たとえばレントゲンみたいに。 君の心が見えれば良い。 そうすれば、きっと。 こんなつまらない事で喧嘩する事なんかないはず。 「ねぇ、ごめんってば」 亜久津は何も言わない。 俺に顔も向けやしない。 叱られた子供のように膝を抱えて、膝に顔を押し付けたまま。 何も言わず。 「あくつ」 触れれば手を払われて。 言葉は無視されて。 レントゲンみたいに。 今、お互いの心が見えたら。 なんて。 どうしようか、と困り果てて、俺はそんな夢をみる。 都合の良い夢を見て、平常心を保とうとして。 俺はただひたすら謝り続けるだけ。 君は黙って俺の存在を無視しようとするだけ。 ああもう本当に。 レントゲンみたいにお互いの心を透かす事ができたらいいのに。 -- 言い訳すら出来ず。 -- そういえばわが家のサンタ様はたしか小学校五年で来なくなった。 母に理由を問うと「あんた悪い事ばっかしてたじゃん」と。 ちなみに四年の時はきたんですが、三年の時は来ませんでした。 三年の時は。 悪い事、に思い当たる事があるからわかるのだが五年…は…何…? いや、もううちに来てたサンタの正体は随分前から知っていますが。 ……なんか切ない、と思ったサンタ話は。 小六の時。 クラスメイトのI君がサンタはいないと断言して、その理由が「サンタのプレゼントと同じ包装紙の同じぐらいの箱がクリスマス前に箪笥の上にのっているのを見た。」という話だった……なんか切なくなった…。 親御様…あの…もうちょっと…上手に隠してください…(笑)
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