短いのはお好き? DiaryINDEX|past|will
「東京の空にもこんなに星があったなんて知らなかった」 そういってユカは、目をきらめかせ少しでも星に近づきたいみたいに、フェンスの金網に手をかけ背伸びしながら、夜空を見上げた。 ユカのことを世界中でいちばん嫌っているのはこのぼくだと思う。 離れていると一秒でも早く逢いたくなるのに、一緒にいると憎らしくてしかたない。 ケンカしない日なんてないかもしれない。そのたんびにぜったい別れてやると思う。 「あ、ねー見て! 流れ星」 しゃがんでいるぼくにも、ユカの肩越しにすーっと尾をひいて東の空の方へと燃え尽き消え入ってゆく、星の残骸が見えた。
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