外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2003年12月17日(水) なし崩し的に憲法とイラク復興支援特別措置法を無視する首相と防衛庁長官 

◆9日の記者会見で、小泉首相は「武器は運ばない」と明言した。



12月9日、例の憲法前文を引き合いに出して自衛隊のイラク派遣を正当化したつもりの小泉首相だったが、その席上 「米軍などの武器弾薬の輸送業務については『行わない。日本は戦争に行くのではない』と述べ、明確に否定した。」のである。


しかし、それから、1週間も経っていないというのに、次のような記事が流れた。


◆記事1:自衛隊、米兵携行の小銃など輸送可能…首相答弁


小泉首相は15日の衆院テロ防止特別委員会で、イラクに派遣される自衛隊の輸送業務について、「自衛隊だって武器を持っている。自らの身を守るものまで武器・弾薬とは言えない」と述べ、米軍兵士が携帯している小銃などを兵士とともに輸送することは可能だとの考えを示した。

首相は9日の記者会見で、米軍などの武器・弾薬を輸送しないことを明言しており、これを軌道修正したものだ。

◆コメント:小泉首相の思考はどうなっているのか?


これほど、平然と、舌の根も乾かぬうちに、正反対の発言をしてケロリとしているのが我が国の首相なのである。私は15日の発言を読んだときに、文字通り開いた口が塞がらなかった。


そして、もう一人、あの爬虫類のような不気味な顔をした、石破防衛庁長官というのも、きわめて危険な人物である。武器輸送のみならず、自衛隊派遣に関する様々な件について、驚くべき発言をしているのである。

◆石破防衛庁長官の思想は恐ろしい


●記事2:自衛隊行けば非戦闘地域石破氏、



石破茂防衛庁長官は5日夜のテレビ東京の報道番組で、イラクに自衛隊を派遣する際の条件となっている「非戦闘地域」について「自衛隊の行く所、活動する所が非戦闘地域だ」と述べた。イラク復興支援特別法上の「非戦闘地域」という考え方が、治安の実態よりも観念的な概念であることを事実上認めた。(共同通信)[12月6日1時9分更新]

●コメント:それでは、イラク復興支援特別措置法の意味が無いでしょう。


イラク復興支援特別措置法では自衛隊の活動する場所を「非戦闘地域」に限る、と明確に規定しているにも関わらず、現地の今の情勢では「非戦闘地域」の特定が不可能である、となったら、「自衛隊が行くところが非戦闘地域だ」とはあきれてものがいえない。なんで、こういう発言をマスコミは問題視しないのか。


●記事3:<自衛隊派遣>掃討作戦も非戦闘行為 防衛庁長官


自衛隊のイラク派遣に関する衆院テロ防止特別委員会の閉会中審査が15日午前、始まった。石破茂防衛庁長官は米軍が実施している旧フセイン政権残存勢力の掃討作戦について「イラク国内における安定及び安全を確保する活動だ。戦闘行為に該当すると断定できる根拠を有していない」と述べた。戦闘行為とみなさないことにより、掃討作戦の展開されている地域でも自衛隊の活動できる「非戦闘地域」に該当する可能性があるとの認識を示したものだ。


●コメント:専守防衛に反する。憲法を無視している。


我が国の防衛庁長官は、旧フセイン政権残存勢力を武力で殺しても、「非戦闘行為」だと言っているのである。掃討作戦を行っているのは米軍であるとはいえ、場合によっては、自衛隊が交戦状態になる可能性が高い。この発言は、自衛隊は戦争をしても構わない、と言っているに等しい。物凄く危険な思想をもった人物だ。


●記事4:劣化ウラン弾対策取る=直接摂取防止策検討−石破防衛長官


石破茂防衛庁長官は15日の衆院イラク復興支援特別委員会で、イラクに陸上自衛隊を派遣した場合に、米英軍が湾岸戦争やイラク戦争で使用したとされる劣化ウラン弾による放射能汚染被害が懸念されていることについて、「劣化ウラン弾について隊員に不安が生じないような対策を取っていきたい」と述べた。


 石破長官は、「米中央軍の見解は(着弾した劣化ウラン弾の粉じんを)直接摂取すれば影響があるとしている。どのような場合に起こり得るかきちんと考える必要がある」と述べた。


●コメント:今頃何を言っているんだ。


劣化ウラン弾を使用した地帯からは高い放射能が検出され、そこにいれば被爆するのは、自明のことで、劣化ウラン弾の粉塵を直接触れば危ない事ぐらい、アメリカに聞かなくても分かる。分かりきった事を、知らぬような顔をして平気でいってのける。防衛庁長官は自衛官が放射能を浴びて、その結果、白血病になったり、ガンになったりするのも止むを得ない、と考えているものとおもわれる。何という恐ろしい男であろうか。

◆結論:小泉内閣は、自衛隊を戦争に参加させようとしている。


小泉首相、石破防衛庁長官の発言を追っていくと、ただでさえ違憲である自衛隊のイラク派遣で、意図的に、自衛隊を戦闘状態に巻き込まれるように、もっていこうとしているように思われる。その目的は「自衛隊は戦闘行為ができる」という既成事実、前例を作ってしまおうということかと思う。


衆議院選挙の時の「小泉改革宣言」には「憲法改正をめざす」とあった。内容は書いていなかったが、現在の動きを見ると自衛隊を軍隊として、専守防衛のみならず、先制攻撃も可能な組織にするつもりなのであろう。つい60年前に戦争では散々な思いをしたのに、日本はまた、同じような道に向かうのだろうか。次の選挙では自民党を惨敗させねば、日本が危ない。


2002年12月17日(火) インフルエンザ脳症と解熱剤

JIRO |HomePage

My追加