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誤字脱字やら単語が中途半端に途中だとか色々あるけど気にしない。

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永遠の一瞬 その二。
2002年08月19日(月)


実は前から思っていたのだが、亜久津は病院が似合う。
いや、真っ白過ぎるこの空間のなかに、君は違和感なく溶け込んでしまえるのだ。
一点の汚れも無い白い空間に。
正確には灰色がかっているが、それでも白いという表現が一番あてはまる病院という空間に、君は、とけこんでしまうのだ。

ベットの上で身じろぐ度、色素の薄い髪が、さらさらと落ちる。見なれた光景、違うのはこの場所と、君が、怪我をしているという事だけ。
本当はベッドの上で髪をおろして眠る姿を見た時に、病人のようだと思った事があった。実際そんな無茶な喧嘩ばかりしている彼に生傷は絶えなかったし、いつ病院にお世話になってしまうんだろう、と心配していた。
でもそれは絶対ありえない事を前提とした心配だった。

「……あくつ……」

ぎゅ、っと手を握りしめる。反応は返ってこない。脈は弱い。常人よりも、低い体温が恐くなる。確かに血は通っているし、呼吸もしているけれど、まるで、まるで眠ったまま死んでしまったかのようにみえて、恐い。


パタン、と後ろで音がして、振り返ると亜久津の母親の優紀ちゃんが青ざめた表情で病室に入ってきた。ここは個室で、他の患者はいない。これは重症とか、隔離とかではなくて、ただ病院側の配慮だ。下手なトラブルを招かないように、と。
「キヨくん……仁、まだ目、覚めない?」
「…うん…まだ、」
「………そう……」
優紀は、亜久津の寝ているベッドを挟んで千石の向い側に立ち、そっとやさしくわが子の前髪を梳いた。
「………ありがとね、キヨくんが救急車呼んでくれたんでしょ?」
「…うん……あんなに出血してる人なんか始めてみたから…」
「……ありがとう」

冷たい空気が流れている。
ああ、そういえば外はまだ雨が降っているんだった、と千石は窓を見た。窓には絶え間なく雨が伝い流れている。

「…じゃあ、私帰るね、キヨくんも気をつけてかえってね」
「はい」

また、この個室は亜久津と千石の2人きりになった。
亜久津に繋いである、血液チューブは、最初よりいくらか減った気がする。
「………………」
両手で亜久津の左手を握ったまま、千石は頭を下げた。



ふ、と指が動いた気がして亜久津の顔を見ると、亜久津はゆっくりと眩しそうに目を開けた。暫く視線を天上に彷徨わせる。
「……………ぁ…?」
「…おそよう、亜久津」
千石が声をかけると、ゆっくりと千石に顔を向けた。状況が整理出来ない、どうしてここに、いや、それよりここはどこなのか、そんな顔をしていた。千石は、困ったような顔をして、微笑んだ。
「………………千石………?」
「病院だよ、……刺されちゃったんだよ、亜久津」
「……あー………そういや…」
言いかけて、刺された箇所に、右手を触れる。
「…………ッ…」
「大丈夫?」
「…別に、何ともねぇよ」
「そんなわけないじゃん…すごい血ィ出てて…すごい……俺……心配して…!」
「……………せんごく…」
軽く横に首を振って下を向く千石の頬にに、ゆっくりと、亜久津は上体を起こして、左手で触れた。
千石は亜久津を見た。目がかちあう、お互いに視線をそらせなくなる。
「………死ぬのかと思ったんだよ。」
「……………悪ィ…」
「……………二度と、」
言葉を遮るように、亜久津の腕が千石の背中に回り、顔が近付いて、ゆっくりと唇が重なる。
「死なねぇよ、……死んでたまるか…」
「………………うん…………」
千石も亜久津の背中に手を伸ばす。傷口に触れないように、そっと手を伸ばし、ぎゅ、っとその背中にしがみつく。
「…………………死なねぇ、から」
「………俺の事離さないと、傷、開いちゃうよ……」
「…うるさい」
「……もっと、体大事にしなよ…」
「………人の事強姦するような人間の台詞じゃねぇよ………」
「…うん、ごめん………でも亜久津が好きだから」
「……ぁあ」
喉ににっかかったような、掠れた声が、とてもとても愛おしくて少しだけ腕の力を強くした。


まだ外の雨は止まない。
外は冷たい。
君の体温もまだ少し冷たい。

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この間の続き。まだ続く。多分次で終り。
やっぱりなんか精神的にはアクゴクっぽい気がしてならないんだが…。




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