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2004年12月16日(木) |
日銀も金融庁も不祥事。市中金融機関の検査をする資格があるのか。 |
◆記事1:日本銀行総裁談話・日本銀行券の不適正な取扱いに関する特別調査結果(今日)
2004年12月16日日本銀行
日本銀行は、本日、日本銀行券の不適正な取扱いに関する特別調査結果を公表いたしました。
この調査の結果、神戸支店において、職位者が関与するかたちで、日本銀行券の不適正な取扱いが行われていたことが判明しました。こうした事態は、職務の厳正性・公正性が強く求められる中央銀行として、誠に遺憾なことであり、改めて国民の皆様に深くお詫び申し上げます。
私としては、これを重く受け止め、関係者について厳正な処分を行ったところです。また、二度とこのようなことが起きないよう、業務の進め方や管理体制の見直しなどを中心とする再発防止策を策定しました。今後、できるだけ速やかに実施に移していく方針です。
日本銀行としては、こうした取組みを通じて、改めてその公共的使命や業務運営の基本を徹底し、信頼の回復に向け、総力を挙げる所存です。
以 上(日本銀行ホームページ)
◆記事2:総裁談話・日本銀行券に関する不適正な取扱いについて(11月24日)2004年11月24日日本銀行
日本銀行は、本日、前橋支店における日本銀行券の取扱いについて、不適正な対応があったこと、および、この間の経緯についての内部調査結果等を公表いたしました。
日本銀行では、新しい日本銀行券が国民の皆様に確実にそして早く行き渡るよう、総力を挙げて取組んできましたが、そうした中で、今回のようなことが起きたことは、誠に遺憾であり、国民の皆様に深くお詫び申し上げます。私としては、これを重く受け止め、関係者について厳正な処分を行ったところです。
行内役職員に対しては、改めて業務運営の厳格性・公正性確保についての意識徹底を図る所存です。また、他の銀行券関連部署において、適切な事務処理体制が確保されているか、直ちに特別調査に着手するとともに、再発防止のための取組みを早急に進め、必要な措置を講じるよう指示しました。
日本銀行としては、改めてその公共的使命や業務運営の基本を徹底するとともに、厳格かつ公正な業務遂行を確保することにより、皆様からの信頼が得られるよう努めていく所存です。
以 上
要するに何があったのかというと、↓。
◆記事3:特徴ある番号の新札すり替え、日銀神戸支店課長ら免職
日本銀行は16日、神戸支店の発券課長(59)ら3人が、11月に発行された新札のうち、続き番号や同一番号など特徴のある新札計4枚を、記念に保有する目的で不正にすり替えたとして、2人を諭旨免職、中村毅夫支店長を同日付で総務人事局付けとし、事実上、更迭するなど、関係者10人を処分した。
日銀では、前橋支店で11月に同様のすり替えが発覚したばかり。今回、支店の発券課長という管理職がかかわっていたことで、日銀に綱紀粛正の徹底を求める声が高まるのは必至だ。
◆コメント:日本全体、不祥事が多すぎる。
お札のことは、正式には日本銀行券ということは、中学で習った。日本銀行券が通貨として通用するのは、日本銀行に対して圧倒的な「信用」を国民が、日本銀行に付与しているからである。
従って、日本銀行券を発行する母体であるところの日本銀行の、ことも有ろうに、一番関係が深い部署、発券課の課長が、その地位を利用して、個人的な楽しみのために、これから市中に流通させる紙幣に、手を出した、などということは、絶対にあってはならぬことなのだ。
盗んだわけではなく、特徴のある券をすり替えただけであり、国庫に損失が生ずるすることではない。
が、それでも、これは、絶対にあってはならないことなのである。
要するに、信用の問題である。
今回はすり替えただけだが、日本銀行の職員は日本銀行券の新券に自由に触れることができるとしたら、今度はいつ、盗むか、分かったものではない、という気持ちを世間が抱く。
日本銀行の信用がなくなれば、日本経済全体がグラグラと揺れる。
日銀ではない、普通の銀行になぞらえてみる。
例えば、貴方が市中銀行(民間企業である、みずほとか、三菱東京などの普通の銀行)の銀行員に自分のカネを渡し、定期預金に入金しておいてくれ、と頼んだとしよう。
その銀行員は貴方のおカネを盗みはしなかったが、そのカネで、一杯飲んで、翌日、自分の預金からカネを引き出して、貴方の口座に貴方から預かったと同じ金額を入金したとしよう。
貴方は元本を失った訳ではない。しかし、何も問題が無いといえるだろうか?
