![]() |
![]() |
空になったコンドームの箱を適当に潰してゴミ箱に投げ込む。上手い具合に入ったのをみて口笛を吹いて微かに笑う。 本当は、こんな行為はしなくたって構わない。セックスも、その後始末も、何もかも。 どうせ相手との関係はすぐに切れるようなものだし、ましてやこんな行為の間に愛だのなんだのという陳腐な感情は生じない。 恋ですらない。 体が繋がろうが、心はつながりやしない。 体は生理現象で熱くなっても、いつだって心は冷えきっている。 あの日、その一週間ぐらい前に告白をしてきた女の子とのセックスの最中。俺はその行為の無意味さに、その行為の虚しさに耐え切れずに、泣いた。 それでそのままその子に謝って、行為の途中に逃げるように俺はそこから家に向った。 本当は、行くつもりなんてなかったのに。 「せん、ごく?」 チャイムを連打して、扉を何度も叩いた。しばらくすると、亜久津が酷く驚いた顔で扉を開けたので、俺は少しだけ笑った。けれどそれも辛く感じられて、そのまま亜久津にしがみつくと首に腕を絡ませて、彼と唇を合わせた。 外を走ってきた俺よりも、亜久津の唇のほうが冷たかった。 そのままなだれ込むように亜久津を押し倒した。そして後方で扉の閉まるのを確認する間もなく、俺は彼にもう一度キスをした。先程よりも深く。噛み付くようにキスをした。 「…は、ぁ亜久津…ッ」 言葉を飲み込むように、俺はギリと歯を食いしばった。余裕なんて、ああそうだ余裕なんて。亜久津の前で余裕を出した事なんてずいぶん前の事のような気がする。 亜久津にはいつも、本音ばかりだ。亜久津が見ている俺は、いつもギリギリな俺ばかりだ。 -- ごーめーんー。 いつもに増してよくわからんのしか書けねー。 つか久々に読み直さぬまま更新ー。 いつぞやのあの話みたいなのをまた書きたいなと思った結果がコレだ。散々だわごめん。(色んな人に)
|
![]() |
![]() |