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2008年12月12日(金) |
「<ビッグ3>救済廃案、破綻の瀬戸際に」←全くアメリカ人ってのは・・・・。 |
◆記事:<ビッグ3>救済廃案、破綻の瀬戸際に 日本企業も危機感(12月12日20時47分配信 毎日新聞)
米自動車大手3社(ビッグ3)の救済法案が廃案となり、ゼネラル・モーターズ(GM)などの経営破綻(はたん)の瀬戸際に追いつめられた。
破綻した場合の影響は大きく、12日の東京市場では廃案の報道が伝わっただけで急激な円高と株安が進んだ。
ビッグ3は、米国で20万人以上を雇用し、周辺産業を含め大量失業は免れそうにない。
ビッグ3に投融資する金融機関の経営不安にも波及し、金融危機がいっそう深刻化することも予想される。
救済法案のつなぎ融資は最大140億ドル(約1兆3000億円)で、GMとクライスラーが来年3月までの運転資金として求めた額。
法案が成立すれば、両社は当面、破綻を回避できるとみられていた。既にGMはスズキ株を売却するなど
「換金しやすいものは売り尽くした」(業界関係者)とされ、すぐにでも手元資金が底をつく可能性が高い。
ビッグ3は、ここ数年、経営不振でリストラ続きだったが、米国だけでもGMで約10万人、フォード・モーターで約8万人、
クライスラーで約5万人の従業員を抱える。破綻すれば従業員の大量解雇は避けられないうえ、
関連の部品メーカーや販売店の連鎖倒産も招きかねない。
「最初の1年間で300万人の雇用が失われる」(米自動車研究センター)との推計もある。
「1社の破綻を引き金に、自動車産業全体の生産がまひする」(国内大手首脳)との懸念も強い。
1台につき2万〜3万点の部品を使う自動車は1点でも部品が欠ければ生産はできない。
部品メーカーの大半は複数のメーカーと取引しており、
「部品メーカーが倒産すれば、手元資金に比較的余裕のあるフォードの生産まで止まり、連鎖破綻しかねない」
(日系部品メーカー幹部)との声もある。
連邦破産法11条が適用されれば、債権の多くが回収不能になる見通しだ。
9月末時点の債務超過額はGMで599億ドル(約5兆4000億円)、フォードで20億ドル(約1800億円)に上り、
大口債権者の金融機関には大きな痛手だ。GM系のGMACなど系列金融会社の経営まで揺らげば、
回収不能額は倍増しかねず「9月のリーマンショック以来の金融危機に陥りかねない」(エコノミスト)との指摘もある。
◆コメント:リーマン破綻に続く、超一大事です。
9月15日、リーマン・ブラザーズが破綻したときに、私は、
「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。
と、日記とブログに書いた。
リーマンを潰すとは正気の沙汰とは思われない。世界中がパニックになるぞ、という趣旨だった。
悪い予想が当たったところで、嬉しくないが、実際その通りになったでしょう?
アメリカ金融当局の判断ミスで世界中が迷惑している。
私は、この時の経験から、今度はさすがにアメリカの議会はビッグ3救済法案を可決するだろう、と思った。
アメリカの良心を信じた私がバカだった。またもや、アメリカは、世界経済に大打撃を与えるであろう、判断ミスをした。
ビッグ3救済法案は、下院は通過して、昨夜上院で討議された。すんなり可決されるか、怪しい、という話があり、
嫌な予感がした。残念ながら、予感が当たった。
◆ビッグ3のいずれかが潰れることが、何故、それほど問題なのか。
冒頭に長々と引用した記事には、日本企業にも影響があるかも知れない、と書いている。
どういうことか。
ビッグ3のうち、一社でも倒産すれば、関連の部品メーカーや販売店の連鎖倒産も招きかねない。
部品メーカーはビッグ3のうちのいずれかだけではなく、全てに部品を供給している。
日本の自動車メーカーの現法もこれらの部品メーカーから、部品を調達している。
部品の一つでも供給されなくなれば、自動車業界全体が、クルマの製造が不能になる。
日本の自動車メーカーは業績予想を下方修正し、何とかコストを減らそうとする。
コスト削減で手っ取り早いのは、人件費である。大規模なリストラが断行されるおそれがある。
日本車メーカーは、アメリカの不況、現地での生産の問題、日本の景気後退による売り上げ減少を理由に、
生産量を減らすだろう。すると大手自動車メーカーの下請けの中小企業の受注が減る。
邦銀は、あまりに景気が悪く、これらの企業にカネをかせない。金融庁は「貸し渋り目安箱」を作り、
銀行に対して、とにかくカネを貸せと圧力をかけているが、不良債権を抱えたときに散々社会から非難された
邦銀各行は、慈善事業のようにカネを貸すわけにはいかない。
中小企業の倒産が急増し、失業者が急増するだろう。
円高の影響。アメリカ経済はサブプライムローン問題をいまだに抱えているのに、
さらに、ビッグ3の倒産で百万人単位で失業者が生じると言われる。
そんな国の通貨=ドルを買うことは出来ない。為替市場では、ドル安円高が進行するだろう。
輸出企業は円高になれば、輸出を減らすし、為替差損が出る。
ますます、生産に抑制をかける。クルマのみならず、輸出関連株は週明けから暴落するだろう。
すると、各企業はまた、保有株式の含み損が出る。これが、企業の資本を浸食する。
経済活動は、ますます抑制され、負のスパイラルが生ずるであろう。
というわけで、本当にこれはヤバいのである。
人間、悪い話を聞いたり読んだりしても、「自分は何とかなるだろう」と考えたくなるが、
今度ばかりは、日本中の誰もが思いがけない苦境に立たされる可能性が出てきた。
アメリカという国は、リーマン破綻後、世界の金融市場の混乱を見た筈である。
今回の決定が、世界中に影響を及ぼすことも理解している人間は大勢いるはずだ。
それなのに、ビッグ3を潰すのか?
世界の迷惑を考えろ、アメリカの民間企業を税金で救済するべきではない、
などと悠長なことを言っている場合ではないのだ。
世間は、忘年会だ、クリスマスだ、正月間近だ、と騒いでいるが、
それどころではない、悲惨な年末になる可能性が高い。
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