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2012年05月07日(月) |
「(放射性物質の無毒化は)原理的にはできるということが分かっているのです。」←ものすごく重要なことです。 |
◆記事:2011年11月5日(土)、小出裕章氏がニコニコ生放送に出演し、寄せられた質問に答えました。
( http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65773837.html )
男性司会者:えーっと千葉県の男性から来てる質問なんですが。
放射性物質を中和したり消滅させたりするための研究はなされているのでしょうか。
えー莫大な予算を何百年とかければ時間をかければそのような技術が開発される可能性
というものはあるのでしょうか、という質問です。」
小出「はい。えー。人間が原子炉を作ったというのは1942年なんです。先の戦争中ですけれども。
えー米国という国が原爆を作りたくて。原爆を作るための材料……プルトニウムというものを作るために
原子炉を作ったのが初めてなんですね。
それからすでに70年経っているのですが。その原子炉を作った時から学者はみんな知っていた。
つまり原子炉を作ってしまえば核分裂生成物という放射能を作ってしまうと。
それを無毒化できなければ大変なことになるってことは知っていた。だから研究は始まっているのです。
えー、なんとか無毒化したいという研究が始まって70年きたのですが、できないのです。」
男性「研究はされてるけどまだできてない」
小出「そうです。原理的にはできるということが分かっているのです。
例えば中世という時代があって、いわゆる科学の場では中世というのは錬金術の時代だったのですね。
亜鉛を金に変えられないかとか、錫が銀にならないかとか、いうようなことをさんざん研究しました。
酸で溶かしてみたり、アルカリで溶かしてみたり、沈殿を作ってみたり、合金を作ってみたり、
もうこんなことまでやるかというようにもういろんなことをやった。そのいろんなことをやった結果が、
現在の化学、ケミストリーというのの、まあすべての基礎を作ったというほど立派な仕事をした、その中世の錬金術は。
しかし、錬金術は敗退したんですね。亜鉛は亜鉛で金にはならない。
錫は錫で銀にはならない。結局元素の変換はできないということで敗退したんですけれども。
実は錬金術は出来たのです。
なぜかといえばウランという、元素を核分裂させてしまえばもう様々な何百種類もの元素が、放射性物質が出来る。
量が少なくていいなら金だってできるし、白金だって出来るしって。錬金術できたんですよね。
ですから、ある元素、ある原子核を別の原子核に変える、別の元素に変えるということは、
原理的にはもう出来るということがわかった、のです。
ただしそれをやろうとすると、膨大なエネルギーが必要な、まあ産み出してしまった放射能を無毒化する
別の無害ということではないけどまあ害の少ない放射性核種に変換するという核変換ということが
原理的にはできるということが分かっているけれども。
それをやろうとすると膨大なエネルギーがまず必要になってしまう。
元々原子力発電ってのはエネルギーが欲しいということでやっているのですけれども、
原子力発電で出てきたエネルギーを全て投入しても、作ったものが消えないというんだったら
意味が無いということになってしまうわけだし。
もう1つの問題は無毒化しようとして、えー作業をすると逆に新たな放射性物質が生み出されてしまう
というそういう副次的な反応がどうしても避けられないということがあって。
実際上できないという壁を超えられないまま、こんにちまで来ているんです。
その壁は、とってもその高い……高くて厚い壁なので、これから超えられるというふうに私は、断言できないのですね。
でも超えたいと思うし、なんとかそういう核変換というような技術を手に入れて
私たちの世代で作ってしまった毒物を少しでも後世の人々に負担にならないようにしたいと思いますけれども。
なかなか難しそうだと思います。」
◆コメント:どれほど、難しかろうが、「放射能は絶対消えない」訳では無い、ということですね。
ニコニコ動画というのは、何となく性に合わなくて滅多に見ることがないが、迂闊だった。
上に転載した小出助教の発言はもう半年も前のものである。
読めば分かるけれども、小出助教の話を要約すると、
1.放射性物質の原子核を別のより害の少ない原子核に変えること、別の元素に変えることは可能だ。
2.しかし、その為には、膨大なエネルギーが必要になる。
3.放射性物質を無毒化する作業をすると別の放射性物質が生成されてしまう。
結論としては、原理的に放射能を無毒化することは出来るはずだが、実用化には、
ほど遠い。しかし、何とか、この、「核変換」という技術を開発したい、と
小出助教は言っている。
今までは、私は放射能は絶対に無効化、無毒化できないものだと思いこんでいたが、
絶対に不可能ではないことが、小出助教の話で分かった。
ただ、専門家から見て、はっきりいってまだかなり時間がかかりそうだし、
必ず核変換の技術を開発出来るとは断言できないというが、できるかも知れないということだ。
それなら、世界中の叡智を集めて、この技術の開発に従事させるべきだ。
財政赤字など増えてもいい。フランスの大統領が誰になろうが、ギリシャで行革反対勢力が台頭したとか
完全にどうでも良い。必要とならば、各国が紙幣を増刷したらいい。その結果インフレになっても構わない。
所詮、カネの話である。
放射能を無毒化する技術を開発できるか否かは、やや大袈裟に言えば、人類の命運の問題である。
各国は、この件に関しては、見栄もプライドもかなぐり捨ててそれぞれの優秀な人材が自由に協力し、
全能力、全てのエネルギーを投じて技術の開発を世界共通の最優先課題とするべきである。
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