スカーレットの心のつぶやき
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2006年01月11日(水) 涙��

Hとのことは今では私の人生の中で

唯一後悔していることだ。

それはHの心を傷つけてしまったという点で

私のそれまでの被害者意識と同じような思いを

Hにさせてしまったからだ。

Hは大学4年でまだ卒業の見込みもない

いわば中途半端な状態で私と出会ってしまった。

あの船の中での出会いが

Hと私の人生を一時的にせよ

幸せなものにしたことは否めない。

しかし、今思うと

その幸せは波にさらわれて直ぐに崩れてしまう

砂の城のような脆さだった。

私は拒食症を再発しながらも

また入院すれば治るという

これもまたまるで綱渡りのような日々を過ごしていた。

出身の大学の図書館の司書のアルバイトをしながら

お金を貯めてはHの住む九州へ行くことが

その頃の私にとっては最高の楽しみになっていた。

Rとのことは諦めてはいなかったけれど

私を捨て一足先に社会に出て結婚してしまったRのことを

これ以上追い求めても仕方ない、

失恋の傷を癒すのは新しい恋をすることだという

私の辞書の中の言葉の通り、

新しいHとの恋に夢中になることで

Rとのことを忘れようとしていたのかもしれない。

HはRとは正反対に私のことを女王様のように扱ってくれた。

私の思う通りにことは進んだ。

私が思いっきり我儘を言っても

決して怒らなかったし逃げることもしなかった。

でも、本当の私は

こんなHの態度は物足らなかった。

もっと男らしさを持って欲しかった。

九州男児のイメージとは程遠いHの態度に

少しずついらだち始めた私が居た。

Hの涙を見るのはもっともっと先のことだけれど

私にはHとの付き合いには限界があると分かっていたし、

また真剣にHと結婚したいとは思ってなかった。

その頃の私はいくら若かったとは言え、

何と鼻持ちならない女だったのだろう。

一番嫌な女に成り下がってしまっていた私は

自分の中でまたRに対する気持ちが

少しずつ炎を燃やし始めていたことに

気付いてもいなかった。

私の心はHと居てもいつも空虚だった。


スカーレット