ガタン、と後ろにあった机に音をたててぶつかった。 逃げ場がない。 千石はそのまま亜久津の腰に手をまわし、耳もとに唇をよせる。そして右手は制服のチャックを下げはじめる。 「逃げないでよ…」 囁きにびくりと身を震わせると、千石はクス、と笑ってそのまま机に亜久津を押し倒す。背骨が無理な体勢に微かな悲鳴をあげる。 「…ッ、」 「あ…この位置だと腰痛い?」 黙って頷く亜久津の体をすこしもちあげ、亜久津を机の上に座らせ、自分も机にのりあげる。その間に窓際においやられた亜久津が、カーテンに身を隠そうとした。 「何、はずかしいの?大丈夫だよ、誰にも見られないって…ね、」 千石はカーテンに伸ばされた亜久津の手を掴み、首元にキスをした。 「ん…、」 亜久津はくすぐったさに声をあげる。千石のさらさらと落ちた髪の毛が首筋にかかり、酷くくすぐったさを誘う。 「…亜久津のそういう声、スゲー好き…」 千石はそう言って閉じられた亜久津の瞼にチュ、と音をたててキスを落とした。 この甘さで感覚は麻痺していく。 何もかもが痺れて、判らなくなる。 わかるのはただひたすらにこの甘さだけ。 しつこくて、温かい、病み付きになるような、甘さ。 手を伸ばしたら最後、その手をつかんでもっていかれるような気がした。 もうまともな感覚なんかは残っていないのだけれど。 -- うー……まとまらなかった……。
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