母のタイムスリップ日記
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2007年09月21日(金) 不思議だけれど 嬉しい事


母の所に行くと 超ご機嫌で箸が転がっても笑いそうな勢い。
でも 両手を差し出すと「?」と言う感じだった。
今日は 手を差し出したら立ち上がるという連想がないみたい。
「立ってみない?」と言葉をかけると 腰を上げようとした。
が かなり腰が重い感じ。 母も「駄目だ」と呟いていた。
少し力を入れて介助したら立ち上がれた。

口の中には食べかすが見えるので 居室に誘導し歯磨き。
その後 トイレ誘導。
面会の度に繰り返している事である。
入れ歯を外してからの装着拒否もなかった。
歯は 落ち着いているという事だろう。
入れ歯を外すって 在宅の頃から見られていて そんな時は気持ちの落ち着かない時が多かったと思う。
ただ 時に入れ歯の当りが悪くてそうする時もあったので必ずと言う訳ではなかった。

居室でお茶を飲んでゆったりしてから ホールに移動して入所者の方とじゃんけんをして遊んだ。
「私 忘れっぽくしてね 覚えていられないのよ」と言う方がいて
「私もそうなのよ。同じですね。仲間に入れて頂いて良いかしら?」と聞くと「そうね 仲間ですものね。よろしく」って言ってくれた。
言葉の話せる方の間に入った母が徐々に押し黙っていく。
じゃんけんは 一緒に出来る。
他の人は 勝とうと意識してできるけれど(少し曖昧だけれど...)
母は グー チョキ パー は使い分けるけれど 勝負と言う感じではない。
入所した頃には まだ 勝負を意識していたけれど。
「勝ったのよ」と拍手してあげると喜べる。
会話しながらじゃんけんすると会話についていけなくて どんどん落ち込んでいった。

隣に別の方が見えたのを機に 居室に戻った。
母をギュッとだきしめると暫くその体勢を変えようとはしなかった。

トイレ誘導してから着替えてお散歩に誘う。
でも 言葉を理解できないようで「?」と言う表情。
「お・さ・ん・ぽ」とゆっくり言って 手を引いたら少し判ったようで立ち上がった。

外に出ると直ぐに「あつい あつい」と嬉しそう。
居室で幾度も「歩ける?」と聞いたのだが 無反応だった。
外に出て同じ質問をすると「歩けるよ」と威勢の良い返事が返ってきた。
ほんとに不思議なんだけれど外にでると言葉が出るようになる。

コンビニで アイスを買って 少し先の公園のベンチでアイスを食べてもらう。
ちょっと零したら「勿体無い」と言う言葉が飛び出した。
食事中にも零すけれど「勿体無い」という事はない。
これも不思議な感覚である。

こういう収穫があるから 母とのお散歩は楽しい。
「ありがとうね。一緒に散歩できて嬉しいわ♪」というと深く頭を下げてくれた。
「青い空だね」と空を見上げてから 足元に転がっているどんぐりを拾い上げた。手の平に載せてあげたら コロコロ転がしていた。
♪どんぐりころころどんぐりこ...♪と唄うとリズムを取ってくれた。

休息後 また歩き出した。
母の顔に汗がじっとり滲んでいる。私はといえば 汗が流れているのだけれど...。
時折 涼しい風が頬にあたると 母は「気持ちよいなぁ〜」と言う表情をする。
「涼しいね」というと深く頷く。

野菜スタンドで野菜を購入。
農家の方が出て見えて「お変わりなくお元気ですね」と声をかけてくださった。母 ニッコリと返事していた。

大きな道路を横切ろうとしたら 車が来るから危ないといわんばかりに私の手をギュッと引く。
信号が青になっているので大丈夫なのだが 母はきちんと車が止まらないと納得できないのである。

母が認知症になって間もない頃 ふるさとで1人歩いている所を弟が偶然通りがかってみつけたそうだ。
信号無視で道路を渡ろうとしていたと言っていた。
そういう事が度々あったと聞いている。
確かに 我が家にいたときも 怒りモード全開の時には赤信号だって気にしなかった。
あの頃は 思いつめてひたすら自分の世界を走っていたのだろうと思う。

今だって 1人で歩けたらおなじ事が起きるのだろうと思う。
相方がいれば 危険回避まで気が廻るという事かな?

少し 遠回りをして二つ目の公園に立ち寄り小山を上った。
「上るよ」と言うと少し気後れした表情。
「が・ん・ば・ろう♪」と声をかけ ゆっくり上った。
下りは 怖いようで「おかちゃん」と繰り返していた。
身体を支えているのだけれど 母にとって人の支えは当てにならないという感覚がある。
基本的には その感覚が正しいのだと思う。

こうやって母を支えてのお散歩が何時まで出来るか...と考える。
やめる限界は 母が歩く楽しみを感じられなくなった時と思う。
出来れば 車椅子になってもお散歩に連れ出したいと思うけれど 母の場合歩けなくなった時が寝付く時なのではないかと感じているのだが...。
先の事は 誰にも判らないことだから 考えても仕方ないけれど...。


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