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2004年11月24日(水) |
「北朝鮮元工作員 安明進氏『横田めぐみさんは生きている』」 マスコミが騒がないのは何故かな? |
◆記事:北朝鮮元工作員 安明進氏「横田めぐみさんは生きている」(毎日新聞の取材に答えて)
北朝鮮の元工作員、安明進(アンミョンジン)氏(36)=93年韓国亡命=が、平壌で開かれた日朝実務者協議に関連し、毎日新聞のインタビューに応じた。安氏は北朝鮮から「遺骨」など多くの「証拠」が提供された拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)について「生きている。夫は日本人」との見方を示した。
安氏はこれまでに、めぐみさんが88〜92年ごろ工作員養成機関の金正日(キムジョンイル)政治軍事大学で日本語教官をしていたと証言。今回提供されためぐみさんの写真のうち1枚は、同大学敷地内で撮影されたと推測している。
北朝鮮側は、めぐみさんの遺体を2年半後に掘り返し火葬したと説明したが、安氏は「男性社会の北朝鮮で妻の墓を移動するのは考えにくい」と疑問視し、骨が高温で焼かれた点を「個人では高温で焼く施設は使えない。国が別人の骨を施設で焼き、鑑定不能にした」とみている。
夫とされる人物が特殊機関勤務を理由に写真撮影などを拒んだ点は「国交正常化したい北朝鮮は、一工作員の活動より国の方針を優先するはず。応じなかったのは別人だから」と話し、実際の夫は「元在日朝鮮人や現地の人とは考えにくい。日本人拉致被害者の可能性が高い」と語った。
また、めぐみさん以外の被害者にかかわる証拠の大部分は「焼却し残っていない」という説明には「工作機関は20年、30年後に再び資料を使うことを考えるので、処分したりしない」と述べた。(毎日新聞) - 11月24日10時39分更新
◆コメント:そもそも、安明進氏が書いた本が、拉致問題を暴いたのだ。
安明進氏は、脱北した元北朝鮮特殊工作員で、日本人拉致をする側にいた、人物である。
工作員として訓練を受けていくなかで、自由世界の情報を細かく知り、自分のやっていることが恐ろしくなって、韓国に亡命したのである。
この人物が、「横田めぐみさんを1988年に見た」とはっきり証言したことから、日本は拉致問題に取り組まざるを得なくなった、といって良い。単行本では、1998年に出版された、北朝鮮拉致工作員の中で、著者が実際に彼女を見た時の様子が詳細に述べられている。その他、北朝鮮の特殊工作員がどれほど、無茶苦茶と形容するしかないほどのハードな訓練を受けて、どのようなことを教えられているかを知ることができるこれは、貴重な本である。
安明進氏は、昨年、横田めぐみは生きているという本をわざわざ書いたぐらいで、読んでみると分かるが、単に小遣い稼ぎの為に書いたのではない。私がそう判断する理由は後述する。
先日の日朝実務者協議で、北朝鮮は真っ黒に焦げた骨を出してきて、「めぐみさんは死亡した」というので、毎日新聞が、安明進氏に、はっきり言えば、殺された可能性があると思うかどうか、韓国の安明進氏を訪ねた訳であるが、記事にあるとおり、極めて明確に、死んだ可能性を否定している。
北朝鮮拉致工作員を読むとわかるが、横田めぐみさんは、北朝鮮の高官の子弟(一説によれば、高官どころか、金正日の子供たち)に日本語を教える立場にあり、つまり、非常に地位が高い人物なのであり、殺すなど、とんでもない、というのが、安明進氏の主張の根拠となっている。
多分、彼は、本には書けないけれども、横田めぐみさんが生きていることに関して、もっと確かな証拠を握っているのであろうが、それが、日本の新聞経由で、北に流れるとまずいので、話していないか、或いは、話したが、毎日新聞の判断で、伏せているのだろう。
「北朝鮮拉致工作員」を読むと、拉致された日本人がどのような仕事をさせられ、どこに住んでいるのか、まで書いてあり、作り話にしては、詳細に過ぎる。
それにしても、横田めぐみさんが生きていると、元北朝鮮特殊工作員がはっきりと証言した、と毎日新聞が伝えても、政府も、他のマスコミも全然無反応なのは、一体どうしたことか?不思議におもいませんか?
◆拉致問題をうやむやにしようとする、日朝両政府の非人道性
11月21日(日)に書いたが、日本政府と北朝鮮は、「横田、有本、増元の3家族を諦めさせることが出来れば、拉致問題は片づく」と考え、さっさと決着をつけたいのであろう。
そこに、「横田めぐみさんが生きている」という証言が信憑性が高い筋からもたらされたことを迷惑におもっていて、スクープした毎日新聞以外のマスコミ各社に対して、「この話には触れないように」圧力を掛けていることが容易に想像できる。
日本政府が、本当に、本気で、どんなことをしても横田めぐみさんを助けよう、と考えているのであれば、「本当か?もっと詳しく教えてくれ!」と今日中にでも外務省の役人が韓国の安明進氏のところへ飛んでいくべきではないだろうか。
拉致問題についての、政府の誠意のない、わざと問題解決を遅らせているのでは?と疑問を抱かざるを得ない対応をみていると、「やはり、残りの拉致被害者は北の言う通り、亡くなっていた」で、この問題を終わらせようとしているのだと見なされても仕方がない。
小泉首相も与党の奴らも、外務省の役人も、血も涙もない人非人だ。
それにひきかえ、横田めぐみさんのご両親は、本当に立派だ。安明進氏の本が出版された後、ご夫妻は彼に会いにいった。
安明進氏は今は、すっかり自由世界の人間となっており、金正日体制の崩壊を望んでいるのだが、かつて、拉致工作員であった、という過去は消えない。
当然、横田夫妻からも激しい怒りをぶつけられると観念していたのだが、めぐみさんの母君から、
「貴方(安氏)も、ご家族を北に残して来られて、さぞ、お辛いでしょうね」と、思いがけぬ慈悲深い言葉をかけられ、一瞬、唖然としたあと、号泣したという。
私が安明進氏の証言が口から出任せではない、と考える理由はそこにある。
彼はめぐみさんに助かって欲しいとおもっているのだ。
ところが肝心の日本の政治家、役人には「気合い」が感じられない。情けない話だ。
2003年11月24日(月) 自衛隊はイラクへ派遣できない。