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JIROの独断的日記
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2005年07月01日(金) 「大企業製造業の景況感、3期ぶり改善・日銀短観」←デフレが止まらなければ、何にもならない。

◆記事1:大企業製造業の景況感、3期ぶり改善・日銀短観(日経)

 

日銀が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で、企業の景況感を表す業況判断指数(DI)は大企業製造業がプラス18と前回の3月調査に比べて4ポイント上昇した。3四半期ぶりの改善となり、市場予想を上回った。生産拡大のカギを握るIT(情報技術)関連の在庫調整が終結しつつあり、景気の「踊り場」脱却への動きがうかがわれた。ただ、9月までの先行きはプラス17と1ポイントの小幅悪化を見込んでいる。 業況判断指数は景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。


◆コメント:短観てやたら大騒ぎするのですが、民間企業の「予想」であって、実態を反映するものではないのです。

 

日本経済新聞は、その名の通り、日本で唯一の経済専門紙(新聞)で、ほとんどのサラリーマンは毎朝これを読む訳です。

 しかし、必ずしも記事の質が高いわけではない。

 特に、経済指標が発表されると、本質的なところをわざと避けて、まるで、大本営発表みたいに、政府の機嫌をとるような記事の書き方をする。



 日銀短観の説明は上の記事の中にあるとおり、企業が、これから景気は良くなると見ている人と、悪くなる、或いは変わらない、と見ている人のどちらが多いか、という「アンケート」結果に過ぎないのです。短観が示す予想通りに景気が変化する保証は何処にもない。

 しかし、3ヶ月に一度、「短観」が発表されると、マスコミは非常に騒ぎます。

 いろいろな会社に日銀がアンケートを取るのですが、その中でも、大企業製造業の意見が特に重視されるのは、、少々IT産業が台頭してきた今日でも、やはり、圧倒的に、経済活動に影響するのは、製造業だからです。

 製造業がずっと日本経済を牽引してきたし、今もそうであることは、間違いがない。

 モノを作って、国内でどんどん売る。或いは輸出して儲かる、ということが日本の経済成長の基本です。

 中でも自動車製造業の生産が増えて、商品が売れるようになれば、下請け企業が儲かる。下請けの下請けも儲かる。

 しかし、所詮、「アンケート」です。それに、ある企業が「景気が良くなると思う」とみているといっても、確たる理論的根拠を説明するわけではない。なんとなく、そう思う、というだけです。

 だから、「短観」を強調するのは、あまり意味が無いと、私は考えています。

 それよりも、景気の実態を直接的に表す数字が、今日、発表されました。


◆記事2:<消費者物価>5年9カ月連続のマイナス 総務省

 

 総務省が1日発表した東京都区部の6月の消費者物価指数によると、価格変動の激しい生鮮食品を除く総合指数(中旬速報値)は前年同月比0.4%下落の97.0で、5年9カ月連続のマイナスだった。前月比では0.1%の下落。電気代や固定電話通信料などの下落が物価水準を押し下げ、デフレが続いていることを示した。 (毎日新聞) - 7月1日10時40分更新


◆コメント2:デフレ不況なのに、一向に克服されていない。マスコミもこの点を深く追及しない。

 

 今日は、他にも、失業率とか、サラリーマンの消費支出など、いくつかの「経済指標」と呼ばれる数字が政府から発表されましたが、なんといっても、「消費者物価指数」に一番注目するべきなのです。

 日本は何と、10年以上もモノやサービスの価格が下がり続ける、デフレーションに苦しんでいます。

 モノの値段があがらないということは、モノを作っている会社の売り上げが増えない。当然儲けが増えない。

 そのため、従業員の給料を減らす。そうすると、家計は消費を控えて、モノを買わなくなる。すると、より一層、モノの値段が下がる。という悪循環に陥る。

 デフレ・スパイラルから、いまだに、日本は脱出できないのです。


◆コメント3:経済政策の失敗を、何故、マスコミや野党は追及しないのか。
 

 竹中平蔵という大学の先生が、3年前、金融・経済・財政担当大臣になりました。

 彼は、如何にも頭が良さそうな人を集めて、「金融改革プロジェクトチーム」なるものを組織して、デフレを克服するためには、どうすれば良いかを考えました(自分だけでは自信がなかったのです)。

 その結果、「デフレの原因は銀行の不良債権」だ、と2002年2月12日の記者会見(大臣は、皆、毎週火曜と金曜、閣議の後に記者会見をするのです)ではっきりと述べています。

 銀行の不良債権は当時の半分以下になりました。先日、現在の金融庁長官の五味さんというひとは、「不良債権問題は、カタがついた」と記者会見の席上で、はっきりと宣言しました。

 細田官房長官も同じことを言いました。

 しかし、現実には、記事2で明らかなとおり、デフレは止まりません。

 竹中金融相(当時)の経済政策は、間違っていたことは、明らかです。
 何故間違えたのか。それは、不良債権は、不況の「結果」なのに、「原因だ」と考えたからです。

 どうして、国の経済運営を任された人が、政策ミスを犯したのに、批判されないのか不思議でなりません。

 竹中氏のプロジェクトチームにいた、木村という元日銀の兄ちゃんは、今は日本振興銀行という、何だか良く分からない「民間銀行」に移ってしまいました。当時の政策を立案した人たちは、みんな、逃げ回って責任を取りません。

 マスコミもこういう大事なことはきちんと追及するべきです。景気対策も中途半端なまま、多額の負債を抱えた、郵政事業を民間金融機関にしてしまって良いのでしょうか?郵政云々よりも、小泉内閣の至上課題は、デフレを止めることです。


 
 小泉さんという人は、ものを考えない人で、多分、今も不況が続いていることなど、どうでも良いのです。

 それよりも、郵政事業を民営化した、という「功績」を元に、歴史に自分の名を残すことしか、関心がないのです。

 小泉さんも、竹中氏を金融相にしたときは、毎日のように「不良債権」のことを口に出していたのですが、すっかり忘れているのです。

 あの人は何でも、自分に都合が悪いことは気がつかないフリをするのが上手いのです。だから、無理にでも彼に考えさせなければいけない。

 彼が「郵政民営化」について話すと、マスコミはそればかり追いかけてます。

 そんなことより、不良債権を減らしても克服出来なかったデフレ不況対して、次はいかなる方策を考えているのかを聞き出すのがマスコミと国民の役目だと思います。


2004年07月01日(木) 「<参院選>憲法問題、自民は争点化避ける」←何故、避けるのですか?
2003年07月01日(火) ヴァイオリンを奏する者に三段階あり /<統合失調症>関与のたんぱく質と遺伝子特定

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