母のタイムスリップ日記
DiaryINDEXpastwill


2009年08月18日(火) 忘れ物


庭の手入れをしていて 蝉の抜け殻を見つけた。
これまでは 大概紫陽花の葉の裏が多かった。
でも今年は 鉢植えのパイナップルリリーの葉の裏でも見つけた。

菜園で作業をしている時には シオカラトンボが胸にとまった。
自分が自然に溶け込んでいるのからかと失笑。
不思議なのは ちょっと身体を動かすと瞬時に離れるが 動作が止まればまた肩やら腕に止まった。
子供のころ シオカラトンボは飛び立つのが早くて捕まえられなかった。
今では 捕まえようなんて微塵も考えない。
そんな人間の心理を読み取っているかのように思えた。

母の所に行く時には川べりの道を自転車で走る。
初夏にはカジカの声も聴こえた。
最近は ウシガエルの声が聴こえる。
姿を見ることはないのだが…。

もっと多くの昆虫や鳥達や草木に出会って 気持ちをほぐして貰っているのだが日記を書く頃には すっかり忘れてしまっているのだ。

お弁当を持って母の所に出かけた。
母はソファーで居眠りしていた。
この所目覚めている日が続いていてホッとしてたのだが…。
何回かぽんぽんと肩を叩いて名前を呼んでみたが ちょこっと目を開いて目視して目を瞑ってしまう。
両手を持って リズムを取ったらニコッとしてまた目を瞑ってしまった。
再度 両手を取ってリズムを取って 頭や顔を撫でたら ようやく頭を上げてくれた。「さぁ 立ちますよ」と肩を抱いて前に引くと 自力で腰を上げてくれた。
それから 居室まで両手引きで歩行介助。
トイレ誘導。「大」「小」を排出できた。

その後 昼食介助。
味が濃いようで 結構食べてくれる。
相変わらず すいすいと口をあけて噛んで飲み込むのは ある程度の時間が必要だ。食べたくないのではないという事だけは伝わってくる。
それでも 元気な頃のペースよりかなり落ちてきている。
脳の回路の障害が強くなっているような気がする。
母の踏ん張れる所まで根気よく付き合っていくしかないだろう。

母が一番最後まで食べていた。
他の方は 食後の休息でテーブルに着いていた。
その時に1人方が呟いた。
「頑張れって言われても頑張ってもどうにも出来ないのよね」
「頭が モヤモヤとして…」と。

その言葉を 他の認知症の入所者に「頑張っているのにどうにも出来ない事ってありますか?」と投げかけてみた。すると「ありますよ」と深く頷いてにっこりなさった。
「頭がもやもやする事ありますか?」ともお聞きすると「そうですね。そういう日がありますね」と。
心情を吐露できたように感じる時には 皆さん笑顔になるように思える。

食後 母をトイレ誘導し「大」「小」排出。
口腔ケアを済ませていると入浴介助に職員が見えた。
着替えを準備して手引き歩行で浴室に移動。
後は職員にお任せした。

居室の片付けを済ませてそうっと施設を後にした。
今日は お湯を持っていくのを忘れてしまって 母には迷惑をかけた。
「ごめん 冷たいよ」というとじっと我慢してくれた。夏だから出来た事だわ。


はな |MAILHomePage

My追加