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2005年08月16日(火) |
郵政民営化の是非を問う選挙なんて、バカな選挙があるか。自衛隊はいつまでイラクに置いておくのだ。 |
◆小泉首相は、アジテーション(扇動)は天才的だ。
小泉首相は、衆議院を解散して、今度の選挙は、郵政民営化の是非を問う選挙だ、という。
しかし、不思議なことに、自民党のサイトにアクセスして、「小泉改革宣言」という部分を見ても、「官から民へ」という箇所に挙げられているのは道路公団の事ばかりで、郵便局の事など書いていない。
今回の選挙では、郵政が最も大事なことではない。
郵便局の事などよりも、前回の国政選挙から、いや、2001年に小泉純一郎氏が内閣総理大臣になってから、今まで、どれだけのことをしたのかというすべてを総合的に判断するべきなのだ。
郵便局というのは、巨額の資金を国民から預かっているが、別に倒産寸前でも何でもなく、黒字であり、郵便配達に致命的破綻が生じているわけではない。優先順位は低い事なのだ。
小泉首相の巧みな話術(巧みというのかねえ・・・)に騙されてはいけない。
首相は「イラク復興支援特別措置法」における「非戦闘地域」の定義も言えないくせに、こういう国民を煙に巻くことにかけては、天才的である。
参議院で郵政法案が否決されたら衆議院を解散して、「今度の選挙は郵政民営化に関し、民意を問う選挙だ」とか、短い言葉で言うから、一般大衆には分かりやすい。
だから、皆、すぐ騙されて、支持率が上昇する。
◆サマワに陸上自衛隊がいまだに駐留する必然性は如何に。
イラクにいる自衛隊と言うと、まず、サマワの陸上自衛隊を指すほどである。その陸上自衛隊も一体どういう活動をしているのか、良く分からない。
分からないのも無理はなく、日本のマスコミでサマワに常駐している者は一人もいない。
バグダッドで、海外のメディアが報道していることを聞いて、日本にレポートすることもあるが、大体の情報は、なんと、市ヶ谷の防衛庁の建物の中で発表されたことを記者が聞いて、そのまま記事にしている。
太平洋戦争中の「大本営発表」そのままではないか。
ところで、先週、サマワでは大暴動が起きたという。
民衆が暴動を起こしただけでは、「戦闘地域」とは言えないだろうが、果たして、いつまでも、陸上自衛隊を駐留させておく意味があるのか、小泉首相の説明が聞きたい。
サマワの宿営地を造るのに、344億円の税金が使われているし、サマワに駐留する500人の自衛官には、何の責任もないが、彼らには1日2万5千円の特別手当が支払われている。
危険な場所にいるのだから当然だという議論もあるが、そもそもそんな危険な場所で、イラク人でも出来る給水事業とか、土木工事を続ける必然性があるのか、甚だ疑問である。
◆航空自衛隊のことが全く伝わってこないのは何故か?
結論から言うと、憲法に違反しているからである。
イラク復興支援特別措置法で規定された自衛隊の仕事は二つ。
一つ目は、「人道支援活動」。これは、陸上自衛隊がやっている、給水作業、土木工事、医療援助。
二つ目は安全確保活動。これは、米英軍を支援すること。
具体的には、クウェートから、航空自衛隊の輸送機が米英軍の物資をイラク各地の米軍基地に運んでいる。
交戦中の米国の兵站(武器・食料などの補給)を担当することは、「後方支援活動であり」、後方支援活動無くしてアメリカの武力行使はあり得ないのだから、日本は交戦中の同盟国に対して集団的自衛権の行使を行っていることになり、これは、憲法に違反しているという重大な事実である。
これほど、重大な事実をマスコミも野党も何故追及しないのか?何をボヤボヤしとるのだ。
素人の私ですら、それぐらいのことは分かるのだから、ブンヤ(新聞記者、転じてマスコミ一般をさす)が知らないわけはないのに。
念のため、何故、私が航空自衛隊が米英軍の武器を運んでいる、と断言できるか、また、この件に関し、事前に首相は何と発言していたかを示す。
◆小泉純一郎内閣総理大臣は、武器弾薬の輸送は行わない、とはっきり述べた。
首相官邸のサイトには、いまでも、自衛隊のイラク派遣を閣議決定した、2003年12月9日の記者会見の一問一答がはっきり記録されている。
小泉内閣総理大臣記者会見[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について]というページの最後のほうにある、 記者の質問と、首相の答弁を読んで下さい。
【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。
【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。
【質問】 行わない。
【小泉総理】 行いません。
【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。
【小泉総理】 そうです。
【質問】 そういうことですか。
【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです
◆記事:武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める(2004年4月8日共同通信)
【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。
イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。
津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。
これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。(共同通信)[4月8日13時26分更新]
◆コメント:小泉純一郎君は、このように、簡単に約束を破るのです。
上に引用した質疑応答と、共同通信の記事を比べれば、明らかでしょう。これを、ウソと言わずして、何というのか?
私は、小泉首相は平気で公約を破る政治家なのに、何故、皆さんそのことを簡単に忘れてしまうのか、と思う。
国債残高30兆円を超えないといいつつ、小泉首相になってから、100兆円も残高が増えた。
首相は、これを「これぐらいの公約違反は大したことではない」といって、平然としていた。
イラク戦争が始まった時に、いち早く米国の行動を支持したのは小泉首相だが、その理由は、「イラクが大量破壊兵器を持っているから」、であった。
その後、アメリカは、イラクが大量破壊兵器を保有している証拠を全く持っていない事が分かった。
小泉首相は、それでも「今でも、イラク戦争は正しかったと思っている、と答弁した」
大量破壊兵器を理由に戦争を始めて、それがウソだったのに、なお支持するとは、筋が通らぬ。
◆衆院選で考えるべき事
今度の選挙で郵政民営化を少しは考慮に入れても良いが(これも、随分無理があることは、今後順次書くつもりである)、それよりも、小泉首相が首相在任期間中に、如何に平気な顔でウソをついたり、公約を破ったかということに対する審判が下されるべきだと思われる。
2004年08月16日(月) 「4―6月期GDP、実質年率1.7%成長」 名目GDPはマイナスだぞ。 小泉・竹中、責任取れ。
2003年08月16日(土) 「 アメリカと日本は150年もの間、素晴らしい同盟関係を結んでいます。」(ジョージ・ブッシュ)