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JIROの独断的日記
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2006年11月21日(火) 20年前の今日、伊豆大島・三原山が噴火したのですね。「電子ブック」あれこれ

◆1986(昭和61)年11月21日三原山噴火

先週書いた、「生体肝移植」は鮮明に記憶していたが、

三原山噴火はNHKオンラインで知った。

左上、ニュースの部分に緑色で「焦点のニュース」というのがある。そこに書いてあった。

昨日の日記でNHKのプロジェクトXは大変優れた番組であるという意味のことを書いた。

ご存知の通り、プロジェクトXの番組は終わったが、本になって出版されている。

紙の本(本当はこれが一番読みやすいのだが)は、単行本を新刊で買うと1,700円ぐらいする。

ところが、電子書籍の電子書籍の本屋さん Space Townブックスでは、

NHK出版文庫 プロジェクトXとして、1話一巻(1ファイル)、税込み105円で買える。

ブンコビューアーというソフトでなければ読めないが、これは無料で、PC用、PDA用、携帯用のソフトがそれぞれ、ダウンロードできる。

私でもできるのだから、誰でもできる。



「三原山大噴火、全島民避難」も、プロジェクトXで取り上げられ、従って本(電子書籍)になっている。

1986年の今日、三原山が噴火してから、島民1万人を全員無事避難させるまでの、劇的な様子が簡潔に綴られている。

あまり書くと差し障りがあるから、少しだけ内容を紹介する。

噴火自体は同年11月15日から小規模のものが始まっていた。

伊豆大島は観光が主な産業だから、最初は島民も観光客が来ると喜んでいたが、21日の大噴火はなんと、500年ぶりの大噴火だった。

溶岩が流れてくるだけではなくて、マグマが固まってできる火山弾は大きいものになると、重さが50キロもある。

勿論人が直撃を受ければひとたまりもない。そして、実際、人の住むところまで、火山弾は飛んできた。

老人が多く住む村への道が壊れ、バスが通れなくなり、消防団の若者が、担いで運んだ。



島民全員、1万人が島を脱出することになったが、それには船が足りない。

千葉や新島、伊豆半島から「三原山大噴火」を聞きつけて漁船が助けに来た。勿論まだまだ足りない。

本来、八丈島、三宅島に向う民間会社「東海汽船」の定期船をなんとか大島に回して貰えないか、頼むことにした。

そのためには、八丈島町長、三宅島村長の承諾が要る。二人とも一も二も無く快諾した。



溶岩が流れ出て、1200人の人が住む島の中心の町へ近づく。歩いていては間に合わない。

島のバス38台と慣れた運転手38人を集めた。運転手たちに避難したいものはしても一向に構わない、と村役場が言った。

爆発は山頂だけではない。往復している間に爆発に巻き込まれる可能性は十分にあった。

運転手は誰も逃げず、結果的には幸い誰も犠牲にならなかった。



まだまだ、エピソードはあるが、このぐらいにしよう。

とにかく、この小さい「本」を読むと、「電子書籍」であることを忘れ、人間の善意と勇気と責任感に感動する。


◆「窓の杜」に毎日、電子書籍新刊が載っているのを知っていますか?

窓の杜が毎日(平日)に発行しているメルマガを購読している人は多いとおもうが、あれに電子書籍新刊情報が載っているのは、見落としているのではないか。

「青空文庫」と「パピレス」と「e-Book Japan」の新刊が、代わる代わる載っている。



先日、プロの音楽家になるということは、並大抵のことではありません。(その2)で、

N響の首席オーボエ奏者茂木さんの著書、「オーケストラは素敵だ」の一部を引用した。

全く偶然だが、その翌日、窓の杜 - アップデート情報(電子書籍新刊情報(パピレス)) 11月13日で、

茂木さんの「はみだしオケマン挑戦記 オーボエ吹きの苛酷なる夢」が新刊で出ていた。

これは、茂木さんの3巻目の本だと思い、その前の「続・オーケストラは素敵だ」があるはずだと考え探したら、ありましたね。

オーケストラは素敵だ オーボエ吹きの修行帖 が。

「続」と書いてないが、内容は間違い無く、紙の本の「続・オーケストラは素敵だ」に相当する。

一作目は、散々師匠にしごかれる話だったが、この本は、一般の我々が知らない、オーケストラの「オーディション」の話がメインだ。

茂木さんご自身がシュトゥットガルト・フィルなどのオーディションを受けた時の様子が面白く、しかも克明に綴られていて、

誤解を恐れずに書くならば、あたかも私のために書かれた本のようであった。



これはたまたま、パピレスだったが、青空文庫も、又、極めて興味深い。

フランス革命の研究家で既に亡くなられた京大の桑原武夫という偉い先生がおられた

(私は予備校で先生の特別講義を伺って、本当の「学者」とは、こういう人のことを言うのだ、と妙にはっきりと確信したのを覚えている)。

桑原武夫先生の御尊父、桑原隲蔵(くわばらじつぞう)氏もまた学者だが東洋学で、すこし研究対象が変っていることは知っていた。

それを電子文庫で、しかも「青空文庫」で見つけるとは思わなかった。

「支那人の食人肉風習」(しなじんのしょくじんにくふうしゅう)というのである。

これ、紹介するか否か迷ったのですがね。純粋に学問的に書かれた本であるから紹介した。

存在は知っていたが、まさか、ネットで発見するとは思わなかった。

リンクを敢えて貼らない。図書カード番号は4270である。

読むなら、真面目に読まないといけませんね。第一、難しいよ。


◆青空文庫がDVDになった本を知っていますか。

青空文庫は図書館であり、誰でも無料で利用できると言ってくれるが

私は、たまに本の一部を抜粋する為に、キーボードから入力することがあり、それだけでも結構大変なのである。

ましてや、本を一冊丸ごと入力する(青空文庫では、このボランティアを「工作員」というが)のは、大変な労力だ。

これは感謝しないといけないな、と思っていた。
幸い、Amazonで、インターネット図書館 青空文庫という本を見つけた。

本といってもメインは付属のDVDである。この中に文学作品が、なんと4843本(ごく短い作品もあるが)も収録されている。

勿論、これらは全部、一冊ずつ「工作員」が打ち込んだものだ。

本そのものの内容では、なんといっても、「工作員」の体験記が興味深い。

これだけ大変なことを楽しんでおられるのに感心し、忝なく思う。

DVDに収録された情報量を考えれば、1,500円は信じられないほど、安い。

他人様がどうするかは勿論自由だが、私は買った。感謝の意味も込めて。

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