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JIROの独断的日記
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2004年08月25日(水) 「宿営地付近への着弾確認 サマワ、陸自標的を裏付け」 安全確保義務がイラク復興支援特別措置法で定められている。

◆記事1:宿営地付近への着弾確認 サマワ、陸自標的を裏付け

【サマワ24日共同】イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地付近で24日未明(日本時間同朝)に聞こえた爆発音は、宿営地近くに撃ち込まれた砲弾の着弾音だったことが同日、地元治安当局の調べで分かった。

 宿営地の北東側から迫撃弾が発射されたとみられ、宿営地から離れた場所に設置されている鉄条網のさらに外側数百メートルの地点に着弾。宿営地付近への初の3夜連続攻撃となり、自衛隊が標的になっていることがほぼ裏付けられた。 (共同通信) - 8月24日19時12分更新


◆記事2:サマワ:逮捕のサドル師派民兵、自衛隊宿営地の地図所有

 

【バグダッド斎藤義彦】イラク南部サマワ北郊のルメイサにあるオランダ軍宿営地が17日砲撃された事件に関連し、逮捕された4人のうち1人がイスラム教シーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル師の民兵組織「マフディ軍」のメンバーで、サマワの自衛隊宿営地の地図を所有していたことが、地元警察の調べで分かった。

 自衛隊宿営地に対する砲撃に関与したとして23日に逮捕された5人もマフディ軍との関連が取りざたされており、警察は両容疑者グループの背後関係を捜査している。サマワ警察の幹部が毎日新聞に明らかにした。


◆記事3:サマワ陸自、安全黄信号 治安 急速に悪化 政府内 憂慮の声強く(西日本新聞) - 8月25日(抜粋)

サマワから半年ぶりに帰国した佐藤正久イラク復興業務支援隊長は「雇用や電力など、サマワ市民が生活改善を実感できる事業が必要。すでに専門家の力が必要な段階に入った」と自衛隊の限界を指摘。「住民の満足度の低さは不満や批判につながり、自衛隊の円滑な活動、安全に影響が出る」と懸念を示した。


◆記事4:首相動静(8月24日)「自衛隊のビデオを鑑賞。」

午前8時現在、公邸。朝の来客なし。

 午前9時2分、公邸発。同17分、自民党本部着。同18分、総裁応接室へ。同20分、党役員会開始。

 午前9時34分、党役員会終了。総裁応接室を出て、同35分、党本部発。同38分、官邸着。同39分、執務室へ。

 午前9時59分、執務室を出て、同10時、閣僚応接室へ。同1分、閣議開始。

 午前10時27分、閣議終了。同29分、閣僚応接室から大会議室へ。イラク・サマワで活動する自衛隊のビデオを鑑賞。


◆コメント:自衛隊の安全を確保しなければならない、と法が定めている。

 記事1と記事2を読めば、サマワに駐屯する自衛官の生命の危険が高まっていることは、明らかである。元来、イラク復興支援特別措置法では自衛隊が活動できるのは非戦闘地域に限られているから、防衛庁は今でも「サマワは非戦闘地域」との認識を変えていない。

 しかし、特に、記事2を読むと分かるとおり、シーア派強硬派は自衛隊をはっきりと攻撃目標にしているのであるから、このまま行けば、サマワが戦闘地域に移行する可能性が高いと推測するのが妥当である。 イラク復興支援特別措置法第9条は、



(配慮事項)
第九条  内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。


と定めている。国会で成立している正式な法律である以上、内閣総理大臣はこれに従わねばならないのだが、記事4にあるとおり、小泉純一郎内閣総理大臣は、「自衛隊のビデオを鑑賞」しているのみで、手を下さない。鑑賞って、これは映画ではない。現実なのである。

ただ、安全を図るといっても、宿営地の防御を強固にして、自衛官は宿営地の外に出ないようにするのが従来とられていた方法で、それでは、小泉首相自身が何度も強調していた、「人道支援活動」は形骸化する。実際に、イラクで活動していた、佐藤正久イラク復興業務支援隊長の言葉を記事3に載せたが、本来、サマワの危険性に関しては、控えめな発言をする現場の自衛官がはっきりと憂慮の念を示していることを無視するべきではない。

要するに、サマワで自衛隊が出来ることには限界があって、それでは、イラク人を納得させることが出来ないのである。「人道復興支援活動」というのは、日本人の主観にすぎない。

つまり、小手先の「自衛隊の安全確保」ではなく、自衛隊を派遣することの無駄を認識するべきである。さらに、人道復興支援活動を平行して行われている、航空自衛隊による安全確保活動は、この日記で何回も書いたが、交戦中の同盟国に対する後方支援活動であり、違憲なのである。

私が、すぐにでも、自衛隊はイラクから撤退するべきであると考えるのは、以上の理由による。


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