げ出す高田渡」たー彼のこと。
69年のデビューだが、いまなおローカルシーンでのバリバリな現役である。
個人選択的代表曲に「コーヒーブルース」「おなじみの短い手紙」などなど。
その楽曲、滲みこむような声は圧倒的な存在感を見せつけ
「フォーク」「アコースティック」と呼ばれる音楽が再び注目されてしばらくの
現代の日本のミュージックシーンのなかで
改めて問い直したい歌い手のひとりである。





2002年04月17日(水)
すがりつく

昔からの友人に電話したら
下北沢のバーでひとりで飲んでるらしかった。

ビールをコップ半分飲むと顔が真っ赤になるやつだったから
少々、驚いた。

いっしょに飲むかー、と言うと
夜中にタクシー乗って来やがった。ち、金持ちめ。

ちいさなグラス2杯目で
「妥協だよ」と言う。

(恋)をしたり、なんて「妥協でできてる」と言う。顔真っ赤にして。

あー、やっぱりこいつ、いいな。と思った。
おまえみたいに前向きにはなれんかったよ。

「ちがうよーだ。」


その日はパタっとおんなじ布団で寝てもーた。
なんとも気恥ずかしい夜でしたな。

こんなところに書いたなんて知ったら、おこるかい?




2002年04月16日(火)
ぼんやり


今日は雨かな、なんて心配したけど
いい天気だったね。

何か悔しくってもいいぐらい
いい天気。

「昔のことなんかよ、忘れちまえ
 いまのおまえはいいやつだ」

前にみたドラマのセリフを思い出してました。



2002年04月14日(日)
人ではない


4月でした。
わたしは遅刻すれすれの時間に焦りながら
定期券を買う列の後ろから3番目にいました。

そこで突然
前にいた女のひとが倒れました。

最初は、頭がおかしいんだ、と思った。
なんでわたしを振り返って見るんだ、と思った。
目は虫でも追ってるみたいで
右から左へぐるっと視線を送って、そのまま
後ろに倒れてしまった。

足をおおきくひらいて
ごぼごぼ言って泡をふいて。

わたしはからだが動かなかった。
ただ、そのひとのからだの震えが止まってきたから
死んでしまった、としか思わなかった。
動かない。

離れたところでおばさんが気づいてくれて
駅員さんが走って来て、口のなかに
タオルをつめこんでくれたけど。

動かなくなったそのひとの横で
わたしはひとり分はやく定期券を買って
電車に間に合い

そのときに、なんでもいいから
人ではない何かになりたい、なんて
考えていたんです。







2002年04月12日(金)
「縁側」


「扇風機の ぬるい風
 うすい カルピスの味
 理科の問題を 解いてる 田舎の夏休み

 妹が隣りの 部屋で
 やたらと 騒いでる
 誰かがホームランか 二塁打を打ったのかな」
 

          こなかりゆ「縁側」 アルバム「riyu's album」収録 から
 


父の実家が山形にある。
町の中だが、少し歩けばすぐ
草むらで木造の駅で山道で川がジャージャーだ。

田舎の夏休み、といえば想像されるものを
どれぐらいの子ども達が体験するんだろう。

虫取り網や西瓜
底の見えないトイレ
だたっぴろい畳の部屋の、むかしばなしの匂い。
あっちこっちが少し怖くて、楽しいけれど
孤独だった夏休み

冬には
一階ぶんの高さまで雪が積もって
子ども達は2回の窓から雪の地面にとびこんだ。
近所の子たちは「はやく、はやく」と呼びつつも
「都会の子にはできないだろう」と
思ってただろうけど

僕は目をつぶって飛んだんだ。





こなかりゆ・・・テレビなど表立ったメディアに現れることは少ないが
現代のきら星のごとし異才をはなつシンガー。
詞にしても曲にしても、ふにゃふにゃしてかわいいものばかりだが
なにか飛びこえたような作品を書くひと。
インディーズ時代のデビューアルバム「HICCUPS」は
知る人ぞ知るメデスキ・マーチン&ウッドがバックを固めた。
個人的選択代表曲に
「BULLSHIT」「赤ちゃん火星に行く」「犬の気持ち」
「私の傑作」「エバンストンの夏」などなど。





