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2005年07月27日(水) |
「ディスカバリー上昇時に外部燃料タンクから破片脱落か」 コロンビアが空中分解した原因と同じじゃないか。 |
◆記事:「ディスカバリー上昇時に外部燃料タンクから破片脱落か」
[ケープカナベラル(米フロリダ州) 26日 ロイター] 米航空宇宙局(NASA)は26日、スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げに成功したが、ビデオ検証で、上昇時に外部燃料タンクの断熱材から破片がはがれ落ちていた可能性があることが分かった。2003年には外部燃料タンクの断熱材崩落が、「コロンビア」が空中分解する原因になった。
落下物は上昇時のシャトルにはぶつかっていないもようだが、飛行担当責任者によると、技術者らは31日までに、シャトルが破損したかどうかや、乗組員による修理が必要かどうかについて把握したい考えを示した。 (ロイター) - 7月27日19時45分更新
◆コメント:いい加減な仕事をするな。
冗談じゃないよ。
2003年にコロンビアが空中分解したときの状況と同じだ。
あの前後の様子は、偶々だが、良く覚えている。
2003年2月1日は、テレビ放送開始50周年だというので、NHKが一日ぶっ通しの大特別編成で放送を行ったのだった。
南極の昭和基地からの初めての衛星中継をやるというのが、一大イベントで、南極の位置の関係上、衛星放送に電波を届かせるためには、南極に設置した、送信用のアンテナの角度を非常に高い精度でセッティングしなければならない、とNHKは盛んに技術を誇っていた。
南極生中継は兎にも角にも成功して、実にクリアな画像を見ることが出来た。
NHKのスタジオには、南極には直接関係ないのだが、放送開始50周年にふさわしいゲストが大勢呼ばれていて、その中に毛利衛さんがいたのである。
その南極中継ではニコニコ笑っていた毛利さんが、翌朝、真っ赤に泣きはらした目で再びテレビに映ろうとは想像だにしなかった。
日本時間の2月1日の晩、着陸まであと少しだったスペースシャトル「コロンビア」は大気圏再突入後、断熱材が破損していたために、熱に耐えきれなくて空中分解したのだった。
あと、僅か、16分で着陸だった。16分機体が持ちこたえれば、全員生還できたのだった。
あまりにも、酷い最期であった。
コロンビアに日本人は乗ってはいなかったものの、乗っていた宇宙飛行士は、全員毛利衛さんのNASAの同僚で、家族ぐるみのつきあいをしている人たちばかりだったのだ。
毛利さんは葬儀に参列するため、あわただしく、アメリカへ発った。
私はその時のことを毛利衛さんの悲しみという文章に書いた。
◆コメント2:「コロンビア」事故調査報告書が生かされていない。
今回の「ディスカバリー」は、当初、日本時間7月14日午前4時50分に打ち上げられる予定だったが、打ち上げ直前、液体水素燃料の残量を検知するためのセンサーに異常が見つかり、打ち上げ中止となった。
燃料センサーそのものは、ごく大雑把にいうなら、自動車のガソリンメーターのようなもので、これが異常だからといって、機体が空中分解したり、爆発する直接的な原因になるものではない。
それにしても、燃料センサーの異常の原因が不明のまま打ち上げるという、その「不徹底な仕事」が気になった。
2003年のコロンビアの事故調査委員会は、「安全よりもスケジュールを優先する安易な姿勢」が大惨事に結びついたという点を厳しく指弾した。
それから、僅かに二年半しかたっていないのに、また、同じことを繰り返している。
そうしたら、何とも嫌な話で、断熱タイルが打ち上げ時に脱落したかも知れないという。 一体、世界に冠たるNASAの仕事はどうなってしまったのか。
◆コメント3:何故、急いで打ち上げなければならなかったか?
NASAがスペースシャトルの打ち上げを焦るのは、ブッシュのお達しがあるからなのだ。
コロンビアが空中分解するまでは、スペースシャトルの1回の打ち上げに要する費用は500億円だった。
ところが、コロンビアの事故以来、安全対策を徹底したため、1回の打ち上げ費用が約800億円になった。
ブッシュはサイエンスなんか良く分からないくせに、「次は火星、そして、(アポロに続いてもう一度)月探査だ」という宇宙開発政策をぶち上げている。
勿論ブレーンの誰かに聴いたことをそのまま言っているだけだ。 ブッシュ自身はもしかすると、太陽系の惑星を全部言えないのではないか、と思われる。
いずれにせよ、そういう背景がある。
火星、月に宇宙戦略を方向転換するために、NASAは大統領から「カネのかかるスペースシャトルは2010年までに終わりにしろ」とせっつかれているのだ。
そういわれても、スペースシャトルは国際宇宙ステーションの建設に関わっているのだ。そして宇宙ステーション計画は大幅に遅れている。
勢い、NASAは、2010年のタイムリミットまでに出来るだけ何回もシャトルを打ち上げる必要がある。
それが、今回のようなずさんな打ち上げの一因である。
しかしながら、月や火星に一刻も早くという主張には、科学的必然性はない。まずは、乗員の安全を最優先課題に据えるべきなのは、言うまでもない。
ジョージ・ブッシュは、政治家としてのステータスを上げるために、宇宙開発を利用しようとしているだけである。
くどいようだが、あの、アホのブッシュが「宇宙の神秘」に思いをはせているということは、天地がひっくり返っても、あり得ない。
政治家の野心のために、宇宙飛行士の生命がより大きい危険に晒されているのである。
このような世の中は間違っている。
2004年07月27日(火) 「UFJと三菱東京の統合交渉、差し止め仮処分決定」竹中さん、大変なことになりましたね。
2003年07月27日(日) 「自衛隊を派遣し、憲法の枠内での活動をするのは、論理的帰結である。」←大新聞のバカさ加減