血の染みがついた制服を洗濯機に放り込み、そばに置いておいた洗剤を入れ、スイッチを入れる。 洗濯機が回っている間に亜久津はシャワーを浴びる事にした。 気が付くと、いつもよりも執拗に体を洗う自分がいて、なんだか吐き気でも起こしそうな気分になった。 確実に「汚された」、という感覚。 べつに初めてではないのだけれど。 いつも合意して始まる訳では無いけれど。 その行為事体は嫌いでもないのだけれど。(しかし好きかどうかは別の話であって) 相手が嫌いな訳では無いのだけれど。(やはりこれも好きとはまた別であって) シャワーの音がやけに耳に響く。 頭がぼぅっとして、おかしくなりそうだ、と思いながらシャワーを止めて亜久津は浴室を出た。すこしのぼせたようで、なんだかいつもより熱くてだるい。 黒いタンクトップとジーンズへと着替え、まだ水滴の滴る髪を乱暴に拭いた。 浴室のすぐそばにある洗面台の鏡に映った自分の姿が、やけに滑稽に思えて、なんだか無性に人を殴りたいと思った。 衝動的に人を殴りたいと思うなんて、いくら喧嘩ばかりしている亜久津でも珍しい事だ。 そして良く考えてみればそんな衝動にかられるのは、いつも千石関連で何かあった時だと気づき、余計にイライラが増した。 忘れよう、と考えれば考える程、深みにハマって行くようで、終いには事の最中の千石の言葉がリアルに蘇ってきて、顔が赤くなるのを感じた。 ――…何だか酷く、惨めだ。 雑念を振払うように、頭を軽く左右に降って、洗面所を後にした。 フローリングの床が、素足にヒンヤリとした感覚がして心地よかった。 +++ 基本的に亜久津主人公で進んで行きます。この話。 今の所珍しく、ラストまで考えて無いのでバッドエンドかハッピーエンドかわから無いです。 バッドじゃないと思うが。 うちのバカップルの事だから…。 ていうか本当ホモばっかりでこっちが嫌になる。(でも好き/どっちなんだ…)
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