「お前は俺に幻想を抱きすぎだ。」 「お前は俺に理想を求めすぎだ。」 睨み合うように、お互いの意見を言い合う。 意見の対立なんていつもの事だ。 俺がしたいと言えばお前はNOと言う。 お前がしたいと言えば俺はNOと言う。 嗚呼、それなのに、どうして終らないのか。 終われないのか。 どちらも報われないのに。何も得ないはずなのに。 お互いにそれを知っているのに。 「だからお前が嫌いだ」 「だけどお前が好きだ」 きっとからみ合うだけからみ合って、ちぎれてしまう。 俺等の赤い糸はそんなもの。 結ばれる事は無くて、絡み合って、そのうちプツンと切れてしまう。 どちらか一方がもう片方を捨てるのか。 どちらか一方がもう片方を殺すのか。 どちらか一方が壊れてしまうのか。 先の事なんてわからないけれど、 きっとこの運命の赤い糸ってやつは、絡まるだけ絡まって、いつの日か切れてしまうのだ。 ああ何で運命なんて残酷でしか無いんだろう。 「海馬」 「五月蝿い」 パソコンに向かう海馬の首に腕を絡ませ、そのまま背中から抱きしめる。 そして耳もとで囁く。 「………なぁ」 「何だ」 「……俺達どこまで行けんのかな」 「…何の話だ、凡骨」 「………………俺海馬の事好きだ」 「…それが」 「でもどうなっちゃうんだろうな」 「……何が…言いたい?」 「…………全部終っちゃうのかな、と思って」 「………どうせ死ぬときが来れば全て終るだろう?」 「そうじゃなくて…俺と、お前の関係が、さ」 「………………」 ああきっとこいつは肯定するのだろう。否定はしないだろう。 そう思って目をふせると、思い掛けない返答が帰ってきた。 「……俺はそんな事は知らんがな」 それは肯定と取ってもよいのだろうか。 それとも否定なのだろうか。 驚いてついつい目を見開く。 お前の顔はよく見えない。 それは否定か? それとも肯定か? ………わからない。 ああでも、 「…………そう、だな」 俺は無意識に、笑顔になった。 +++ え、城海なのか…コレは?(痛)
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