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JIROの独断的日記
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2004年01月16日(金) 「陸自先遣隊、成田空港を出発」 Sein(=be)とSollen(ought to)

◆記事:<イラク派遣>陸自先遣隊、成田空港を出発

イラク復興特別措置法に基づき、イラク南部のサマワで給水や医療支援などの活動をする陸上自衛隊本隊に備える先遣隊が16日午後、成田空港を出発した。派遣隊員約40人は、防衛庁(東京都新宿区)で編成完結式と隊旗授与式に臨んだ後、民間機でクウェートに向かい、数日後にイラクに入る。(毎日新聞)[1月16日19時22分更新]


◆コメント:SeinとSollen(存在と当為)

Sein(ザイン)とは、ドイツ語(哲学用語)で、「あること」(存在)および「あらざるをえないこと」(自然必然性)を意味する。これに対して、人間の理想として「まさになすべきこと」「まさにあるべきこと」をSollen(ゾレン)という。Sollenの日本語訳が「当為」である(なお、SeinとSollenを英語でいう場合は、それぞれ、be, ought to と表現する)。

人間は放っておくと、様々な欲望の赴くままに行動し、社会の秩序を維持することができない生物である。そこで、Sollen(あるべき姿)を考えて、明文化したものが法律である。無論、法律も人間自身が作ったものであるから、絶対ではないが、国民や、国の指導者の行動に対して、一定の制約を課し、国家の安定を維持する上で有益である。

日本国の場合、法律の最上位に位置するのは、いうまでもなく、日本国憲法である。日本国憲法は第9条で戦争を放棄すると非常に明確に宣言しているという点で、世界にも例を見ないものである。

今回、日本国政府がイラクへ自衛隊を派遣した根拠法はイラク復興支援特別措置法であるが、その中で「安全確保活動」という項目がある。これは、戦争当事国であるアメリカ合衆国への兵站(作戦軍のために、後方にあって車両・軍需品の前送・補給・修理、後方連絡線の確保などに任ずる機関)の役割を果たすものである。

米英のイラク攻撃は国際法違反の先制攻撃であり、国連の安全保障体制そのものに対する重大な侵害であって、これを日本が支援し、正当化しようとする法律は、日本を米国政府による一極的世界支配のもくろみに全面的に加担させるよう方向付ける危険なものといわなければならない。

今日、イラクへ派遣された自衛隊が、仮に、サマワで現地のイラク人に歓迎され、人道支援活動を行い感謝され、全員が無事に帰国したとしても、それは、Seinであり、だからといって、日本政府の決定が正しかった、という事にはならない。Sollenではないのだ。本来あるべき姿を論理的に考えれば、「自衛隊をイラクへ派遣することは許されない」というのが、過去も、現在も、未来も、唯一の正当な結論である。


2003年01月16日(木) 天皇陛下は落ち着いていて、立派だと思った。私だったら、きっと、取り乱すだろうな。

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