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2006年10月16日(月) |
プロの音楽家になる、ということは、並大抵のことではありません。 |
◆大人げないのは百も承知ですが。
のだめカンタービレというマンガが随分売れているそうですね。
今日からドラマでやっているそうですね。見ませんでした。
皆さんおたのしみのようです。プロのクラシックの音楽家まで、面白がって読んでいるそうです。
音大生も、喜んでいる人がいるようです。
だから、私のごとき、素人が余計な口出しをするべきではない、ということを、理屈では理解しようとするのですが、
あのマンガの表紙だか、広告だかに、「こんなに笑えるクラシック音楽があったのか」という文字を見たとき、
自分が子どもの頃から、愛してきたものを冒涜されたようで、悲しい、という感情を覚えました。
それは、怒りへと転化しました。
もう、この件についてはくどくど言わないようにしますので、一回だけ書かせてください。
笑えるクラシック音楽など、存在しないっ!
どうも失礼しました。
音楽家になるということは、どういうことか。
ベートーベンの「エグモント序曲」のライブ録音をアップします。
◆これは、プロではありません。
あまり、オーケストラになじみのない方が聴いたら、何も言わなければ、プロの演奏だ、と言われても不思議に思わないでしょう。
実際は、これは某音楽大学付属高校(音高=おんこう、などといいます)の器楽専攻学生によって編成されたオーケストラです。
どの楽器を聴いても、技術的には、もう、できあがっています。
特にオーケストラで、一番大事な弦楽器。第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス。
どのセクションも半数は1年生、15歳か16歳です。それで、もう立派なオーケストラの音がします。
それでも、これから何年も研鑽を積むのです。そして、それでもプロになれるかどうかは、分からない。そういう世界です。
今までアップした音楽では一番長い。でも10分はかかりませんから、ちょっと我慢して聴いて下さい。
曲の終盤に向って、音楽が爆発します。ベートーベンの、音楽に対する火のような情熱、が感じられます。
◆良いティンパニです。女の子です。
どの楽器もいいのですが、トランペットもティンパニも女の学生さんなのです。
音楽の世界ほど、男女平等の世界は無いのではないでしょうか。上手ければ、男でも女でも良いのです。
特に、このティンパニは、良いティンパニ奏者だと思います。
少なくとも私は好きです。
オーケストラの中でティンパニが如何に響くべきかということが分かっていると思います。
やや音が堅いのは、堅めのマレット(バチ)を使っているからです。
エグモントは、この音で良いと思います。
繰り返しますが、プロの音楽家になるということは、高校生で、既に技術はできあがっているような人が、
さらに、何年も一心不乱に勉強して、初めて、なれるか、なれないか、ということなのです。
ちゃらちゃら、放課後話をしている人はあまりいないと思います。まあ、ドラマはそれではストーリーにならないから、
仕方がないですね。
◆パリ音楽院について。
あと、もうひとつだけ。マンガそのものをよんだわけではなく(お断りしておきますが、マンガそのものに偏見はありません)、
ウィキペディアで調べたのですが主人公は、
パリ音楽院(コンセルヴァトアール)のピアノ科に留学しているとか・・・。
コンセルヴァトアールのピアノ科ですか。
ここはすごいですよ。作者はわかっているのだろうか・・・。
つまりですね。年中幾度となく試験(勿論実技)があります。
ピアノの学生の審査でも、技術だけを見ないように、
審査員の先生は、弦楽器や、管楽器や、作曲科など、いろいろな分野から、都度選ばれます。
学生の「音楽」そのものを評価するためです。
ある学生が、ある試験で、採点が80点だったとしましょう。次のテストで、また、80点だったとしましょう。
どうなるとおもいますか?
退学です。
何故か?向上していないから。
岩城宏之さんが実際に取材したそうですから、本当でしょう。
だから、「パリ音楽院で学ぶ」と経歴に書いてある人は多いけれども、
「パリ音楽院卒」は滅多にいないのですね(他の楽器は、知りません)。
まあ、そういうことです。
これ以上書くと、険悪なムードになりますので。筆を置きます。
音楽を専攻する高校生のオーケストラの演奏で、ベートーベン作曲「エグモント序曲」をどうぞお聴き下さい。
エンピツをお読みの方は、こちらから、どうぞ。
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