OH GREAT RABI RABI

僕たちのゆるりとした戦い
2003年05月08日(木)





うつろな眼で


彼女はスミレ科生物の生態について暗唱する


僕はその隣で耳をふさぎ


ブドウ科生物の進化の過程を暗記している





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翼は何度でも生えてくる


だからわたしは何度も切りおとす、


いつかかたわの翼が生えてきて


進化の瞬間をこの目にしよう、




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黒い犬、


暗号のように。


ナクナ の切れめがわからずに


クナクナクナ、と くりかえす





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リップクリィム、


あなたとわたし、


両側から塗る方法、


うすももいろに透けて見えるよ。


海の側へ行こう。


くちびる、きさきさに荒らして


一刻も早く、


使い切ろうよ、


早く、


出会おうよ、


わたしたち、




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戦いは終わった。


スミレは立ちあがろうと体を震わせるが、


じきに力つきる。


やがてヨーグルト・レーズンの匂いが街を覆っていく。


「あなただけはプルーンの香りを忘れないでね」


と言い残して、スミレは死んだ。










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