母のタイムスリップ日記
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2008年05月16日(金) スリリングな1日


母の月1の通院日。
施設に着いたときには 非常に不安げな表情。
後ろから頭を撫でると「なにすんの!」と機嫌が悪かった。
隣には 新入所者の方が車椅子に座っていらした。
見慣れない人だから 機嫌が悪いのだろうか?

顔を見せても不安げな表情は消えない。
立ってもらおうと介助したら嫌がる。
2度目で何とか応じてくれ 居室に移動。

こういう時は「ギュッ!」が1番。
笑顔が戻った。
そこでトイレ誘導。でも空振りだった。
着替えをして歯磨きをして…。
そこへ 職員が見えて話し込む。
母は 再び機嫌が悪くなる。
自分を除いて会話している事が気にいらぬようだった。
しかし 足の事もあるので母には我慢を強いた。

話し終えて「出かけるよ」とホールに移動すると「ここがそうか」ともう外出気分になったようだ。
「いや 未だ先よ」というと頷いて歩き出す。
少し足が重そうで 交通手段を何にしようかと迷う。

玄関先で 母のショルダーをみた職員が「ナイスコーディネイトですね」と褒めてくださった。実は 乳児用のお出かけバックなのである。
これが 案外 母のように水や替えパット等が必要な者にも使いやすい。
歩く時は 母が肩から提げる。

ご機嫌になった母は 外に出ても体を傾けながらも歩こうとする。
そこで とりあえずバス停まで。
ちょうど空いているバスが来たので乗り込もうとした。
が 今日のバスは 歩道から離れて停車したので 母は乗車拒否。
乗り込み口でモタモタしていたら 乗客の一人が助っ人してくださった。
それも 満面の笑顔で受け入れ態勢万全。
そこで 母の手を持って頂き こちらは腰に手をかけて 力仕事。
何とかバスに乗り込めた。
それでも 膝カックンしてしまったのだが…。

下りる時は運転手さんも歩道に寄せて停車してくださり 私だけの介助で降車できた。
お次はタクシー。
午前の診療時間に間に合わせるためには タクシー利用はやむなし。
施設を出る時 回転座布団を持ってきたので 直ぐに座席に置いて母に腰を下ろしてもらいくるりと座布団を廻した。
多少もたついたが でも困難な状況は免れた。
下りる時には 運転手さんが回転座布団を取ってこちらに渡してくださった。
個タクだったので 親切で優しさを感じた。

診療所は 空いており直ぐに診察。
足も気になったので 見ていただくが心配はないと言う事で一安心。
待合室に「7月から日曜の診察はありません」と張り紙がしてあった。
「いやぁ〜参ったなぁ〜」これも 日曜診療の加点のせいだろうか?
他のところはどうなのだろうかと気になった。
ちょっと調べておく必要がありそうだ。

さて 昼食前に施設を出たので ランチタイムを取らねばならない。
家を出る時 サンドウィッチを作り 抹茶ムースの黒蜜がけと飲み物を準備してきた。けど 何処で食べるかである。
近くには 公園があるが そこまで歩くのは母にとってはハードすぎる。
ふと タリーズがあったことを思い出した。
そこは 外にもテーブルがあるのだ。
お店に行くと店内からは階段2段上らなければならなかった。
仕方ないのでぐるりと廻って1度外に出て テーブルに着いた。
サンドウィッチとアイスコーヒーを注文した。
こういうお店 持込は禁止だろう。
でも そうっと持参した物を母に食べてもらう。
日差しは強いが 気持ちの良いお天気で 母はニコニコ笑顔。
「気持ちがいいね」と言ったら 静かに頷いて笑顔をくれた。
人ごみや車が目の前を走る所ではなく 緑ゆたかで ちょっとしたピクニック気分になれた。

問題は帰路。
気持ち的には 美容院に連れて行きたい心境。
おそらく暫く入浴できていないのだ。
母の様子を見る限り もう今日の行動の限界だろうと想像がついた。
美容院は諦め バスを乗り継ぐか タクシーかと思いあぐねながら乗り場まできたら 本数の少ないミニバスが停車していた。
これに乗れば 乗り換えなしに帰れる。

バスに乗り込もうとして気がついた。
ミニバスにはステップがあった。
迷ったけれど「大丈夫よね。頑張ろう」と声をかけ 母の頷きをみて バスに乗り込んだ。結構冒険だったけれど 何とか乗り込めた。
乗り込む時 ステップに腰を下ろさせてからこちらで向きを変えて立位して貰おうかと悩んだのだが…。
乗ってしまえば こっちのもと安心しきっていたら バスが動き出し暫くしたら…。
停留所でバスが止まり 降車ドアがあいた。
「誰も降りない」
あいたたた!母の手が降車ボタンの上にしっかり置いてあった。
運転手さんに「間違いました」と伝えた。
母のせいという言い方をしてしまった。
でも 母は認知できていないのだから「私のせい」なのだ。
全く 何時だって言い逃れしようとする自分がいて嫌になってしまった。

さて バスは遠回りしながら施設に近づいてきた。
考えれば 1番近くの場所で下りれば 大きな道を2回渡らなくてはならない。
ひとつ手前で降りれば 車の通らない道を少し長く歩く。
どっちにしようかと迷ったが ひとつ手前で降りて歩く事にした。

大分疲れた母にはもうひと踏ん張り。
えっちらおっちら いい加減嫌になりかけた母に「頑張ってくれてありがとうね」と声を掛けながら歩いた。

途中2度ほど休息を取った。
あまりに辛そうなので帽子を脱いでもらったら 汗でびっしょり。
「そうだわ」自分だって汗が出ているのだ。
背中にタオルを入れてごしごし。

ブラウスを一枚脱いで貰って 再度歩き出した。
小山のある公園まできて「上れる?」と聞くと頷いた。
「じゃ もうひとふんばり」と小山を上って降りて…ようやく施設に到着。

今日の母 はなまる !!
居室に入っても笑顔の母。
「頑張ってくれて有難う。ごめんね 無理させて」と言ったら ニコニコ笑っていた。
思ったより疲労度は 軽かったようだ。
爽やかなお天気と見知らぬ人たちに支えられたこそ 今日の一日を無事過ごせたのだ。

ちょっと面倒ではあるけれど こういうことがあるから ちょこっとした無理にチャレンジしたくなる。結果オーライってことで勘弁してもらおう。


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