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2007年05月22日(火) |
「<情報管理>年1回以上の個人面談を定期的に実施 防衛省」「ミサイル防衛情報も流出」←「面談」で情報漏洩を防げるの? |
◆記事1:<情報管理>年1回以上の個人面談を定期的に実施 防衛省
防衛省は21日、同省全職員と全自衛隊員を対象にした情報管理に関する個人面談を、年1回以上定期的に実施することを決めた。
自衛隊の内部情報流出が相次いでいることを重視した対応。
今月1日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意した「軍事情報に関する一般保全協定」(GSOMIA)の締結に向け、
情報保全強化の姿勢を示す狙いがある。
今年に入り、ファイル交換ソフト「ウィニー」による陸上自衛隊の情報流出や、
海上自衛隊のイージス艦情報持ち出しが発覚した。衝撃を受けた久間章生防衛相が今月中旬、
省内に文書で異例の「定期面談作戦」を指示した。
相次ぐ情報漏えいを受け、米政府には日本政府に対する不信感が生まれており、
そうした空気によってGSOMIA締結合意が浮上した経緯がある。防衛省は定期面談で情報管理の徹底をはかりたい考えだ。
今年の面談は今月中に開始する。職員、隊員に直属の上司らが情報保全を確約させるほか、
他の同僚が不正を行っていないかの聞き取りも行う。
防衛省は昨年2月、海自情報がウィニーを介して流出した際も緊急面談を行ったが、
パソコンの取り扱いなどの簡単な質問だけだったうえ、後に虚偽回答も判明。
このため、面談を定期化するとともに、
久間防衛相が(1)申告をうのみにしない
(2)全人格を傾注して指導する――などを具体的に指示している。
ただ、省内には「虚偽申告の調査には限界がある」(幹部)など、
早くも実効性を疑問視する声も出ている。(5月22日3時4分配信 毎日新聞)
◆記事2:ミサイル防衛情報も流出 イージス漏えい事件
最高レベルの「特別防衛秘密」に該当するイージス艦情報が海上自衛隊内に流出、拡散した事件で、
米国が弾道ミサイル防衛(MD)用に開発した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)などの最新の中枢情報も流出していたことが、
21日までの神奈川県警と海自警務隊の捜査で分かった。
米海軍はずさんな情報管理に強い衝撃を受け、海自に厳重抗議。
県警などは、一連の流出は海自のプログラム業務隊(現開発隊群)=神奈川県横須賀市=が作成した資料が持ち出され、
第1術科学校(広島県江田島市)を舞台に学生らに広がったと判断しており、立件に向けて徹底的な捜査を進める。
SM3は年内に海自イージス護衛艦への配備が始まるが、今後の捜査の進展によってはMD体制の構築に大きな影響が出る可能性が出てきた。
(2007年05月22日 2:06 【共同通信】)
◆コメント:防衛省には、「システム管理担当者」や「コンプライアンス(法令遵守)オフィサー」がいないのではないか。
どうも、世の中は事の重大性を良く分かっていないようだ。
日本は、四隻のイージス艦を保有している。一隻を建造するのに要する費用は1,300億円である。
無論、その費用は、私たちが納めた血税で賄われている。
イージス艦は世界でもアメリカ、日本ほか数カ国しか持っていない、世界最高峰の防空システムを持った船である。
レーダーがカバーする範囲は数百キロに及び、抜群の情報収集能力と、一度にミサイルが10発飛んできても
一度に対処できる(打ち落とせる)というすごい性能を持った艦である。だから、4隻で、日本中を監視出来るのである。
つまり、国の「個別的自衛権」の確保の為にも最も重要な、要(かなめ)である。
◆ご丁寧にも、「ミサイル防衛情報」も流出させてしまったのだそうだ。
イージス艦情報漏洩だけでも一大事だが、北朝鮮などが弾道ミサイルを日本を目標として撃ったときに、
これを迎撃するミサイルを作ろうというのが迎撃ミサイルだが、これはまだ開発中の「超極秘情報」のはずだ。
それがいとも簡単に流出してしまった。