2002年04月10日(水)
つづいてる


この映画の「2」がでちゃってがっかりだよ。
あそこで終わってちょうどよかったのに。
あれで終わったからよかったのに。

はい。ここでおしまい、っていうふうに
出来たらいいのに。
このお話はこれでおしまい、って。
視界が暗くなって。
音楽なんか流れちゃって。

時々そんなふうに思うのんさ。

でも、つづいちゃうんだよな。
つづいてなかったら、それはとても困るけど。
だから毎日
かっこわりーこと、わりーこと。



2002年04月06日(土)
青くっさいことかもしれませんが。



「あけましておめでとう」
「ありがとう」

「は・・・?」
みんなキョトっとした顔をしますね。
ま、いいけど。


以前わたくしは某焼肉屋さんでアルバイトをしていたことがあって。
厨房のなかの主にお皿洗い。
たまにカルビとかタンを並べて、ごまとかふりかけていたけど。
焼肉屋さんの店員の返事は
ご存知の通り「はい、よろこんで!」
おねがいしまーす、とお皿を積まれて「はい、よろこんで!」
オーダーはいってるよー、と呼ばれて「はい、よろこんで!」
金網をブラシでこすりながら「はい、よろこんで!」
声がちいさいぞー!と怒鳴られつつ「はい、よろこんで!」

バイトだしお仕事だし給料もらうためにしてるのだから
そゆのに何か言おうってわけじゃね、決してないんだ。

でも、それから某セブンイレブンのおにーさんになった。
そしたら「ありがとう」と言われてしまった。
レジを打って商品を渡して、ありがとう。
「もっと大きいので、このジュースある?」で、ありがとう。
「トイレどこですか」で、先ほどはありがとうございました。
ちっちゃい子どもにお菓子を手渡して、ありがとう。

うんうん。ありがとうって言ってもらえる仕事っていいな。
いつも店長に叱られてるダメダメな店員だけどさ。

そういえば
自分はお店のひととかに、「ありがとう」ってあんまり
言ったことなかった。

ファミレスのひとに
おなじくコンビニのひとに
宅配のひとに
駅員さんに
お医者さんにばっかりじゃなくて
「どーも」じゃなくて「ありがとー」。

キャンペーンでもはじめますかい?









2002年04月05日(金)
誕生日





ふたば関係者の皆々様方 各位


平成14年、わたくし ふたばは
誕生日を 拒否させていただきます。

ぱす わん。

そのため、わたくしは
来年も23歳とさせていただきますこと
よろしくお願いいたします。

草々。



2002年04月03日(水)
アマガエル


おじいちゃんに
パチンコ屋へ連れて行ってもらった。
おじいちゃんが
まだ生きてて、元気に歩きまわれた頃だから
わたしがまだ小学生の頃。

確か1000円、最初にもらって
遊んでおいでと言われたんだ。

周りは知らない大人たちで混んでて、席がなかったから
おじいちゃんとは離れた台に座って「パチンコ」というものをした。

いま考えると変な絵だな。
大人たちのタバコに挟まれて
小学生が、よく分かりもしないのに
ひとりでシャキシャキやってるんだもの。

でも楽しかった。
なんだかピカピカ光るのと時々、ザラザラって銀球が転がって出てくるのが。
けれど1000円なんてお金、パチンコでは
すぐなくなってしまう。
「あ〜あ、終わっちゃった」
「でも、いいや。またもらえばいいんだから」
「おじいちゃんはボクを可愛がってるし。きっとくれる」

じいちゃんは
わたしが近づいて、けれど何も言い出せずにもじもじしているのに気づくと
こちらを見ずに
「金が、ほしいか」とだけ言った。

彼は特に他意もなく言ったんだろう。
でもドキっした。
ひどく現実的に聞こえたような。
いちばん下の孫で、可愛がられるのが当たり前の
自分のそういうあさましさが見抜かれたような気がして。

わたしはそれで「ううん、もういい。」とだけ言って
じいちゃんの横でピカピカを見ていた。









2002年04月01日(月)
みんな、かわいらしく


ひとの気持ちが分かる時もある。
が、殆どは分からない。
分かったと思ってても、それはとても表面的なことだけだったり。

みんな、自分のことをどう思っていますかね。
どんなことに心苦しさをもちますかね。
自分のことを頭いいって思う?
自分のことをスケベだって思う?
他のひとと比べてみて、どう思う。
比べられることは多いでしょ。

これ以上なく親密なひとといても
やっぱりそのひとではないから

僕はすごく傲慢で
そんでもって臆病だなー。