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JIROの独断的日記
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2005年01月16日(日) 「陸自先発隊が最大被災地バンダアチェ入り」 アチェ州の被害が特にひどい理由。




◆記事1:陸自先発隊が最大被災地バンダアチェ入り

 

【バンダアチェ(インドネシア最西部)=川辺徹】インドネシア・スマトラ島沖地震・津波の救援・復興支援のために派遣された陸上自衛隊の医療・航空援助隊先発隊(20人)が16日、最大の被災地となった同島ナングロアチェ・ダルサラム州の州都バンダアチェに到着した。

陸上自衛隊が今回津波の被災地で支援活動を行うのは初めて。

先発隊は、医官、看護官などからなり、早ければ17日にも活動を開始、医療支援のほか、本隊の受け入れ準備などにあたる。

 本隊の約200人は今月末、輸送艦「くにさき」で到着する予定で、同艦に搭載しているヘリコプター5機を使い、支援が遅れている地方への物資輸送など航空面での支援も行う。

アチェでは各国軍もすでに活動を始めている。インドネシア国軍によると、米、豪、シンガポール軍など10か国の約3100人が物資輸送や医療分野での活動に携わっている。 (読売新聞) - 1月16日22時8分更新


◆記事2:地震と津波のトラウマ深刻=再出発できず復興に影響も−インドネシア・アチェ

【バンダアチェ(インドネシア)16日時事】スマトラ島沖地震と津波の発生から16日で3週間。壊滅的な打撃を受けたインドネシア・ナングロアチェ州では、国際社会による救援・復興作業が展開されているが、被災者の多くが震災のトラウマに悩まされ、生活の立て直しや仕事に取り掛かれないでいる。10万人以上の犠牲者の多くが身元も確認されないまま葬られる中、遺族は「避難所で生存しているのでは」と、容易に現実を受け入れられない。(時事通信) - 1月16日15時0分更新


◆コメント:アチェ州は独立運動が激しかったのだ。

 

今回の津波による被災地の仲で、引用した記事にもあるとおり、最大(最悪というべきだろうね)の被災地は細長いスマトラ島の北端の一帯、アチェ特別州である。

津波そのものの破壊力とそれがもたらした、住民への精神的打撃(記事2)が甚だ激しい。

ただし、純粋に津波の物理的な破壊力がこの地帯でもっとも強かったのかどうかは分からない。
と、いうのは、実は、インドネシアは地図を見ると分かるが、随分と広範に広がっていて、各地域での独立運動が絶えないのだ。

 東ティモールという地名を記憶している人は多いだろうが、あれもインドネシアである。但し、あそこは、すでに独立を果たした。

アチェ州にも、インドネシアからの独立を目指すイスラム系武装組織、「自由アチェ運動」(GAM)が、存在していて、このグループが1976年に「独立宣言」を行い、それ以来、独立を阻止しようとするインドネシア国軍との戦闘で、住民も巻き込まれて1万人以上が死亡している。

また、アチェ州からは天然ガスが採掘されるのだが、それをジャワが全部持って行って、収益を横取りしてしまうので、経済的な面からも、積年の恨みがあるのだ。


◆2003年にはアチェ州全域に戒厳令が発令された

 

メガワティ大統領は03年5月、アチェ州全域に戒厳令を発令し、GAMの掃討作戦を開始したほどなのである。

したがって、今回津波の被害が、アチェ州で最もひどい、という状態は、政治的な原因を考慮する必要がある。

 非常に残酷な話だが、インドネシア中央政府の立場からは、アチェ州は「厄介者」のGAMの巣窟であるから、意識的に救助、支援を手薄にしている可能性が、十分にある。

しかし、どこの民族紛争でも同じ事であるが、実際に武器を手にとって中央に楯突いている人間は一部で、大多数の一般市民は平和に暮らしたいと願っていたはずである。

今回の津波の被災者の多くは、そのような「普通の人々」である。

1週間ほど前にも書いたが、津波による死者の遺体の状態はひどい物で、それから更に時間が経っているのだから、耐え難いほどの腐敗臭が、現地に充満しているはずであり、作業をする自衛官は全くご苦労様なのである。


◆アチェ中は破傷風感染者が出たそうだ。内閣は自衛官の健康に最大限の配慮を。


「国境なき医師団」は15日、スマトラ島沖地震とインド洋大津波で大きな被害を受けたインドネシア・ナングロアチェ州で、67人が破傷風と診断されたことを明らかにした。」(時事通信) - 1月16日11時0分更新



 

破傷風というのは、破傷風菌によってもたらされる恐ろしい病気で、私が子供の頃は、まだ学校で予防接種があったのを覚えている。

 発症すると、歯を食いしばり、全身を弓なりに痙攣させて、そのあまりにも苦しそうな様子は、大抵のことには驚かないはずの医療従事者ですら、目を背けたくなるほどだという。

被災者を助けるのは崇高な任務だが、自衛官の健康が損なわれて良いわけがなく、綿密な予防措置が取られていることを望む。


2004年01月16日(金) 「陸自先遣隊、成田空港を出発」 Sein(=be)とSollen(ought to)
2003年01月16日(木) 天皇陛下は落ち着いていて、立派だと思った。私だったら、きっと、取り乱すだろうな。

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