イージス艦と迎撃ミサイルの情報がウィニーで流出した、ということは、日本の防衛システムの一番大事な事を
世界中に公開してしまったわけである。一般人が見てもなんのことかわからないだろうが、世界中の軍事・国防関係者は、
あまりのことにあきれかえっているのではないか。
あきれるだけならまだしも、イージス艦情報は、自衛官が「わいせつ写真」の交換をしているときに、それらと一緒に漏れたのである。
はっきり言って、日本は世界中の笑いものになっているに違いない。
「笑いもの」だけではすまない。
イージス艦情報、迎撃ミサイル情報ともに、最も知られてはならぬ北朝鮮や中国にも当然知られてしまった、と考えるべきだ。
極論すれば、現在の日本は殆ど丸腰(武器を持たないこと)でいるのと同じだ。
◆自衛官全員と1年に1回面談すると情報漏洩がなくなるのだそうだ。
この「定期面談作戦」を指示したのは久間防衛相らしい。
何が「作戦」だ。バカ。何をするかと思ったら、
職員、隊員に直属の上司らが情報保全を確約させるほか、他の同僚が不正を行っていないかの聞き取りも行う。
そこで、
「情報を洩らしていないか?」
「洩らしていません」
「洩らしては、いかんぞ?」
「ハイ。洩らしません」
と、1年に1回やると、情報漏洩がなくなるのだそうだ。有難き幸せである。
◆防衛省職員の約束など当てにならん。システムの問題はシステマティックに処理しろ。
今の防衛省がどんなに厳しく「情報管理」を命じても、今までの「実績」から判断すると、このままでは、
自衛官からの情報流出は続くだろう。
こういうことは、システム管理、コンプライアンス(法令遵守)の専門家が対処しないと、ダメだ。
つまり、システム的、物理的に情報漏洩させることが出来ない体制を作るのだ。
大手の民間企業は皆やっている。
ほんの一例を挙げるならば、登録されていない(多くは私物だろう)パソコンが自衛隊のLANに接続出来ないようにする。
役所が支給した(昨年、当時の「防衛庁」は、なんと、職員に私物PCを使用させないため、五万六千台のDellのパソコンを
購入して職員に貸与したはずだ。無論、「税金で」買ったのである)パソコンに、
あらゆる外部記憶装置の接続を排除するソフト(そういうものが現実に、とっくの昔から存在する)をインストールする。
アンチ・ウィルスソフトは当然として、定期的にウィニーがインストールされていないか点検する(たしか、これもソフトがあるはず)。
職員のインターネットへの接続を監視する。外部へのメールは全て検閲する。憲法は検閲を禁じているが、
国を守る使命を担う役所が、あまりにも杜撰な情報管理をしているのだから、例外的に許されるべきだ。
役所のパソコンから、掲示板、ブログ、など、書き込みのできるサイトへのアクセス制限を行う。
◆改憲し、集団的自衛権行使を可能にしてもアメリカから断られるだろうね。
前段で述べたことは、何処の会社でも(民間なら)「常識」だ。
安倍首相は、憲法を改正し、こんな初歩的な対策さえ講じられない自衛隊を「軍隊」(自衛軍)にして、
集団的自衛権行使を可能にし、アメリカが戦争をしたら、「何かお手伝いいたしましょうか」
とやりたくて仕方がないのだが、記事2に書いてあるとおり、先方は今回の情報流出にカンカンである。
「こんな国(日本)と下手に軍事情報を共有したら、いつ、世界中に筒抜けになるか分からん」
というわけだ。
集団的自衛権どころではない。
先に述べたとおり、イージス艦と迎撃ミサイル情報が洩れる、ということは、国民の生命を守る
「個別的自衛権」すら、実質的に行使不可能ではないか。
安倍晋三内閣総理大臣、久間防衛大臣。
あのね、面接している場合じゃないのです。システム管理の専門家を登用してください。
イージス艦4隻建造費、5,200億円もの血税をドブに捨てたも同然ですぞ。
そんな無駄金を使って、他方では社会保障費を切り詰め「障害者自立支援法」をつくり、このため、
障害者を抱える家庭が心中する悲惨な例があることを今週の「週刊現代」が報じている。
安倍さん。貴方の頭の中の「美しさ」とはどういう概念なのかね?
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