スカーレットの心のつぶやき
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2006年01月14日(土) 涙��

吐くたびに私は崩れて行った。

まるで機械のようにただひたすら食べものを口に運ぶ。

美味しいという感じは全くしない。

早く食べて吐かなきゃいけないという気持ちだけが

私の頭の中にあった。

誰の顔も浮かばない。

あれほど愛したRの顔さえも、

食べて吐くという行為の間には

一度も浮かび上がって来なかった。

あの頃の私は、心の虚しさ、悲しみ、

苛立ち、焦燥・・

と言った、あらゆる感情のはけ口として

食べては吐くと言った行為をとっていたのだと思う。

食べたものを吐けば、

その食べものだけではなく

体の中にあるミネラルやその他の必要な成分も皆出てしまう。

吐くことによって要らぬ唾液も出る。

吐いているときの私はまるで化け物だった。

顔中、涙とよだれだらけ、

そして左手の人差し指一本を喉の置く深く入れ、

ゲーゲーと吐く姿は異様だった。

はじめの頃はこの人差し指一本で吐けていたが、

段々とエスカレートしていって

最後は左手の手首より先を皆

口の中に押し込んで吐いていた。

唾液の出すぎで耳下腺をやられた。

顔がむくむ。

耳下腺も腫れる。

醜い顔になる。

こんな姿で生きていたくなかった。

誰にもこんな私の姿を見せたくなかった。

死にたいと思った。

こんな状況の中から逃げたいと思った。

いくら入院して治療をしても治らない。

バカは死ななきゃ治らないという言葉の通り、

私のこの食べて吐くと言った行為は

留まることをしなかった。

それでも、Hは私を見捨てはしなかった。

何か原因があるのだと考えていたようだ。

「あなたには分からない」と私は心の中で叫んでいた。

「早く、私の前から消えてよ」と叫んでいた。

私が死ねないのなら、

そして、Hが私の元から去らないのなら、

私は帰るしかないと思った。

そしてHとの同棲生活を二ヶ月送った末、

私は生まれ故郷へ帰る決心をした。

本当に自分勝手な私だった。

親が出してくれた入院費用や

引越しの費用、

そして生活費のことなど

まるで私の頭の中にはなかった。

お金だけではなく

親にかけてしまった心配についても

申し訳ないという気が全くしなかった。

そして、Hに対する謝罪もせずに

私は帰った。

だが、これで、Hとは別れると思っていたのに

Hは九州の地を離れて、

私の生まれた土地へ移っていくと言った。

ああ〜なんてバカなHだ。

あの時に私のことなど放って

誰かと一緒になっていたら

あの数年間を無駄にはしなかっただろう。

私はHに愛される価値などない女だったのに。

あの時に見せたHの涙は私への愛を示す涙だったのだと思う。


スカーレット