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2003年10月21日(火) |
民主党の「マニフェスト」と自民党「2004年重点政策」を読み比べて気がついたこと |
議会制民主主義において、選挙での投票は数少ない参政権の発動の機会であるから、選挙前に大政党の政策を綿密に比較検討する事は有権者の義務である。それを真面目にやらないで、何となく自民党の候補者に投票しておけばいいんじゃないの?と、やるから、小泉と自民党が図に乗るのである。
特にいまは、インターネットで各政党の政策を簡単に閲覧できるのだから、なおさら、有権者の責任は大きい。というか、自分の税金がどのように使われるのか、見張らないと、いくらでも狡いことをするでしょう?政治家と役人は。
私は、今、民主党のマニフェストと自民党の「2004年の重点政策の解説」という2つの文書をダウンロードして読み比べているのだが、両者とも何十ページにも及ぶかなりの情報量なので、精読するにはかなりの努力が要る。
まだ読み始めたばかりであるけれども、ざっと目を通しただけで、明らかに両者の相違に気がついた。私は病気を抱えているので、医療政策が気になる。これをチェックしたのである。
結論から述べると、民主党は、国民の生命、健康に関する政策を掲げているが、自民党は全くこの点に触れていない。
具体的には、民主党のマニフェストには、
5. 国民の命と健康を守るつよい社会を実現します。
1 健やかさを保つ生活へと改善します。
(1) 早期発見・治療で安心の医療を実現します。診療報酬改定プロセスの透明化をすすめます。
(2) 350カ所の小児救急センターを整備し、小学校卒業までの医療負担を1割に軽減します。
(3) カルテ開示・医療費明細書発行の義務化を実現します。
(4)「食」の安全を一元的に厳しくチェックします。
(5) 安全を最優先し、原子力行政の監視を強めます。
と、明記してある。そこで、自民党の「重点政策」にもこれに相当する部分があるだろうと思い、散々探したのであるが、驚くべき事に、何の記述もないのである。
小泉さんは、昔から「サラリーマンの医療費自己負担3割」を叫んでいて、今年実現しましたね。お蔭で、精神科と内科にかかっている私は大変ですよ。サラリーマンの自己負担が増えた分だけ、国庫に余裕ができたわけですね。それでいて、医療関係で何の重点政策がない、というのは、どういうつもりなのですか?病人なんてのは、所詮ドロップアウトで、切り捨てられるべき存在ですか?
小泉首相の冷たい人格を、またもや垣間見た気がします。
もっとも、民主党が掲げている政策が十分とはいい難い。医療の質の向上、医療ミスの防止、優秀な医師の養成、自殺の防止など、まだまだ考えてもらいたい課題はたくさんある。
国家の政策の最優先課題が医療だとはいわない。だから、これだけで、両党を単純に比較できるわけではない。しかし、こと、医療政策に関するかぎりは、少なくとも「国民の生命と健康」という意識がある分だけ、民主党に軍配を上げざるを得ない。国民が、まず、心身ともに健康でなければ、何も出来ないでしょう?
2002年10月21日(月) クラシック音楽二題:アシュケナージ、N響指揮者に。ピアニスト、梯剛之(かけはしたけし)氏、カーネギーデヴュー。