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2004年09月27日(月) |
「直径5キロの小惑星接近 29日、155万キロまで」 この大きさでは、過去100年で地球に最接近する天体。 |
◆記事:直径5キロの小惑星接近 29日、155万キロまで
直径約5キロの小惑星トータチスが、日本時間29日、地球に約155万キロまで接近する。月までの距離の約4倍に当たり、これほど大きな小惑星としては記録的な接近距離という。
トータチスが地球に衝突する危険は当面ないとみられているが、米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所は、地球に被害をもたらす可能性のある要注意小惑星にリストアップしており、接近時に最大限の観測データを集める計画だ。
トータチスは1989年にフランスの天文学者が発見し、正式名は小惑星4179。だ円に近い軌道を描きながらほぼ4年に1回地球に近づいており、92年には約350万キロまで接近した。 (共同通信) - 9月26日20時52分更新
◆コメント:太陽系には太陽と9つの惑星だけがあるのではない。
太陽系のモデルを本やプラネタリウムで見ると、太陽系に存在するのはあたかも太陽と地球を含む9つの惑星と、それらの惑星のうちのいくつかの周りを回っている衛星だけのように思えてしまう。
実際には、太陽系にはこれ以外にも、何千個もの彗星や小惑星がある。彗星と小惑星の違いは、前者が「非常に細長い楕円軌道上を回っている氷で出来た小さい天体」。後者が「太陽の周りを回っていて密度が高い天体で、9つの惑星ほど大きくないもの」である。
彗星は、非常に長細い軌道を通っていて、多くは冥王星の外側まで行ってしまう。このため、一度地球のそばに現れてもその後何千年も見られないものが多い。ハレー彗星が最も有名だが、76年周期である。しかし、彗星はもの凄く長い尾を引いているが、あれは塵で、その塵が散らばっている所を、毎年、10月10日から30日ごろ地球が通るときに見えるのがオリオン座流星群である。
◆小惑星は何十万個もある。
小惑星は現在分かっているだけでも、約6000個もある。そして、毎年数百個の小惑星が新たに見つかっている。人類は、直径が100km以上の小惑星に関しては99%把握している。それよりも小さくて、地球からは見えない(多くの小惑星は、火星と木星の間にある)ものは数十万個もあるだろうといわれている。火星と木星の間にあって、太陽の周りを回っているのならば問題は無いのだが、木星の重力によって他の軌道に移されてしまうものがあるわけである。
直径が100km以上もあるような天体が地球にぶつかったら、これは、もう瞬間的に地球上の生物は全滅である。というか、地球が変形してしまうかも知れぬ。
6500万年前に恐竜が絶滅したのは、直径10kmの小惑星が秒速20kmぐらいの速度で地球に衝突したからだと云われている。世界中のその時代の地層から隕石に多く含まれるイリジウムという元素が検出されたことからそのような仮説が出来たのである。
この時の地球が受けた衝撃は、私も桁が大きすぎてピンとこないのだが、専門家の計算によれば1億メガトンのTNT爆弾に相当するという。
広島・長崎に投下された原爆がTNT(代表的な普通の火薬で、爆発力の基準に使われる)換算で13キロトンだった、というから、1億メガトンは広島原爆の70億個分である。つまり、今の地球の人口が60数億だから、一人一人に広島原爆が1個ずつ投下された、というほどの、想像を絶するエネルギーが発生したのである(だから、恐竜はわずか数分から数十分で絶滅したのではないか、という記事を最近読んだ)。
◆今度のトータチスは、ぶつからないが、将来何があるかは、分からない。
云うまでもないが、宇宙や天体は、人間に都合良く存在しているわけではないから、6500万年前に起きたようなことがまた、起きる可能性はあるのだ。実際地球は生物の絶滅を何回か経験している。
この地球上で生じている「温暖化」という現象すら、多くの人間は、自分には関係ない(無いわけはないのだが)こと、として頭から追い出してしまう。ましてや、小惑星となると、SF映画の世界だろう。
しかし、実際にNASAにはNear Earth Objects(地球近傍天体)を見張るプロジェクトがあって、小さいのが実際ぶつかりそうになった時の対処を真剣に研究している専門家が、存在するのだということぐらいは知っておいてもいいとおもいますけどね。
トータチスと地球がどれぐらい接近するかをモデルで見たい方は、こちらのページでシミュレーションできるから、やってみるといいだろう。天体名に「Toutatis(4179)」(「」は打たない)と入れて、「軌道表示」をクリックする。自動にするとあっというまに何ヶ月もすすんでしまうから、>のボタンをクリックして一日ずつ、進めてみるといい。明後日、最接近です。
2003年09月27日(土) 「日本揶揄番組打ち切り ハンガリーの民放」 人種差別考