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2007年02月14日(水) |
「核臨時停止で重油100万t」北朝鮮が勝手な解釈←共同文書白紙に戻す。安保理でもう一度制裁決議案を動議したら? |
◆記事:「核臨時停止で重油100万t」北朝鮮が勝手な解釈
【ソウル=平野真一】北京で開かれていた6か国協議で13日に採択された共同文書について、
北朝鮮が同日、自らに都合のいい一方的な解釈を打ち出し、早くも履行に暗雲が差している。
共同文書は、北朝鮮が核放棄に向けた措置を取らない限り、大量なエネルギー支援を得られない仕組みになっているが、
北朝鮮は核施設を「臨時」に停止しただけで100万トン供与の合意を取り付けたと主張しているためだ。
北朝鮮が支援規模に文句をつけ、合意を履行しないための布石でないかとの見方が出ている。
共同文書は、北朝鮮が核放棄に向けて取るべき措置を2段階にわけ、
〈1〉60日以内に核施設の活動停止・封印と、国際原子力機関(IAEA)による監視・検証を受け入れれば、他の国は重油5万トンを支援
〈2〉さらに核計画を完全に申告し全施設を使用不能にすれば、最大95万トンを支援する――
としている。 (2月14日21時55分配信 読売新聞)
◆コメント:だから、(北に)甘いところを見せちゃダメなんですな。
昨日、6カ国協議で合意した文書がある。それは、どのような内容だったかというと、
北朝鮮は初期段階措置として寧辺の核施設を停止・封印し、国際原子力機関(IAEA)の監視・査察を受け入れる見返りに、各国は60日以内に5万トンの重油に相当するエネルギー援助を実施。
従って、本当に北朝鮮が読売新聞の記事に書かれているようなことを言っているのならば、甘やかしてはいけないのである。
共同声明、合意文書は、いわば国家同士の契約(書)でり、この「契約」では北朝鮮は、
「核施設を停止・封印し、IAEA(国際原子力機関=国連の組織の一つ)の査察を受け入れる」
「債務」を負うのである。北朝鮮がそれを実行するつもりはないというのならば、
北朝鮮は契約を破棄した、と、考えられる。そう見なされても仕方がない。
だから、6カ国協議の他の当事国は、その債務
「(北に対して)60日以内に5万トンの重油を提供する」
ことを履行する法的責任は消滅したと考えるべきである。
◆北は「核」だけがよりどころなのだから、普通の条件では、手放す筈がないのだ。
北朝鮮なんてのは、国力(GDP)で見たら日本の200分の1しかない。
ホントならば一捻りで潰せる、吹けば飛ぶような弱小国で、わが国に「タメ口」をきくことすらおこがましい。
ところが世界の歴史を読むと分かるが、こういう「弱い国」は外交が上手い。上手いというと褒めているようで癪だから、書き直すが、「悪知恵が働く」のである。
何とか知恵を絞らないと、他国に潰されてしまうからである。
北朝鮮が、国民が200万人も(餓死)しているのに、必死で覚醒剤を密輸したりしてカネを集め、核兵器の開発をするのは、
あの戦争好きのアメリカでさえ、核兵器を持っている国を攻撃したことがない、という歴史的事実を知っているからだ。
特に、まずいことに、核兵器を持っていなかったイラクがアメリカにより無茶苦茶にされるのを、首領様ははっきり見てしまった。だから、
「これ(核)を手放したら、終わりだ」というわけで、昨年7月にはいきなりミサイルを発射し、
10月には核実験を行った(のであろう、ということになっている)。それにより、
「本当に(核を)持っているんだぞ?分かったか?」
と、「示威行動」をしたのである。
◆10月に国連安全保障理事会は全会一致で「制裁」を決議したが、甘すぎたようだ。
国連安保理は、昨年、日本時間10月15日午前2時45分、全会一致で北朝鮮に対して、
国連憲章第7章「平和への脅威」第41条「非軍事的措置」を行う決議を採択した。
その骨子は、
一、国連憲章第7章に基づき行動し、第41条の下で措置
一、北朝鮮にすべての核兵器、核開発計画の完全かつ検証可能な形での廃棄を義務付け
一、北朝鮮への核、ミサイル関連物資やぜいたく品の禁輸
一、北朝鮮の核、ミサイル、大量破壊兵器の開発に関与した法人・個人の金融資産凍結
一、北朝鮮の核、ミサイル、大量破壊兵器計画に関与する人物の入国阻止
一、必要なら北朝鮮に出入りする貨物検査を含む協調行動
という内容である。
これでも採決するまでに随分外交官たちは頑張った筈だ。常任理事国が拒否権を発動したら、
一発で、白紙になってしまうのだから。
しかし、これを見ると、要するに北朝鮮に対して、核兵器を捨てろ、といい、北朝鮮がこれ以上核兵器を開発出来ない(或いはやりにくく)する程度が目的である。
捨てなかったら軍事的に移行するぞ、とは言えない。
それでは、捨てろと言われても捨てるわけがない。
◆こうなったら、エネルギーと食料を禁輸
これほど、北朝鮮にナメられるのは、思い切った措置に出ないからで、常任理事国の中国とロシアが如何にも邪魔だが、死ぬ気で同意させるしかない。
つまり、非軍事的措置で、食い物を一切北朝鮮に売らない。
首領様も取り巻きたちも国民を餓死させておきながら平気なのは、自分は腹一杯に美味いものを食えるからだ。
多少は蓄えがあるだろうが、食料を禁輸すれば、いずれ無くなる。
ここから先は、真面目な話、決して国民には公にされないような、諜報の世界だろう。
私にも分からないが、プロのアジテーター(民衆が蜂起するように扇動する工作員)を送り込む、など、色々なことをやるらしい。
これは、フリーマントルや、フレデリック・フォーサイス(「ジャッカルの日の著者)の読み過ぎではない。
私が学生時代に国際政治学を教わった教授が、元国家機関にいた方で、それとなく教えてくださったのである。
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