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JIROの独断的日記
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2004年06月27日(日) 「この国を想い、この国を創る」(自民党CMでの小泉首相)←あんたが滅ぼそうとしてるんだよ。

◆素朴な疑問:日本では、「愛国心」も「反戦」も異常なことなのか?

日本は誠に変な社会である。戦争に反対することは、健全な感情だと思うが、公然とそれを表すと、「反戦左翼」となって共産主義者にされてしまう(日本国憲法は思想信条の自由を保障しているのだから、たとえ共産主義者であっても、そのこと自体で差別されては、本当はいけないのであるが)。


そして、「国を愛する」とか「愛国心」(同じことだが)などという言葉を口に出せば、「あいつは右翼ではないか?」と、なんだか妙な宣伝カーに乗って大音量で軍歌を鳴らしながら町中を走る人々と一緒にされてしまう。愛国心の強制は危険な行為だが、個人の信条として祖国を愛するというのは、普通のことではないかとおもうのである。

このように、日本では、戦争に反対することも、祖国を愛することも異端的なものとみなされているようだ。ということは、論理的に考えて、「日本を嫌悪し」、「戦争をしたがる」のが「正常な人間」だということだ。そんなバカな国があるだろうか?

戦争に反対することが異端と見なされる社会ほど危険なものはないが、小泉純一郎氏が内閣総理大臣になって、公然と「憲法改正」の意志を表明するようになってから、次第にそのような風潮が醸成されつつあるように感じる。


◆小泉氏は改憲により、歴史に名を残そうとしているようですね。

日本が、変な方向に向かいだしているのは、極く単純化して云えば、小泉という人の私欲が原因である。

彼が本気で改憲を目指していることは明らかだ。去年の衆議院選挙の時の自民党マニフェストにもはっきりと書いてある。このところ、日本の首相はせいぜい2,3年で交代していたが、小泉首相が2期目を任期までつとめると、5年になる。

5年以上首相をつとめたのは、戦後では吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘ぐらいしかいない。小泉が3期目をもしつとめることになると、この「歴史的宰相」の系列に入れちゃう。入りたくて仕方がない。それが、小泉首相のホンネだろう。

しかしねえ。3期目までやらせたら、本当に憲法改正までいってしまうかもしれない。それは主に九条を改正しようということです。平和憲法を変える。戦争をしたいのですな。そうすれば、占領軍に押しつけられた(戦争放棄の九条を提案したのは、幣原喜重郎ともいわれており、アメリカに押しつけられたとはにわかに断定できないのだが)憲法ではない、日本人による「自主憲法」を制定した内閣総理大臣ということになる。すなわち、歴史に名前が残る、その後の日本がどうなろうが、知ったことではない、というのが小泉氏の気持ちでしょう。たぶん。しかしね。冗談じゃないよ、私欲によって平和憲法を変えられては、たまったものではない。


◆地球憲法第九条 A Call for Peace

という本を書いて、日本国憲法9条の理念は、世界中に広めるべきだ、という活動をしているアメリカの退役軍人がいる。チャールズ・オーバービー(Charles M Overby )という人物で、オハイオ大学名誉教授。1926年、モンタナに生まれ、というから、今年78歳だ。

朝鮮戦争のときに兵役にとられ、B-29爆撃機の副操縦士を務めた。戦争はこりごりだと思った。その後ウィスコンシン大学でPh.D.を取得して現在はオハイオ州立大学名誉教授。

1991年、湾岸戦争後に、世界平和のためには日本国憲法第9条の精神を世界に広めないとだめだというので「九条の会」をアメリカでつくった。「地球憲法第9条」という本は、その思想を綴ったものだが、その中で、次のように書いている。



 

この本は、世界で最も有意義な戦争に対する法的な差し止め命令たる、日本国憲法第九条への敬意を込めた、1つの主張をなすためのものである。
 第二次大戦の業火と大量殺戮の中からあたかも不死鳥のごとく、国際平和と公正への一連の新しい原則が生まれ、日本国憲法第九条にその安住の場を求めた。

 勝者と敗者の双方によって日本国憲法に位置づけられた戦争の放棄は、普遍的にしてかけがえのない宝物であり、お互いの未来へのモデルとして世界がこれを失うような勿体ないことはできない。人間にとって不可避な争いごとを解決するために非暴力的な手段があり得ることを示唆している憲法第九条は、新しい時代におけるわれわれにとっての羅針盤であり生き残りのための指針たり得る。




この本は講談社から2001年に出版されたけれども、残念ながら絶版なのだ。対訳本は。私は、仕方がないのでアメリカのAmazonに注文した。


◆世界的に評価されようとしている条項を日本がつぶしてはだめではないか。

 

上に引用した文章は、感動的だ。アメリカ人でも良心的な人がいる(当たり前だが)。他の国の憲法の条項を世界的に広めようなんてことは、なかなか思い立っても実行に移せるものではないが、もうじき80歳になろうというこの先生はやっているのだ。

 というのに、我が国の首相は「こんなの、時代遅れ」という軽薄な言葉と歴史に名前を残したいという、私心がために、世界的にも評価が高い憲法第9条を安易に変更しようというわけだが、こんな思想と人物を支持してはだめだ。


2003年06月27日(金) 5歳の男の子から両親を一瞬にして奪った、酔払いトレーラー運転手 職業人としての自覚

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