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2005年09月01日(木) |
特殊法人の無駄遣いを正す為に郵便局を民営化するなら、年金は何故民営化しないのか(解説シリーズ3) |
◆小泉純一郎ほど、公約を破って平然としている政治家も珍しい
小泉純一郎氏ほど、公約を次々と破る人も珍しい。
2001年4月、小泉純一郎氏が首相に就任したときの公約には、すくなくとも、
(1)靖国神社にはいかなる反対があっても、8月15日に参拝する。
(2)ペイオフは予定通り、2003年度から実行する。
(3)国債発行枠30兆円を超えない
が含まれていた。
国民全員が認識している(かどうか怪しいが)とおり、小泉首相は、全ての公約を守らなかった。
どうして、最初の公約を全部破った人間が、今度は公約を守るだろう、と皆さん考えるのだろうか?
◆昨年の参院選時の「小泉改革宣言」には、「年金制度の抜本的改革」が最重要項目の一つだった。
「小泉改革宣言」には、
「年金、医療、介護について、少子高齢化社会の下、若者と高齢者が支え合う、公平で持続可能な制度を構築する。年金制度は基礎年金の国庫負担部分を二分の一に引き揚げる」
とある。
国庫負担分が増えれば、国民が支払う、保険料掛け金は軽くなるはずである。
しかし、参院選後、小泉首相が云いだした年金改革法案は、全然、違った。
国庫負担の引き上げは無かった。
その代わりに、サラリーマンの年金保険料は2割引き上げられて、受給額は3割削減された。
今現在46歳以下の人が年金を受け取る頃には、払い込んだ年金保険料の累計額よりも、受け取る年金額の方が少なくなる。
少子高齢化で年金保険料を引き上げざるを得ないのならば、そのように、合理的に説明するべきだ。
負担を軽くすると公約しておいて、選挙が終わったら、負担を重くする。
これでは、詐欺だ。
◆公務員共済、国会議員年金は、そのままなのは不公平だ。
サラリーマンの年金(厚生年金)負担は重くなるのに、公務員共済は保険料はサラリーマンと同じなのに、受け取る金額はサラリーマンより2割ほど、多い。
これも「改革する」と、小泉首相は云っていたのに、手つかず。
国民に一層重い負担を課すのであれば、まず、国会議員から範を垂れるべきだ。
私は2年半前から、国会議員年金を廃止(普通の国民と同じ、国民年金に加入すればいい。議員年金はおそろしく優遇されている)するべきだと主張しており、昨年の参院選前、一度小泉首相もそれを口に出したのだが、やはり、身内から反対にあったのか、自分も欲しいのだろう。いつの間にかうやむやにした。
そして、昨年、次から次に、年金未納国会議員が発覚して、現役閣僚も多く含まれていた。 あの連中は、その後、未納分を支払ったのか、私は報告を読んだり聞いたりした覚えはない。
「年金制度の抜本的改革」を標榜するのであれば、そのけじめもきちんとつけるべきだ。
◆年金は何故民営化しないのか?
小泉首相によれば、郵政民営化の目的の一つは、道路公団などが郵貯のカネを無駄遣いするから、郵貯を民営化して「官」から切り離すのだということである。
その(まやかしの)論理については、一昨日の日記で解説したので、よろしければ、お読み頂きたい。
一昨日は、説明がややこしくなるので書かなかったが、道路公団などの特殊法人に資金を貸していた大蔵省の資金運用部が使った金は、郵貯簡保だけはない。
社会保険庁に入る年金保険料(掛け金)もまた、莫大な財源であった。
公的機関(郵貯・簡保)から特殊法人への資金の流れを遮断するというのが本気ならば、当然、社会保険庁も民営化されるべきである。
しかも、言語道断なのは、社会保険庁に集まった金は、特殊法人に流れるだけではない。
我々が納める年金掛け金は、社会保険庁の職員のマンション建設費、様々な娯楽施設の建設費、公用車の購入代金、社会保険庁職員やその家族がつかうスポーツクラブの会費、職員が観るミュージカルのチケット、職員専用ゴルフ練習場のボールにまで流用されていたのだ。
その額は昨年6月、民主党のながつま昭議員が国会で暴いたが、実に5兆6千億円というとてつもない金額なのである。
このことが暴露された後、社会保険庁改革を唱え、民間人が長官に任命されたが、年金掛け金の流用が完全になくなった証拠は無い。
リンクしたページをご覧頂くと分かるが、当時の坂口厚生労働大臣が自ら申告したのであるから、間違いなかろう。というか、実際にはもっと多いはずだ。
◆郵政民営化が構造改革の入り口というが、道路公団、年金、結局変らないじゃないか。
道路公団の新しい社長はみんな、今の各道路公団の横滑りだ。
将来、年金財源が足りなくなるから、といって、昨年、年金改革法案を強行採決して、その法律に基づき、今度の選挙後の10月からは、年金保険料をまた値上げされるのである。
年金保険料(掛け金)が6兆円近くも、他の目的に流用されるのを放置しておきながら、財源不足だから、国民に負担させるとは何事か。
とにかく、小泉は、約束を必ず破るのである。
衆議院は、解散がなければ、この先4年間の任期があるが、首相は来年9月で任期が切れる。
公約なんて、全く当てにならない。
とにかく、この男だけは、一刻も早く権力の座から引きずり下ろさないと、まずい。
2004年09月01日(水) 30年前、丸の内でテロがあった。
2003年09月01日(月) 「東証大引け・大幅続伸で年初来高値 」 ←バカ 「小泉首相の「再選支持」が66%」もうだめだね、日本は。