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2005年03月19日(土) |
「3月20日」10年前は地下鉄サリン事件、2年前はイラク戦争、今日は、九州で大地震だ。 |
◆10年前のことと思えないほど、鮮明に覚えている。
ちょうど10年前、オウム真理教の信者が「地下鉄サリン事件」を起こした。
これは、正真正銘のテロリズムであり、日本人が思っている以上に世界を震撼させた。
当時私はロンドンに駐在していた。ロンドンでは、衛星放送でNHKの朝のニュースを同時に見ることが出来るのだが、地下鉄サリン事件が起きたのは、東京時間の8時過ぎで、「おはよう日本」の同時放送は終わっており、BBCの臨時ニュースでこの前代未聞の大犯罪を知ったのだった。
イギリスで、普段、日本関係のニュースが取り上げられることは少ないが、この日ばかりは、完全に特別放送編成に変更されて、BBCの東京特派員が、緊迫した面持ちで逐次、錯綜する情報を伝えていた。
映像があまりにも痛々しかった。
10年経っても、あの時のニュース映像は鮮明に記憶している。
もしも、東京にいたら自分も巻き込まれていたかもしれない。しかし、私は、自分がイギリスにいて、運が良かったなどという気持ちにはとてもなれなかった。
殺されたのは、皆、毎日真面目に働いて日本を支えている、サラリーマンやOLだった。
そういう人々が何故、苦しみ、のたうち回って、死ななければならないのだ?
後に、犯人が分かったとき、こいつらはなぶり殺しにすべきだと思った。
◆村上春樹の「アンダーグラウンド」を読むべきだ。
村上春樹氏の名前は知っていたが、小説作品は殆ど、読んだことがなかった。どちらかというと女性向きというか、どうもピンと来なかった。
それで、大変失礼ながら、村上春樹という作家は「若い女の子が喜びそうな、軟弱小説を書いているのだろう」という根拠のない偏見を持っていた。
しかし、「アンダーグラウンド」(イギリス英語で、「地下鉄」の意味ですね)を読んで、そのていねいな取材に大変驚いた。
これは、事件の被害者一人一人に村上氏自らが会って、話を聞いたものをまとめた本だが、単なる好奇心で出来る仕事ではない。
村上春樹氏は、非常に繊細な感受性を持ち、真面目で誠実な人物であることが、良く分かった。
この本では、それぞれの被害者との対談記録の前に、その人物を紹介する文章が書かれているが、通り一遍のプロフィールではなく、その人のそれまで歩んできた人生の重さをずっしりと感じさせる。
中には、高校を卒業して、家族を養うために懸命に働いてきた若い女性もいた。
彼女はサリンの後遺症で、身体の自由が利かなくなったばかりではなく、言葉も満足に話せなくなってしまった。
その悲劇を、徒に「お涙頂戴」風にではなく、だからと言って、冷徹にでもなく、活字にしている。
感心したといっては、その女性に失礼なのだが、村上氏の真摯な態度と、言語表現能力と、事件に対する義憤がまっすぐに伝わってくる。
「アンダーグラウンド」を読むことにより、新聞では決して分からないこと。地下鉄サリン事件がいかに理不尽な不幸を多くの人にもたらしたか、を知ることが出来る。
あの事件を起こした連中に対しては、情状など考慮する余地も必要も、絶対に無い。
自らの命を以て償うべきである。
それにしても、3月20日というは呪われているのか。
2年前の3月20日には、アメリカがイラク戦争を始めたのだ。
◆記事:地震「よく注視を」=小泉首相指示
小泉純一郎首相は20日午前、福岡市と佐賀県で震度6弱の揺れを観測した地震に関し、「報告を受けているが、よく注視するように。津波警報も出ていますからね」と述べ、秘書官を通じて対応を指示したことを明らかにした。首相公邸で記者団の質問に答えた。(時事通信) - 3月20日14時1分更新
◆なんということだ。今日は、九州で大地震が起きた。首相の指示はなんだよ。
情報が足りない。被害状況の本当のところが、分からない。
それにしても、小泉首相の指示は何だ?「良く、注視するように」だと?バカ。小学生でも言えるよそんなこと。
午前11時、首相官邸に緊急対策本部が、立ち上げられたが、小泉首相は、そこへ直行していない。「良く注視するように」との言葉は五反田の仮公邸前で発せられたのだ。
阪神・淡路大震災、地下鉄サリンの時、内閣総理大臣は、社会党の村山富市氏だった。
地震発生から10時間後、初めて、村山首相が消防庁長官に「制度や法律にかまわず、やらなきゃならんことはやり尽くせ」と指示を出した。
今日の小泉純一郎内閣総理大臣のノーテンキさも似たようなものではないだろうか。
この国には、肝心なときに、無能な人間が指導者の立場にある、という悲劇的運命がつきまとう。
2004年03月19日(金) 「イラク戦争、米英に『だまされた』 ポーランドが初めて批判」←同意。大量破壊兵器はどこにあるんだよ?
2003年03月19日(水) アメリカの行動は明らかに国際法違反である。その法的根拠。