短いのはお好き?
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丘にのぼったら風が吹いてた 風に逆らわずに刀鍛冶が刀を鍛えるようにして 血も滴るようなカヲルの心臓をまた冷凍庫から取り出した 褌姿で青魚をステージで飲み込むのはきっと何かの記号に違いないだろうって カヲルはよくいってたもんだけれど その生臭さはたとえようもないほどで澱のように心の襞襞に張り付いて耐えがたく 歩くたんびに周りに銀色の鱗が飛び散った 重いのかい? 重いだろ? ぼくがいくら訊ねてもカヲルは何も応えてくれない これでいいんだね これでいいんだと思った また丘にのぼれば移動映画を観れるかな 獣のニオイのするこの腕で 一度でいいから抱きしめてみたかった さようなら風の時間 頬なぶる優しい風たち 凛としたその眼差し 綺麗だよ
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