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JIROの独断的日記
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2007年11月26日(月) 「薬害肝炎患者「責任転嫁の印象」聞き取り調査姿勢に不信感」役人の人生の目的は「責任から逃れること」と「天下り先の確保」なのさ。

◆記事:薬害肝炎患者「責任転嫁の印象」聞き取り調査姿勢に不信感(2007年11月26日22時35分 読売新聞)。

血液製剤「フィブリノゲン」によりC型肝炎に感染した疑いの強い418人の症例リストを

厚生労働省などが放置していた問題をきっかけに、薬害肝炎を巡る国の対応を検証している

厚労省の調査チーム(主査・西川京子副大臣)は26日、患者2人に聞き取りを行った。

対象となったのは、集団訴訟の原告である桑田智子さん(47)と出田妙子さん(49)。

聞き取り後、記者会見した2人は、「医療機関に責任転嫁しようとしている印象を受けた」と語り、チームの調査姿勢に不信感を募らせていた。

原告・弁護団によると、聞き取りは別々に約1時間ずつ実施。

事前に、〈1〉感染状況〈2〉当時の医師の説明〈3〉感染をいつどのように知ったか――

など6項目を示された上で、西川副大臣ら5人から質問があった。

桑田さんは、1986年に出産した病院ではフィブリノゲン投与や感染の告知はなく、

3か月後に体調が悪化したため自ら別の病院を受診して感染を知ったことなどを説明した。

桑田さんは「当時、国が問題を把握するのは難しい状況だったがそれでも告知すべきだったのかとか、

医者と患者が何でも言える関係でなかったからではないかといったことを聞かれ、責任を医師に押しつけようという意図を感じた」と話した。

出田さんは、リストを旧ミドリ十字(現田辺三菱製薬)が厚労省に提出した2002年当時、

インターフェロン治療の効果が現在の治療法に比べ不十分だったことを挙げ、

「02年に告知しても、あまり状況は変わらなかったのではないか」などと言われたという。

出田さんは「国の責任がないように話を持って行こうとするかのような質問が目立った」と印象を語った。


◆コメント:二人の患者の証言を元に断定するのは、本当は不適当なのだが・・・。

引用した読売の記事は、「薬害肝炎を巡る国の対応を検証している厚労省の調査チーム」の聞き取りを受けた

患者二人の証言をそのままウラ取りせずに事実として書いている。私も心情的には、患者の言うとおりだと思いたいが、

患者は被害者の立場であるから、元々厚労省に不信感を抱きながら調査を受けていたわけである。

薬害肝炎は国と患者との「揉め事」である。つまり患者は「揉め事」の当事者の一方である。

その一方の発言を鵜呑みにして記事を書くのは本当は、ジャーナリズムとしては正しくない。

では、どうするべきだったかというと、厚労省とも患者とも利害関係の無い、弁護士などの第三者が、証人として

聞き取り調査に同席し、患者が記者会見で述べたことに対して、「そのとおりです」と、証言することにより、

患者の記者会見での発言の信頼性が補強されるのである。

尤も、記事の中に

原告・弁護団によると、聞き取りは別々に約1時間ずつ実施。

という部分があるから、或いは弁護士が本当に同席していた可能性があるのだが、記事からは分からない。

そのような細部をきちんと書かないと、客観性のある記事にならないのである。


◆とはいうものの・・・・。

前段では、厳密に、「絶対中立・公正無私」な報道のあるべき姿を書いた。

しかし、私は「ぶっちゃけ」て書くならば、厚労省の調査チームの態度は、多分患者2人が述べた通りだったのだろうと

考えている。これは経験則に基づく推論である。

薬害肝炎事件で、厚労省の役人は肝炎に感染した可能性がある患者のリストを20年も握っていた。

薬害エイズにおいても、非加熱血液製剤を使われた患者がHIVに感染する可能性を認識しながらだまっていた。

これが役人の典型的行動パターン、「可能な限り、責任逃れを試みる」なのだ。

調査チームのトップ、西川京子副大臣の記者会見の模様をテレビで映していた。

あーでもない、こーでもない。のらりくらりと質問をかわしていた。あれこそ「ヤクニン」という人種である。

西川京子氏は衆議院議員だが、今は厚生労働副大臣だから、

行政府に身を置いている。ヤクニンの親玉の一人である。

色々と問題が起きるとヤクニンが国会に参考人として呼ばれるが、

「私が責任を取ります」という言葉をヤクニンから聞いたためしがない。当然である。

責任から逃れることこそ、ヤクニンの第一の行動規範である。あとは、御存知、「天下り先の確保」。

彼らはこの二つを人生の目的とする人種といっても過言ではない。

ヤクニンの発言を聞くときは、これをよく心して耳を傾けねばならぬ。情けない話だ。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その11)交響曲第三番「英雄」第三楽章スケルツォ

二番でも第三楽章はスケルツォでした。「英雄」のスケルツォは大変スケールが大きい。

最初、モソモソとうごいていた音が、急に大きく膨らみます。スピード感がありながらずっしりとした重みがあります。

中間にホルンの三重奏があります。これも大きな魅力です。この演奏で一番ホルンを吹いているのは、以前ここで書いたことがありますが、

元・N響の千葉馨さんです。エキストラで呼ばれているのに一番ホルンを吹いています。本当にホルンを吹くのがお好きなのでしょう。

それではどうぞ。


ダウンロード BeethovenSymphonyNo3Scherzo.mp3 (6447.3K)


最後、ティンパニのピアニッシモから段々オーケストラ全体がクレッシェンドして、気持のよい総奏で決まりますね。

私はこの楽章が大変好きです。皆さん、如何でしたか?

それでは、また明日。

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2006年11月26日(日) 「公費出張 『四男は問題ない』石原都知事」←どこが問題か説明します。
2005年11月26日(土) 「バイオリニストは肩が凝る」(鶴我裕子 NHK交響楽団第1バイオリン奏者 著)←面白すぎる。
2004年11月26日(金) 「自衛隊が活動する所が『非戦闘地域』」←ならば、イラク全土に自衛隊を派遣したら、その瞬間にイラクから戦闘地域が無くなるのですね?
2003年11月26日(水) <自衛隊イラク派遣>「状況を見極めて判断」小泉首相←人間が何かするときは大抵「状況を見極めて判断」するのではないでしょうか?
2002年11月26日(火) 「暴力酔客」は即告訴、JR東日本が方針。 大いに結構。

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