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2004年08月16日(月) |
「4―6月期GDP、実質年率1.7%成長」 名目GDPはマイナスだぞ。 小泉・竹中、責任取れ。 |
◆記事:「4―6月期GDP、実質年率1.7%成長」
内閣府が13日発表した4―6月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影 響を除いた実質で前期比0.4%増、年率換算で1.7%増となった。5四半期連続の プラス成長を維持したものの、増加率は前期の年率6.6%から減速。景気回復を けん引してきた設備投資の伸びが鈍化したのが響いた。名目GDPは前期比0.3 %減、年率1.3%減で、5四半期ぶりのマイナス成長となった。 寄与度をみると、実質で前期比0.4%の伸び率のうち、外需が0.3%分、内需が 0.1%分を押し上げた。内需の寄与度が外需を下回るのは5四半期ぶりで、外需が景気を下支えしている格好だ。
◆コメント:景気回復はウソ。後退していると云っても良い。
オリンピック騒ぎで、国民の目は全然このニュースに向けられていないが、実は大変なことなのだ。4月-6月期の実質GDP成長率は、前評判では年率換算4%台になるだろうと云われていたのに、実際は、年率換算1.7%めまいがするほど悪い数字だった。このショックは大きく、週明けの東証で株価は大きく下がった。
そして、日経は巧みに騒ぎにならないように、コソっと記事の中で触れているだけだが、名目GDPは年率マイナス1.3%。名目がマイナスになっているというのは大変なことだ。ものの値段が上がっていない。つまりデフレから脱却していない。小泉政権が誕生したときにすでに問題化していた、デフレ不況は全く改善していないといっていい。
◆GDPというのは
GDPは1年に日本国内で生産した財・サービスの生産量の合計である。名目GDPというのは、生産量にそのときの物価を掛けたものである。要するに我々が生活で実感している売上量とかものの値段である。
これに対して実質GDPというのは、名目GDPを物価上昇分で割ったもの(正しくはGDPデフレーターという指数を使って計算する)。何故、こんな事をするかというと、これは経済がインフレの時に意味をなす。
インフレで、物の値段が上がっているときには、生産量が同じでも、かりに、全ての物の価格が2倍になれば、GDPは2倍になる。
これでは、生産量が増加しているかどうか分からない。経済活動が拡大しているとはいえない。だから、物価上昇分を差し引いて、実質GNPの数値を経済観測の判断の際に重視するのだ。
◆「改革無くして、回復なし」だと? 改革したら、回復しなくなってしまったじゃないか!
ところが、今は、デフレです。物の値段が下がったきり、物価は上がらない。だから、実質GDPよりも、実際にものの値段が上がって、売り上げが上がることが大事なのだ。名目GDPに着目すべきなのだ。
そして、とんでもないことに、名目GDPは、13日に発表された統計では、マイナスになっている。実質がプラスなのに、名目がマイナスだと云うことは、ものの値段があがらず、実際の企業の売り上げ、収益などが改善していない。ということなのである。
小泉・竹中コンビは、デフレ下で「構造改革無くして、回復なし」といい、不良債権を無理矢理回収させ、企業がリストラをせざるを得ないような環境を作り出し、その結果、経済は縮小再生産をおこしている。
不良債権が減っているのは事実だ。しかし、全然、景気が回復していないこと、すなわち、小泉政権の経済政策は完全に誤っていたことを、今回のGDPの数値は端的に表している。特に名目GDPが5四半期ぶりにマイナス成長になった、という点に着目するべきだ。折角回復しかけていた景気が、また失速しつつあるということである。
竹中の金融庁がメガバンクに検査にはいり、黒字の企業まで不良債権にしてしまい、(何と、ダイエーまでつぶそうとしているのだ!)その結果、景気回復の芽を摘んでしまっているのだ。
今般、UFJは三菱東京と統合する前にさらに一層の不良債権削減を、金融庁から求められている。竹中は、もともと、経済学の大先生であるから、専門的な言葉を用いて、国民を煙に巻くのはたやすいことであろうが、国民は真実を見誤ってはいけない。
結論的に繰り返すと、小泉・竹中に任せておくと、景気が回復しないばかりか、潰れなくても良い企業までもつぶされ、失業者が増え、自殺者が増え、不幸な国民が増えるだろう。
2003年08月16日(土) 「 アメリカと日本は150年もの間、素晴らしい同盟関係を結んでいます。」(ジョージ・ブッシュ)