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2004年12月12日(日) |
全国の公務員に冬のボーナス 昨冬より大幅アップ ←民間は必死に減らしているのだが。 |
◆全国の公務員に冬のボーナス 昨冬より大幅アップ
全国の公務員のほとんどに10日、冬のボーナス(期末・勤勉手当)が支給された。管理職を除く一般行政職の平均支給額は、国家公務員が昨冬より約6万2000円、10・1%多い約67万6000円(平均年齢34・5歳)で、地方公務員は約7万6000円、13・3%増の約64万9000円(同35・7歳)だった。
国の場合、ボーナスの年間支給月数自体は昨年と同じ4・4カ月。昨年の冬のボーナスは人事院勧告の月給引き下げなどの調整で減額させたため、昨冬に比べると大幅に増える形となった。地方公務員も同様の理由。
総務省の試算では、特別職の最高額は小泉純一郎首相と最高裁長官の約603万円。国務相は約440万円だが、内閣改造で在職期間が6カ月に満たない閣僚は減額される。衆参両院の議長は約511万円、国会議員は約305万円。
◆コメント:聖域無き構造改革なら、せめて前年同額にしなくては。
小泉さんは、「聖域無き構造改革」という言葉を好んで使うが、自分は全く痛みを感じないでそんなことを言っても駄目だ。
正直に言えば、本稿は、純粋に論理的である以前に、私個人の妬みが込められている。しかし、ねたみたくもなる。
民間は必死になって収益構造を改善している。例えば銀行は不良債権を減らし、事業法人はリストラを行った。私なんかボーナスなんて、バブル期の三分の一だ。
その結果、漸く少しだけ、景気が改善するかしないかと云うときに、国会議員が、305万円、なかんずく、内閣総理大臣が一番沢山貰っていてはだめだ。景気の良いときなら良いけれども。
◆「率先垂範」(伊藤忠商事、丹羽社長の場合)
以前にも書いたが、伊藤忠商事の丹羽社長は、業績低迷期のどん底で社長になり、収益の立て直しの重責を負った。
そのとき丹羽さんは、1年半無給で働き、天下の伊藤忠商事の社長ともあろう人が、満員電車で電車通勤をはじめた。
いまでは、勿論給料は貰っているが、電車通勤は続けている。
◆率先垂範(故・土光敏夫経団連会長、第二次臨時行政調整会会長、国鉄をJRにした人)
今は、国の借金が700兆円になっても、みんなあまりピンと来ないのか、妙におとなしいが、土光さんが、第二次臨時行政調整会の会長に就任した1981年(昭和56年)当時は、国債発行残高が今から見れば(物価上昇率を勘案しても)「わずか」82兆円で、「日本の国家財政は破綻する」という危機感があった。
それで、石川島播磨とか東芝を再建し、経団連会長もつとめた、もともとは造船屋でタービンの設計をしていたエンジニアである、土光敏夫さんに、行政改革案を考えてくれ、と、白羽の矢が立った。
土光さんは、猛烈に働くが私欲がなかった。
東芝を再建したときには、「職員は今までの3倍働け。役員は十倍働く」と云った。役員には、「お茶は自分で入れろ」と言い渡した。
その前の石川島播磨のときなどは、この日本有数の大会社の社長がみずから社内報を書いて、ガリ版で印刷させ、社員よりも先に会社に来て、出社してくる社員に独りずつ、そのビラを手渡しで配った。
そうなったら、みんな、働きますよ。
◆メザシと大根の葉っぱが夕食
臨調の会長になって翌年の1982年(昭和57年)7月23日のNHK特集で、「85歳の執念 行革の顔 土光敏夫」という番組が放送された。
日本有数の超大企業、石川島播磨、東芝の社長を歴任、経団連会長ともなったら、豪華な暮らしをしているだろう、人は想像しがちだが、とんでもなかった。
昭和10年に立てたという恐ろしく古く、失礼ながら貧相な二階建の家に老妻と二人で暮らしていた。
皆が慄然としたのは、あまりにも、質素な生活ぶりだった。夕食はメザシと大根の葉っぱと、梅干し。
朝食は、自家製ヨーグルトと少しの野菜。昼は役所の質素な食堂でカレーライス。
臨調会長に就任した当時の年収は、5千万円以上あったのだが、土光さんは、そのうち、3500万円以上を母親が創った「橘学園」という学校の経営に寄付していたのだ。
土光さんの母上、登美さんが、また、すごい人で、70歳を過ぎてから「戦争を起こさない人材を育てるには、女子教育をするしかない」と決意して、この学校を建てたのだそうで、経営が楽ではなかったらしい。
そのため、土光さんは、収入の殆どをこの学校に投じていた。
残った所得から更に税金を支払うとひと月の生活費が8万円。
繰り返すが、元・石川島播磨重工社長、元・東芝社長、経団連会長を務めた人が、個人的な事情があるとはいえ、これほど粗末な生活をしていたのである。
テレビを見ていた一般庶民にとって、もの凄い衝撃だった。整然と襟を正さざるを得なくなった。
番組が放送中から早くも感激したという電話がNHKに殺到した。
皆、「土光さんに総理大臣になって貰いたい」と素朴に思った。
私もこの番組は強烈に印象に残っている。ビデオなんかなかったけど、食卓の質素な様子は鮮明に脳裏に刻まれた。
◆要するに私欲がある人が上に立っても駄目なのだ。
伊藤忠の丹羽さんも、土光さんも、それぞれ、社長になって、あるいは臨調会長になって、得することは何もない。むしろ苦労する分だけ損なのである。
それでも引き受けるのは、私欲のために仕事をするのではないからだろう。
無論、全てのひとが、上に立つわけではなく、メザシと大根の葉っぱを食え、というわけではない。今はむしろ、個人消費が低迷して不況なのだから。
しかし、いやしくも、日本国の内閣総理大臣をつとめ、「聖域無き構造改革」などという言葉を口にする小泉さんは、丹羽さんや土光さんを見習ってもらいたい。
まず、トップが範を垂れないといけない、ということだ。朝日新聞の記事によると、小泉首相と閣僚はボーナスを自主的に一部返上したということだが、いくら返上したか分からない。
小泉さんは、独り暮らしで、他に収入源がありますよね?
ボーナスを貰ったらまるごと、新潟中越地震被災者(と、台風22,23号の被災者)に寄付するとかさ。そういうところを一度でも良いから見せて欲しいね。
フランス語で、そういうのを、ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)と云う。高い身分(身分制度は日本にありません。分かってます。揚げ足を取らないで)の人にはそれなりの義務が伴う。という意味だ。
小泉首相は今まで述べたことの正確に180度反対を向いているのだ。
私欲の塊。公の事など、本当は無関心。自分の地位に伴う義務、責任を自覚していない。
今日の毎日新聞によれば、小泉首相支持率が、就任以来初めて、4割を切って、30%台になったそうだ。このままでは、もっと下がるだろう。
2003年12月12日(金) 「「武装兵士輸送」を記載=イラク派遣実施要項−防衛庁」←シビリアン・コントロール不在
2002年12月12日(木) 1.業務上横領は懲役14年。逮捕監禁致傷の佐藤被告人には懲役11年。 2. 少子化が進む中、若い女性の性病感染が増加