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JIROの独断的日記
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2003年02月07日(金) アメリカに質問

 アメリカが躍起になって、何とか国際世論をイラクに対する武力攻撃を支持する方向に向けたがっているが、常識的な感覚で疑問に思うことがたくさんある。

 911テロ以降、対テロ戦争を標榜しているが、肝心の張本人ウサマ・ビン・ラディンを差し置いて、どうして、「イラクを」攻撃しなければならないのか?
 ブッシュによれば、イラクが大量破壊兵器を保有していて、それがラディンが率いるアルカイダの手に渡ったら、危険だから、という。しかし、それをいうなら、イラクだけではなく、他にもアルカイダに武器を供給するかもしれない国はあるだろう。それに、イラクとアルカイダの関係はパウエル長官が差し出した資料によって証明されていない。

 イラクが大量破壊兵器を保有・あるいは開発していたとしてもどうして、いきなり武力攻撃によってそれらを破棄させようとするのか?
 まずは、国連のIAEAが査察を通じて、平和的にイラクに武装解除させる努力を試みるべきである。これは、一昨日の国連安保理で大多数の理事国が示した見解でもある。戦争になれば、非戦闘員であるイラクの一般市民を殺傷することはほぼ確実であり、もっとも避けるべき最終手段であることは、人道的見地から明らかである。

 武力攻撃をするとして、どうして「アメリカ」のみ(イギリスも協力するらしいが)が他国に武力介入する権利があるのだ?
 武力攻撃をするかどうかを決定するのは国連安保理の仕事である。アメリカと言う単なる一国家が独断的に他国に武力侵攻する権利があるかのように主張する国際法上の根拠はないのである。

 どうして、「一刻も早く」イラクに戦争を仕掛けなければならないのだ?
 91年の湾岸戦争のときはイラクはクウェートに侵攻していた。これに対して正当防衛的に反撃したのは理解できた。しかし、現在のイラクはどこの国の主権も侵していないのである。

 歴代の米国大統領と同様、ブッシュはしばしば演説を“God bless America"(アメリカに神の御加護を)という言葉で締めくくる。これはキリストの教えを信仰しているからであろう。ならば、新約聖書マタイによる福音書第5章44「されど、我、汝らに告ぐ。汝らの仇を愛し、汝らを責むる者のために祈れ」という教えは守らなくて良いのか?

 大統領に訊いてみたいものだ。


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