わわわんわん



こいぬ

2002年05月19日(日)

小学生の子どもの足下を弾んでゆく白い小さなかたまりが子犬だとわかるまでに少し時間がかかるぐらい離れたところを子どもと子犬がとことこ駅に向かっているのが見えて、その後ろを子どもの両親らしき大人がふたり歩いていた。子犬は、子どもが先を掴んでいる綱につながれているのだろうとは思ったが綱は暗くて良く見えず、ぴょんぴょん跳ねながら子どもの前になり後ろになりよこっちょへ飛び出しくるくる回って、弾力のあるふかふかころころした子犬の手触りが見えるようで、子どもは犬を飼うことのできる家に暮らしているのだろうし子犬は帰宅すると足を拭われて室内でころげまわるのだろうと思われるし子供部屋で子犬のためのふかふかの座ぶとんが用意されているかもしれないことを思うと子どもの両親は子どもが子犬と楽しそうである様子を見るのが楽しみであるのだろうかそれともそうした生活をつくりだしていることに楽しみを見ているのかそれとも本当に犬が好きなのだろうかと、何年も前に死んでしまった飼い犬のことを思い出してしまった。子犬が家にやってきた日のことはあるいは作文に書かれて残るかもしれないが、行末までを見守られるのだろうか。死んでしまった犬も、以前の飼い主の家ではああして可愛がられていたのだといいと思った。

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