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JIROの独断的日記
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2005年06月23日(木) 「自衛隊が標的」と断定 サマワのイラク軍司令官←日本が法治国家なら、自衛隊は引き揚げるしかない。

◆記事1:「自衛隊が標的」と断定 サマワのイラク軍司令官

 

 【サマワ23日共同】イラク南部サマワで、陸上自衛隊の車列付近で起きた爆発について、イラク軍サマワ地区司令官のアイワフ・カリム大佐は23日「自衛隊が(宿営地外で)初めて標的となった」と述べ、爆発が陸上自衛隊を狙ったものだと断定した。

 大佐は「犯人に対し、直ちに反撃を加える」と述べ、捜査に全力を挙げる方針を示した上で「日本の友人に謝罪する」と語った。犯人像については「現時点では特定できない」と述べるにとどまった。

 サマワの警察当局は、現場近くの民家の所有者ら数人を拘束したが、事件との関連は明らかになっていない。(共同通信) - 6月23日22時5分更新


◆コメント:宿営地を片付けるのには時間がかかる上、陸路を用いるのだ。即刻撤退せよ。

 

 私は、自衛隊をイラクへ派遣することに関してははじめから反対だった。

 この日記では、約2年前に、自衛隊をイラクへ派遣することに反対する理由。という記事を書いた。それ以来、只の一度も考え方が変わったことは無い。同趣旨の記事も何度書いたか分からない。ウソだと思ったら、Indexページの検索欄に「自衛隊」と入力してみてください。関係ない記事もあるが、ずっと、イラクへの自衛隊派遣に、私が反対であることはお分かり頂けるはずだ。



 物事を混同する人がいて、たまに、私が「自衛隊を」非難しているかのように勘違いして、メールを送ってくる方がおられる。

 私は「自衛隊」を非難したことは一度もない。自衛隊は政治家の決定に遵っているに過ぎない。

 私は、「自衛隊をイラクに派遣した、小泉内閣」を批判しているのである。

 何故、反対か。

 詳しく説明するととてもながくなる。

 1つ目はイラクに自衛隊を派遣する最大の理由は「小泉純一郎内閣総理大臣がアメリカ合衆国大統領、ジョージ・ブッシュの庇護を得たいから」であり、それはつまり、小泉首相の私欲である。政治家の私欲によって、日本国を防衛するべき組織である自衛隊を海外に派遣するべきではない。

 2つ目。イラクを自衛隊に派遣する根拠となっている法律は、イラク復興支援特別措置法(正式の名称はもっと長い)であるが、この法律において、自衛隊が活動できる地域は、次の通り。

イラク復興支援特別措置法第2条第3項

対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。


 文言(もんごん)が、意味を為していない。

 この法案を審議していた当時は、イラク戦争が始まってから、数ヶ月しか経っておらず、まだ、イラクの国内情勢は混沌としていた。

 したがって、「自衛隊の活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」など存在するわけが無かったのに、「自衛隊は人助けに逝くのです。戦争をしに行くのではありません」と国民に言い訳するために、こういう形式的で無意味な文言を作ったのである。


◆自衛隊が行くところが非戦闘地域だと言った、日本の総理大臣。

 

 イラク復興支援特別措置法第3条第2項が無意味であることは、小泉首相自身が認めている。

 この人は、本当に頭が悪く、「何処が非戦闘地域か、私(小泉首相)に分かるわけがない」とか、常に恥の上塗りをするのだが、その極致とも言うべきものが、昨年11月10日衆議院国家基本政策委員会合同審査会(所謂党首討論)における民主党の岡田代表とのやりとりである。

○岡田:自衛隊のサマワにおける活動について、総理はサマワは非戦闘地域であると、こういうふうに言われました。非戦闘地域であるという、断言されたその根拠は何なんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠といえば、戦闘が行われていないということ、だからこそ非戦闘地域である。(発言する者あり)

○岡田克也君 じゃ、総理、お尋ねしますが、お尋ねしますが、その議論の前提としてイラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことになればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです。(発言する者あり)

○岡田克也君 私が申し上げたのは、イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってくれと言ったんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは定義は、それは文書を持ってくればすぐ言えますよ。党首討論ですから、考え方を言っているんです。私は、特措法というのは、自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である、これがイラク特措法の趣旨なんです。(発言する者あり)

○会長(北澤俊美君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。


私は、こういう人を内閣総理大臣として支持する有権者の責任も重い、と思う。


◆自衛隊の宿営地は簡単には片付けられないし、陸路クウェートまで行かなければならない。

 

 サマワの宿営地は、林間学校のキャンプではないから、1日や2日でたためるものではない。

 400m四方の敷地のなかに、ありとあらゆる設備が備え付けられている。

 これらを全部片付けて、宿営地のフェンスを解体して、トラックに積んで、クウェートまで陸路戻らなければならないのだ。

 サマワには、自衛隊の輸送機が離着陸できる場所が無いのだ。

 クウェートまでの道のりも、当然、ゲリラにしてみれば、格好の攻撃場所となる。早くしないと、危ない。早くしても、危ないけどね。


◆実は民間人が自衛隊の荷物を運ぶのですよ。

 

 これは、以前、一回だけこっそり書いた。公然の秘密。

 自衛隊がサマワに宿営地を築くにあたり、膨大な物資を輸送したのは日本の運送会社だ。民間企業である。

 これが、バレると政府としてはヤバい。

 何故なら、政府は「万が一危険が伴うかも知れないから、武装できる自衛隊を派遣するのだ」と主張していたからだ。

 ところが実際は、その、危険なところまで、すごい数の運送会社のトラックが、クウェートから物資を運んだのだ。

 これは、自衛隊=防衛庁では秘密になっているらしいが、自衛隊に一人の知り合いもいない、一般市民の私まで知っているぐらいだから、実際は筒抜けだ。知っている人は知っている。


◆手遅れかも知れないが早く引き揚げることだ。

 

 「一回攻撃されたぐらいで、自衛隊が引き揚げる、ということになったら、世界の笑いものになる」、とか言うバカがきっといるのだろう。

 関係ない。

 日本は法治国家である。

 日本の国法である「イラク復興支援特別措置法」は、戦闘が行われる可能性があるところでは、自衛隊は活動してはいけないと、規定している。

 国権の最高機関たる国会が決定した法律の規定を、自衛隊、いや、自衛隊に命令を下す、内閣が無視することは許されない。

 「自衛隊は、イラクに残るべきか否か」という議論の余地はない。

 法律の文言に忠実に遵えば、自衛隊は撤退する、という選択しか、あり得ない。


2004年06月23日(水) 「航空自衛隊は武器・弾薬の輸送は行わない」(12月9日 小泉首相) その後、どうなったか?
2003年06月23日(月) 6万年ぶりの火星大接近

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