事実が明らかになったら、それ以降、貴方はその銀行を信用するだろうか。
金融機関は信用が全てであり、それは、日本銀行であっても同じことである。
日本中の市中銀行は、日銀当座預金という口座を持っていて、この口座の間で振り替え決済が行われる(日銀ネットという)から、どこの銀行から、どこの銀行へでも振り込むことが可能なのである。
日銀当座にある何兆というカネを日銀職員が適当に使っていい、ということになったら、決済システムへの信頼が揺らぎ、日本中の企業が倒産するであろう。
日銀職員ともあろうものが、キャリアであろうが、無かろうが、そんなことは、イロハのイ、殆ど「本能」になっていなければならない。
◆記事4:金融庁、個人情報含むフロッピー2枚紛失 (2004年10月18日)
金融庁は18日、2金融機関から郵送で提出された資金洗浄(マネーロンダリング)に関する情報が入ったフロッピーディスク(FD)2枚が7月末から同庁内で所在不明になっていると発表した。うち一枚には、取引の場所や相手の氏名など個人情報が含まれていた。紛失からすでに2カ月以上たっている。
五味広文長官は同日の記者会見で「いまのところ個人情報が漏えいした痕跡はない」としたうえで「金融機関の監督を行う立場でこのような事件が発生したことは極めて遺憾だ。深くおわびする」と陳謝、再発防止策を早急に講じる考えを示した。
2枚のFDは現在もみつかっていない。紛失したFDはいずれも7月28日に金融庁が書留郵便で受領した。発送元の金融機関からの問い合わせで8月上旬に紛失が判明した。担当室長が知ったのは約1カ月後、担当課長や長官、伊藤達也金融担当相が知ったのは先週だった。 (01:07)
◆コメント:これが民間銀行なら業務停止命令だ。
この金融庁の大不祥事を、何故、もっとマスコミは大々的に取り上げ無いのか不思議で仕方がない。
金融庁は金融機関の監督官庁であり、UFJが不良債権の資料を「隠していた」として刑事告訴まで行った。
ここには、掲載しないけれども、すでに東京地検は、現役行員はもとより、既に辞めた昔の頭取、のべ500人超、そして、今日は現職の頭取を呼び出して事情聴取した模様である。
当局の検査を受けるときに、こういう資料を隠すというような、所謂検査忌避というのは、一番重い処罰を受ける。当然である。
それにしても、UFJは顧客の情報を隠してはいた。つまり「管理」出来ていたのであり、紛失してはいない。どこに隠したか覚えているんだから。
ところが、である。
金融庁は、民間銀行から預かった、マネーロンダリングに関わるとはいえ、こともあろうに個人情報が入ったフロッピーディスクを「紛失」したのである。
つまり、どこに資料があるのか、コントロール出来ていなかったのだ。
嫌味な言い方をすれば、その点に置いて、自らが摘発したUFJよりも能力が劣る。だらしがない、と批判されても仕方がない。
◆トップの性格、行動は部下に影響を与えるものだ。
本日発売の週刊文春では、小泉純一郎内閣総理大臣が、歴代の首相に比べて、著しく不勉強であること。時間にもだらしがないこと。そのくせ、遊びには、熱心であること、を記事にしている。
役人達は、首相宛の説明書類は全てA4一枚以内に納めるようにいわれているそうだ。
それ以上長い資料は小泉首相は読まないらしい。「A4総理」のニックネームが付いているという。
金権政治の是非は別として、昔の、例えば田中角栄などは、小学校しか出ていないのに、超エリートの大蔵省キャリア官僚が舌を巻くほど数字に強く、法律に明るく、毎日勉強していたという。
こういう人物が宰相になれば、役人も必死になる。事実そうなった。
それにひきかえ、我らが世界に誇る小泉首相は、イラク復興支援特別措置法の一番重要な条文すら覚えていないのである。
役人が、少々出鱈目のブリーフィングをしても、細かいことは何も言わない(勉強していないから、言えない)。
日本の役所の風紀がゆるみ、不祥事がやたらに目に付くのは、この行政府の最高責任者の仕事に対する姿勢と無関係ではない、と、私は考えている。
2003年12月16日(火) <アルカイダ>関係組織が日本でテロ装備購入 韓国情報院が指摘 「テロリストとの対決覚悟」−小泉首相
2002年12月16日(月) 「殺されるのが怖くて女王が務まりますか」(エリザベス女王)