母のタイムスリップ日記
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2008年03月19日(水) 呆然 !


朝 以前母が通っていたデイの様子を見学させていただいた。
定年等で退職なさったり職場内移動もあり 顔見知りの職員も大分少なくなっていた。

家で介護していた頃 積極的にデイの様子をみようという気持ちには起きなかった。
でも 行事の時には参加するようにしていた。
また 家族介護教室の時に 本人を連れて参加なさる時には ボランティアで見守りを受けたりする事もあった。

母が施設へ入所し デイという場所からはすっかり離れた状況となっている。だから 今回のデイ見学の企画に是非とも参加してみてみたいと思った。

認知症専門のデイが立ち上げ時からある事業所である。
母のデイ利用も 当然認知症専門から始まった。

あの頃 認知症でも認知症デイを避けて一般のデイを希望される方も多かった。
今は 認知症のデイは 定員いっぱいで 仕方なく一般デイでと変化しているようだ。

家では かなり難しい方もデイにいる間は 問題は起きないと言われていた。
母は 暴れるという行為はなかったものの 周辺症状で大分難儀した時期があった。でも デイでは落ち着いていた。

デイに到着して 皆さんにお茶が差し出される。
その間に血圧測定や健康状態を把握。

程ない頃から 入浴が始まっていた。
職員の姿が短パン 半そでTシャツになるので入浴だなとわかる。
暫くして 戻られた方が口をへの字にして水分補給を拒否していた。
入浴が嫌いな方なのだそうだ。
「いつもはにこにこしているんですけれどね。笑顔がたまらないほど素敵なんですけれどね」と職員も話してくれた。
「昼食まで 笑顔が戻ればいいな」と話されてた。

其のうちに ストレッチ体操が始まった。
ひとりの職員が前で体操。
其の間に 職員たちが利用なさる方の様子を伝達。

ストレッチ体操後 地域の気功愛好会の方のボランティアで気功が始まった。
其の頃には 職員の伝達も済み 利用者さんと一緒に気功をなさっていた。

利用者の方に ストレッチ体操や気功を強制することはないけれど 皆さん 殆ど全員の方が思い思いに体操なさっていた。

私はといえば 知り合いの方や認知症と思われる方を中心におしゃべりさせて戴く。
テーブルにお花が飾れていたので「この花の名前 なんていったかしらね。忘れてしまったので教えていただけますか」とお聞きしたり…。
するとし〜んとした後で「あの人に聞けば判るよ」と教えてくださった。
それで お聞きすると「椿だよ」と教えてくださった。
「あ そうだったわ 椿だったわね。 綺麗ですね。教えてくださりありがとう」とお礼を伝えた。
「私は 背中が曲がってしまって治らないけれど この人は治ったのよ」なんて事も話してくれた。勿論 認知症の方。

体操の時も順繰りに廻って 一緒に体操させて戴いた。
ふと気がつくと 入浴で怒っていた方の機嫌も直って 水分を摂られていて 素敵な笑顔を見せてくれていた。
其の方と 其の時代の俳優さんや歌手のお話を伺う。

見学は一時間半ほど。
家に戻って 自転車に乗り母のところに向かった。
今日はリハビリの日なのである。

ぎりぎりで滑り込み 歯磨きをしてトイレ誘導。
母の機嫌は昨日と同じで 良くも悪くもなく不安そうな表情もない。

リハが済んで少しうとうとしていたので 居室を片付けていたら母が目覚めた。
こちらのお腹がぺこぺこなので 階下のお店に食事に誘った。
昨日より少し寒いので 羽毛のベストや下ズボンを着用してもらう。

食事の終わった母なので 母には飲み物程度と思ったが 私の物に手が伸びた。
お店の方が気を利かせて小さな器を出してくださった。

お刺身やらてんぷらやら 食べたいものだけ食べてもらった。
食べ終えて エレベーターに乗り込もうとしたら…。
「点検中」と札が下がっていた。
「がががが〜ん」
「階段上れる?」と聞くと 不安そうに首を振る。
「んんん…なぜにこんな時には直ぐに理解できるの!」と泣きたい気分になった。

お店は 私たちがラスト客で「クローズ」の札が下げられたことを見届けている。外を歩くには軽装で無理。
階段を上るしか道はない。母のフロアは4階。
ただただ呆然。

負んぶして上ろうと決め 階段の方に移動。
階段を見ただけでしり込みする母。
「ね 負んぶするから。これしか方法がないのよ」と幾度か負んぶを試みるけれど 母が拒否。

「じゃ 頑張って上るしかないね」と介助しながらそろりそろりと上り始めた。膝カックンも怖いので腰を守りながら…。
半分上ったところで 次にもあるとわかった母はこわばる。
無理もない。
でも こちらも余裕もなくなっていて「長いねぇ〜」と冗談を飛ばす余裕も生まれない。
外階段なので 風も当たる。
「さむいなぁ〜」と母。
着用しているフード付きのトレーナーを脱いで母に着用させた。
居室に 薄手のジャンバーを脱いできた事を悔いた。

2階まで上りついた時 足の向きを下に向けた。
「下りたい」という気持ちなのだ。
足を動かそうとしないので 仕方なく階段に腰を下ろしてもらう。
踊り場が広いのでそれだけは助かった。
手すりを握る手も冷たそうで バックに入っていた皮手袋を母の手にかけてもらう。
それから 座った状態で足を階段から引き上げて 横に向けて踊り場に座る形になって貰い 介助で立ち上がってもらった。
そこから 再度 階段のぼり。
「ごめんね。点検があるって知らなかったのよ。怖いよね」と言葉をかけながら 半分は強制的に階段を上る。
母は大きな声で怒っている。
もう 聞く耳持たずの状態。
良かれと思って連れて出たのだけれど…失敗だったなぁ〜。
自分の空腹くらい少し我慢すれば良かったと怖がる母を見て ただただ悔いるばかりとなった。
この続きは 明日へ。


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